いい部屋ネット  街の住みここちランキング2024<総評レポート>

オーバーツーリズムの住みここちへの影響は限定的

大東建託

大東建託株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員CEO:竹内啓)は、過去最大級の居住満足度調査「いい部屋ネット 街の住みここちランキング2024」に関する<総評レポート>をまとめました。

本調査は、全国1,890市区町村に居住する20歳以上の男女842,238名を対象に居住満足度を調査するもので、2024年5月発表の「首都圏版」を皮切りに、約1年にわたって全国各地のランキングを発表してきました。本レポートでは、社会的関心が高まっているオーバーツーリズムが住みここちに与える影響について分析。その結果として、観光来訪客数が住みここちに与える影響は限定的であることがわかりました。(分析結果の詳細は、以下をご参照ください。)

以上

街の住みここちランキング2024<総評レポート>の主なポイント

1.オーバーツーリズムは、”住みここち“にどのような影響があるか?

2025年3月の訪日外国人旅行者数は約350万人と過去最高を記録し、オーバーツーリズムが「観光公害」としてメディアで取り上げられることもあります。ただし、観光客数の多寡が居住満足度にどのような影響を与えるかは必ずしも明らかになっているとは言えません。

本レポートでは、公益社団法人日本観光振興協会のデジタル観光統計オープンデータの2024年の市区町村観光来訪者数(日本国内居住者のみ)と住みここちデータを組み合わせて、観光来訪者数が住みここち(居住満足度)に与える影響を分析しました。

2.住みここち因子が住みここちに与える影響のうち行政サービスの影響は比較的小さく、「親しみやすさ」「賑わい」の影響が比較的大きい

住みここち調査の47項目の設問を因子分析という統計的手法を用いて8つの因子を抽出し、住みここち(100点満点)との関係を分析すると、「親しみやすさ」「賑わい」「静かさ治安」「物価家賃」「交通利便性」「行政サービス」「防災」の順に影響が大きいことが分かりました。

8つの因子のうち「親しみやすさ」「賑わい」」の影響が比較的大きく、「行政サービス」の影響は非常に小さく、「生活利便性」の影響は統計的には有意ではありませんでした。

3.観光来訪客数が住みここちに与える影響は限定的

観光来訪人数(国内居住者のみで海外からの観光客は含まれない)が該当市区町村の人口の何倍かを計算し、その比率によって住みここち(100点満点)に与える影響を分析したところ、比率が1倍未満を基準として1倍以上の場合は全て1点未満の影響に留まりました。

この結果は統計的には有意ですが、市区町村毎の住みここちの平均値が100点満点で60点、標準偏差が6.3点であることを考えれば、ほとんど影響はないと解釈できます。

観光来訪人数のTOP20では大都市の市区町村が多く、比率では地方の人口が少ないいわゆる観光地が多くなっていますが、地方の観光地の住みここち評価があまり高くないのは、観光来訪者が多いためではなさそうです。

住みここちを目的変数とした重回帰分析の結果

●「親しみやすさ」因子「賑わい」因子の影響が比較的大きい(「親しみやすさ」因子の最小値と最大値の差=約1単位が変動すると住みここち評点:100点満点が9点変動する)。

●「行政サービス」因子の影響は非常に小さい( 「行政サービス」因子が1単位変動しても住みここち評点:100点満点は1.44点しか変動しない)。

●「生活利便性」因子の影響は有意ではない(統計的に有意かどうかを表すp値が58.3%となっており、一般的に有意かどうかを判断する10%を大きく超えている)。

※各因子を構成する設問は表2を参照。この因子分析は2023年までの因子分析とは結果が異なります。 

●観光来訪人数を人口で割った比率が1倍未満の場合に比べて、1~10倍の場合で住みここち評価:100点満点は0.42点低下し、同様に10~20倍の場合は0.49点、20~50倍の場合は0.85点、50~100倍の場合は0.69点、100倍以上の場合で0.68点それぞれ低下することが統計的には有意だが、100点満点に対しての影響なので、観光来訪人数が人口を大きく超えたとしても、その影響はほとんどないと解釈できる。

※観光来訪人数は、スマートフォン位置情報を元に推計されている日本国内に居住する者が通勤目的を除く観光目的で該当自治体を訪れた人数。海外からの観光客は含まない。

観光来訪人数と住みここち評価

●観光来訪人数のTOP20をみると、観光地ではない大都市部の市区町村が多い。

●大都市部の市区町村が多いこともあり、観光来訪人数が多い市区町村は、住みここちの評価も比較的高いところが多い。

※住みここち順位は偏差値50以上の場合のみ表示。偏差値50未満の場合は順位を-で表示。

●観光来訪人数/人口のTOP20をみると、いわゆる観光地として有名な人口の少ない市区町村が多い。 ●観光来訪人数/人口が高い市区町村は、住みここちの評価が偏差値50未満であるところが多いが、住みここち評価があまり高くないのは、観光来訪人数/人口の比率が高いことが主な要因ではない(別の要因のほうが影響が大きい)。

※住みここち順位は偏差値50以上の場合のみ表示。偏差値50未満の場合は順位を-で表示。

調査概要

◇調査方法

株式会社マクロミルの登録モニタに対してインターネット経由で調査票を配布・回収。

全国47都道府県(対象自治体1,890)居住の20歳以上の男女、2020年~2024年(一部の回答のみ2019年を追加)合計842,238名を対象に集計。

◇回答者

[男女比] 男性47.6%:女性52.4%

[未既婚] 未婚38.3%:既婚61.7%  [子ども] なし46.8%:あり53.2%

[世代比] 20歳代15.0%、30歳代22.3%、40歳代24.0%、50歳代22.2%、60歳代12.2%、70歳代4.3%

◇調査期間

2024年2月21日(水)~3月14日(木)

2023年2月17日(金)~3月15日(水)

2022年3月  8日(火)~3月29日(火)

2021年3月17日(水)~3月30日(火)

2020年3月17日(火)~4月  3日(金)

2019年3月26日(火)~4月  8日(月)※2019年は一部の回答のみ使用

計842,238名

◇調査体制

調査企画・設問設計・分析:大東建託賃貸未来研究所 宗 健(フェロー)

調査票配布回収:株式会社マクロミル

◇回答方法

住みここちランキングは、現在居住している街についての「全体としての現在の地域の評価(大変満足:100点 満足:75点どちらでもない:50点 不満:25点 大変不満:0点)」の平均値から作成。住みたい街ランキングは、入力された自治体名をもとに複数の候補を表示し選択してもらうフリーワード・サジェスト方式の回答から投票数を集計して作成。

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•本調査の対象となった自治体には、詳細データを提供可能ですので、個別にお問い合わせください。

•学術研究目的の場合、本調査個票データについて提供できる可能性がありますので個別にお問い合わせください。

▼詳細はこちら
https://www.eheya.net/sumicoco/
▼プレスリリースはこちら

https://www.kentaku.co.jp/corporate/pr/info/2025/sumicoco_summary2024.html

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会社概要

大東建託株式会社

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URL
https://www.kentaku.co.jp/
業種
不動産業
本社所在地
東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー
電話番号
03-6718-9174
代表者名
竹内 啓
上場
東証プライム
資本金
290億6000万円
設立
1974年06月