「たまひよ妊娠・出産白書2024」母親・父親2,000人調査 「産後パパ育休」施行から約1年 父親の休暇日数* 2週間以上が40%超 休暇日数1カ月以上の場合、母親の満足度は90%に
一方で「産み育てにくい社会」と感じる父親は2年で11ポイント増、母親は2年連続75%超
本調査はコロナ禍の2020年秋に開始し、今年で4回目です。仕事環境やジェンダーの意識、法制度の変更など、妊娠・出産・育児を取り巻く環境は変化し続けており、父母の実態を調査・分析する目的で継続実施しています。
*「休暇日数」は、乳幼児を持つ父親が、出産・育児のために休みを取った日数の合計。「育児休業制度利用」「出生時育児休業利用」「勤務先が定める特別休暇」「有給休暇」等の休みを含む。(以下同)
【調査結果サマリー】
※詳細は調査結果詳細以降および「たまひよ妊娠・出産白書」サイト(https://st.benesse.ne.jp/press/content/?id=146241)参照
データご利用時は必ず、調査名「たまひよ妊娠・出産白書2024」の明記をお願いいたします。
①父親の出産・育児のための休暇および「育児休業」取得の実態
父親が出産・育児にあたり取った休暇日数は長期化。父母ともに日数と満足度に相関あり
●日数:休暇日数の長期化が顕著。「2週間~1カ月未満」「1カ月~3カ月未満」「3カ月以上」が3年連続で増加、2023年は2週間以上の取得合計が計43%。
●満足度:日数が長いほど満足度が高い。また、父親の休み日数が1カ月以上だと母親の満足度は約9割に。
●「育児休業制度」取得しない理由:「仕事の代替要員がいない」がトップ、「経済的不安」が3割を超え上位に。
●「育児休業制度」利用促進への必要条件:「休みやすい職場の体制・雰囲気づくり」「育休中の収入補償」が上位傾向続く。
②出産・育児に関わる意識
「出産・育児がしにくい」と思う父親が約6割となり、昨年約25ポイントあった母親との差が約16ポイントに縮まる
●「出産・育児がしにくい」と思う母親は昨年とほぼ変わらず75%、父親の割合も約10ポイント増加し約6割となった。
●理由は父母ともに「経済的・金銭的負担」がトップで、8~9割を占める。
●家族計画:「子どもがもっと欲しいが難しい」が増加傾向。理由は「経済的負担」。
➂2023年妊娠・育児に関して印象に残ったニュース
「出産一時金」が特に高い。経済的・制度的支援拡充へのニーズが伺える
●父母ともに「出産一時金引き上げ」がトップ、次いで「異次元の少子化対策」。
調査結果を受けて
コロナ禍にスタートした、「たまひよ妊娠・出産白書」も4年目を迎えました。この4年間は、妊娠・育児にとって大きな変化の時期だったと改めて感じます。一つは日本の少子化が加速し、年間の出生数が2016年に100万人を切ってから、わずか6年で20万人以上も減ったこと(2023年75万8631人)。それを受けるように政府の子育て支援や法整備が急ピッチで進みました。
この激動の時代に、妊娠・出産・育児をしている世代にとっては、目まぐるしく変わる制度や社会環境に不安を感じることも多々あったと思います。本調査「たまひよ妊娠・出産白書2024」でも、日本を「産み育てにくい社会」と評価するポイントが、母親が昨年とほぼ同様に75%、父親は昨年より大幅にアップし59%となっているのは、そのようなところに起因するのではないでしょうか。賃金の上昇が物価上昇に追いつかないなど、日本の今の経済状況では、もう一人子どもを持つことへの不安が調査の数字に表れています。
