人生100年時代の生き方とは? 『何度でもリセット 元コンサル僧侶が教える「会社軸」から「自分軸」へ転換するマインドセット』発売
長い下り坂の時代をどう生きるか
人生100年時代と言われます。
この言葉を聞いたときに、あなたの心の中にはどんな感情が生まれるでしょうか。
Hakuhodo DY Matrixのシンクタンク「100年生活者研究所」が2023年9月15日に公表した人生100年時代に関する意識調査によると、「100歳まで生きたいか?」という質問に「とてもそう思う」「そう思う」と答えたのは26.6%と、あわせて調査されたアメリカ・中国・フィンランド・タイの4か国のなかでも最低の数字でした。
また、「100歳まで生きることは、チャンスが増えることか?不安が増えることか?」という質問に対しては、「不安が増えること」と回答したのは71.8%にものぼりました。
(参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000117890.html)
長生きできることは豊かである一方、底知れぬ不安を感じてしまう人も多いのでしょう。
もしも日本の経済が長らく安定した右肩上がりが続いていて、今後も成長が続く予測が立つのなら楽観できるのかもしれませんが、現実はそうではありません。
2023年に発表された日本の出生数は7年連続減少の80万人割れ。出生率は過去最低の1.26をマークし、少子高齢化による人口減少は加速する一方です。
一方で、近隣のアジア諸国の経済成長は著しく、相対的に日本は「安い国」へと向かっているという指摘が後を絶ちません。
日本社会に生きる私たちは今、誰もがこれまで経験したことのない「長い下り坂」の時代を迎えているのです。
経済が伸び、社会全体が成長している時代には、個人が何も努力しなくてもなんとかうまく人生は進んでいくものでしょう。
しかしながら私たちは、先行き不透明なうえに停滞、下降していく時代に生きています。
このような時代には、先例・前例を踏襲して仕事や生活をしていては、個人の人生が陳腐化し、停滞、下降、逆境を免れることはできません。
だからこそ、自分の軸をもって主体的に自分の人生を生きること、そして失敗を恐れず、チャレンジして、そこから学び、次の成長に向かって少しでも行動を起こしてゆくことが重要になるのです。
銀行員、経営コンサルと異色の経歴を持つ僧侶が説く
本書の著者は、京都の浄土真宗本願寺派本山である西本願寺執行長を務める安永雄彦氏。
安永氏は医学部志望で2浪し、経済学部を出た後、銀行員を21年、46 歳で転職してエグゼクティブ・サーチ・コンサルタント兼会社経営者になって15年、第3の人生は61歳から僧侶として大寺院の経営にあたると、異色の経歴を持っています。
そんな安永氏がなぜ「自分の軸」を持つことの重要性を説くのかというと、著者自身が「自分の軸」を取り戻した体験から得た確信に紐づいています。
安永氏は1979年に当時の三和銀行に入行し、30代半ばまで無我夢中で仕事に邁進してきました。時代はバブル全盛。給料も不動産も融資額も何もかも右肩上がりの時代。
当時の銀行員としてのキャリアの道筋は明確で、安永氏も、同期の中でトップの成績を収め続けることが、順調にキャリアを積む「優秀なビジネスパーソン」のあるべき姿と信じて疑っていませんでした。
入行8年目の1987年にロンドン支店に赴任し、帰国後には順風満帆な出世コースが待っているだろうと信じて疑わなかった矢先に思いがけない転機が訪れました。
それが、ケンブリッジ大学への留学です。
学術界や政界のトップエリートと同じテーブルに着き「ビジネスの本質とは」「世界はどこに向かうべきか」といった視座の高いディスカッションを、まるで日常会話のように軽やかに交わす経験は、あんなに上昇を求めた自分はなんだったのだろうと、それまでの価値観を根底から揺さぶりました。
この経験がきっかけで、安永氏は一度見失いかけていた「自分の軸」を再び握れるようになりました。金融業界から転じて仏道に入るという大転換も、「自分の軸」を握る人生を得たことによる結果なのです。
「会社軸」ではなく「自分軸」へ
将来に対して漠然とした不安を抱えている場合、その不安の理由としてひとつ「会社」の将来性を上げる人もいるかもしれません。
自分が80歳になる頃まで、会社で働けるポジションはあるだろうか?
その頃、そこそこの給料をもらえるくらい、会社の業績は維持されているかな?
そもそも、会社は存在しているだろうか?
そんな会社を主語にした「?」が次から次へと襲ってくるとしたら、自分の人生の大部分を会社に依存している可能性があります。
これからの時代に、「ずっと永続する組織」なんてあり得ません。30年後どころか、10年後、5年後でさえ、会社が今のまま存在しているという保証はどこにもないのです。
会社と自分の運命を重ねて考える人は、それだけ真面目に頑張ってきた人であるとも言えますが、会社に託す人生は手放していきましょう。
では何をよりどころにすればいいのか?
それは「自分」です。
いつでもしっかりと両手で握れる「自分の軸」を備えることが、これから続く道なき道を進むための“杖”となります。
あなたがもし今「会社軸」で生きているとしても、意識と訓練によって、誰でも「自分軸」を取り戻すことは可能です。
本書では、著者自身の経験を踏まえて、これからの人生を楽しく前向きに進むための視点と行動についてお話していきます。
自分の生き方を振り返り、「自分の軸」を見つけ、具体的な新しい行動のきっかけになる1冊です。
書籍概要
【目次】
はじめに
1章:仕事で自分をなくしていませんか?
2章:会社軸から自分軸を取り戻したイギリス生活
3章:「自分の軸」を見つける
4章:「自分の軸」を活かす
5章:「自分の軸」を守る
6章:失敗や逆境に負けない自分になる
7章:「凡夫」として生きる
おわりに
【著者情報】
安永雄彦(やすなが・ゆうひこ)
法名:釋雄玄(しゃく・ゆうげん)
1954年東京生まれ、開成高校、慶応義塾大学経済学部卒業、ケンブリッジ大学大学院博士研究課程修了(経営学専攻)、三和銀行(現三菱UFJ銀行)、米系大手人材コンサルティング会社ラッセル・レイノルズ社を経て、経営幹部人材の人材サーチコンサルティング会社島本パートナーズ社長(現会長)。2005年に得度し浄土真宗本願寺派僧侶となる。2015年7月より築地本願寺代表役員宗務長として僧侶組織のトップとして法務に従事するとともに、寺院の運営管理や首都圏での個人を対象にした新しいかたちの伝道活動に従事し伝統寺院の改革を主導。2022年8月より京都の浄土真宗本願寺派本山である西本願寺の代表役員執行長として本山の改革に従事中。グロービス経営大学院大学専任教授。経済同友会会員。元武蔵野大学学外理事(現顧問)。龍谷大学理事。著書に、『日本型プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)、『築地本願寺の経営学』(東洋経済新報社)。
【書籍情報】
タイトル:『何度でもリセット 元コンサル僧侶が教える「会社軸」から「自分軸」へ転換するマインドセット』
発売日:2023年12月22日
刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
仕様:四六判並製/200ページ
ISBN:978-4-7993-3003-6
定価:1760円(税込)
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