電力使用量の最適化と信頼性向上に貢献するMIPI I3C対応の高精度デジタル電力モニタを発表
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、高精度なデジタル方式の電流 / 電圧 / 電力モニタ「TSC1641」を発表しました。同製品は、高精度の入力チャネルを備え、先進的なバス・インタフェースであるMIPI I3C(※1)をサポートしています。
TSC1641は、産業用バッテリ・パックやパワー・インバータ、DC電源、データ・センターおよび通信用機器、電動工具をはじめとする幅広いアプリケーションにおいて、電力使用量の最適化と信頼性の向上に貢献します。同製品は、デュアル・チャネルの16bit ADコンバータを使用してDC電流とDC電圧を同時にモニタリングし、内部で電力を計算します。電流測定と電圧測定を同期させることにより、電力を高精度に計算することができます。
同製品は、MIPI I3Cに加えて、I2CおよびSMBusでホストと通信することによって、測定値を送信するほか、電流・電圧・電力・温度が設定範囲を超えた場合に警告を送信することで回路の損傷を防止します。また、警告用のアラート・ピンを備えているとともに、温度検出用センサを内蔵しているため、外付け部品の削減に貢献します。
TSC1641は、60Vまでの電圧測定範囲を備えており、産業機器のさまざまな設定に使えます。外付けのシャント抵抗を使用して電流をモニタリングすることで、ハイサイド、ローサイド、および双方向の測定に柔軟に対応します。シャットダウン・モードではわずか50nAしか消費しないため、システム全体の消費電力における影響を最小限に抑えることができます。
また、MIPI I3Cインタフェースにより、STM32H5シリーズなどの最新のマイクロコントローラ(マイコン)をTSC1641に直接接続できるため、システムによるモニタリングを簡単に実現できます。MIPI I3Cは、最大12.5MHzのデータ・レートをサポートし、プルアップ抵抗が不要なため、部品コストや基板面積の削減に貢献します。
TSC1641は、-40°C~+125°Cの広い動作温度範囲に対応します。現在量産中で、DFN10プラスチック・パッケージ(3.0 x 3.0mm)で提供されます。単価は、1000個購入時に約1.83ドルです。
また、TSC1641を使用した開発をすぐに始めることができる評価ボード「STEVAL-DIGAFEV1」も提供されています。この評価ボードは、STのウェブサイトから入手可能で、単価は約36.00ドルです。スタンドアロン・モードまたは、STM32マイコン用開発ボード「NUCLEO-H503RB」に接続して動作させることができます。NUCLEO-H503RBは、MIPI I3C通信をサポートしており、TSC1641設定用のグラフィック・ユーザ・インタフェース(STSW-DIGAFEV1GUI)と、サンプル・ファームウェア(STSW-DIGAFEV1FW)を利用することができます。
詳細については、STのウェブサイト( https://www.st.com/content/st_com/ja/campaigns/tsc1641-60v-16bit-high-precision.html )をご覧ください。
(※1)MIPI I3Cは、拡張性に優れた中速度のユーティリティおよび管理用バス・インタフェースで、ペリフェラルとアプリケーション・プロセッサを接続します。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、50,000名以上の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、IoT・コネクティビティの普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラル(スコープ1、2、および3の一部)の実現を目標にしています。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。
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アナログ・MEMS・センサ製品
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