一方で22年10月に「産後パパ育休」がスタートし、2週間、そして1カ月以上など、パパが育児休業をする姿、柔軟な働き方に夫婦で対応する姿が、この1年であっという間にスタンダート化しつつあります。変化にしなやかに適応する育児世代はとても頼もしくも見えますね。
ただ、ママとパパが二人だけで孤立して頑張っていないか? 見えていない部分に誰かが手を差し伸べる、そんな社会とのつながりが必要な時が来ているように感じています。ママ・パパからも声をあげる、周りからも声をかける、そんなコミュニケーションが、産み育てやすい社会になるために必要ではないか、その機運をこれからも見守っていくことが「たまひよ」の使命と感じています。
米谷 明子
『たまごクラブ』『ひよこクラブ』統括編集長 『妊活たまごクラブ』編集長
妊娠・育児系の出版社を経て、2007年㈱ベネッセコーポレーション入社。たまひよ雑誌ディレクターを務めつつ、2013年度ムック『妊活たまごクラブ』を創刊、編集長。2022年、6つの時期別雑誌に生まれ変わった、「たまひよ」新創刊をリードする。2023年現職。近年はフェムテックイベントに登壇も。たまひよの雑誌・ブランド活動を語る立場でのメディア露出多数。
調査結果詳細
①父親の出産・育児のための休暇および「育児休業」取得の実態
休暇日数
父親が出産・育児のために休暇を取得した日数は、「出産前後に2~3日」は減少し、「2週間~1カ月未満」「1カ月~3カ月未満」「3カ月以上」が3年連続で増加。取得期間が2週間以上となる人の合計は43%で、より長期の休みで出産・育児に携わっている傾向が顕著に。
Q:女性の方にお伺いします。あなたの配偶者・パートナーは、出産・育児にあたり、合計どのくらいの期間のお休みをとりましたか・とっていますか?
男性の方にお伺いします。あなたは出産・育児にあたり、合計どのくらいの期間のお休みをとりましたか・とっていますか?
満足度
休暇日数別の満足度は、「1週間~1カ月未満」で約6割、「1カ月以上」だと母親の満足度は9割近くになる。
Q.女性の方にお伺いします。出産・育児にあたり、配偶者・パートナーの休みのとりかたについてあなたの気持ちに近いものを教えてください。
父親の「育児休業制度」を取得しない理由
上位は「仕事の代替要員がいない」「職場の雰囲気が休みにくい」「業務量が調整できない」で、職場や業務内容上の理由が「育児休業」が取得できない主な理由となっている。父親では、「経済的な不安(収入減)」が昨年より4ポイント増えて3割を超え、上位にあがっている。
Q. 男性の方にお伺いします。育児休業制度を利用しなかったとお答えの方にお伺いします。その理由をとしてあてはまるものをいくつでもお選びください。
父親の「育児休業制度」利用促進への必要条件
父母ともに「休みやすい職場の体制・雰囲気づくり」が最も高く、「育休中の収入補償」「昇進や昇給などにひびかない評価制度」が続く。
Q. 男性の育児休業制度利用促進にあたり必要だと思う条件や要件をいくつでもお選びください。
②出産・育児に関わる意識
日本社会における出産・育児のしやすさ
母親は、昨年と変わらず「出産・育児がしやすい社会」と思う割合は1割程度で推移。「そう思わない」の合計が昨年初めて7割を超えたが、今年も75%と高い。父親は「そう思わない」合計が一昨年より11ポイント増加し、59%。
Q. 日本の社会は、子どもを産み育てやすい社会だと思いますか?
出産・育児がしにくいと思う理由
母親・父親ともにトップは「経済的・金銭的な負担が大きいから」で8~9割を占める。
「社会の理解や支援不足」「職場の理解や支援が不足」は低下の一方で、父親は「将来の社会への不安」「子育てにおける精神的な負担」で昨年より5ポイント以上の増加がみられる。
Q. 前の質問で「あまりそう思わない」「全くそう思わない」とお答えになった理由としてあてはまるものをいくつでもお選びください。
今後の家族計画
子どもを「あと1人以上」欲しいと思う人は母親全体で約7割。2020年と比較すると5ポイント以上減少しており、低下傾向が続く。一方、「0人(もっと欲しいが難しい)」が増加している。
Q. 今後の家族計画についてお伺いします。あと何人、どもがほしいとお考えですか?あてはまるものをお選びください。
家族計画:0人の理由
トップは「経済的・金銭的な負担が大きいから」が約8割を占める。「配偶者・パートナーのサポートや理解が十分でないから」は微増傾向。
Q.前の質問で「0人(今の人数が理想的)」「0人(もっと欲しいが難しい)」と回答した理由であてはまるものをいくつでもお選びください。
➂2023年妊娠・育児に関して印象に残ったニュース
母親・父親ともに「出産一時金引き上げ」が特に高く、母親では6割を超え突出。次いで「異次元の少子化対策」「年間出生数80万人割れ」が父母ともに3割で、少子化への関心とともに、経済的支援や制度浸透への期待、ニーズが伺える。
Q.2023年に妊娠・育児に関連して、印象に残ったニュース・キーワードをお選びください。(いくつでも)
調査概要
・調査期間:2023年9月15日~22日
・調査方法:WEB調査
・調査対象者:全国の生後0カ月~1才6カ月の子どもを持つ母親・父親(『たまごクラブ』『ひよこクラブ』購読経験者)
・有効回答数:2,062人(母親1,649人・父親413人)
・調査内容:産前産後での父母の意識や、父親の育休取得を含む育児環境や育児への関わりかた等
【ご参考】
■妊活たまごクラブPresents
いつかママ&パパになるかもしれない 未来の二人のためのSpecial Event
結婚と同時に考える「プレ妊活」セミナー開催概要
妊活を応援するメディア・たまひよの『妊活たまごクラブ』が、結婚間もないカップルを招待し、いつか二人に子どもが誕生する未来を想像する「プレ妊活」イベントを開催します。ゲストは、モデル・タレントで元乃木坂46の衛藤美彩さん(夫はプロ野球選手の源田壮亮選手)。2023年12月に第2子をご出産後のメディア登場。また生殖医療専門医による「ライフプランと考える妊活講座」など、20組、40名様を無料でご招待します。
・日時:2024年3月25日(月)19:00~21:00(予定)
・会場:八芳園(白金台)
・参加条件:「いつか赤ちゃんが欲しい」と思っているカップル15~20組
・参加費:無料
・募集人数:20組40名 ※応募者多数の場合、抽選とさせていただきます。
・主催:ベネッセコーポレーション / 協力:Photorait(株式会社ウエディングパーク)、八芳園
・ゲスト:衛藤美彩さん / 講演:トーチクリニック院長 市山卓彦先生
・イベントURL:https://st.benesse.ne.jp/ninkatsu/content/?id=121431
■産み育てやすい社会の実現へ
第2回「子育てのミライ応援プロジェクト」開催決定
妊娠・子育ての課題に取り組む団体募集中
「たまひよ」は、産み育てやすい社会の実現に向けて尽力する団体の活動を応援する「子育てのミライ応援プロジェクト」を昨年初開催しました。
昨年に続き、第2回の開催が決定。現在、妊娠・子育ての課題に取り組む団体のプレエントリーを受付中です。
第2回「子育てのミライ応援プロジェクト」
https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=179638
(プレエントリー受付期間:2024年3月31日(日)23:59まで)
■妊娠・出産・育児ブランド「たまひよ」https://st.benesse.ne.jp/
2022年4月に妊娠期別に3冊(初期、中期、後期)+育児期別に3冊(初期、中期、後期)の計6冊に大きくリニューアルした雑誌『たまごクラブ』『ひよこクラブ』をはじめ、WEBニュース「たまひよ ONLINE」、アプリ「まいにちのたまひよ」のほか、マタニティや内祝い通販事業、写真スタジオなど、妊娠・出産・育児における情報・サービスを幅広く提供しています。
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