<いざという時のインターネットの使い方に関する調査>全体の約9割が「災害時にインターネットがつながらないと不安」と回答したが、つながらない場合に備えている人はわずか1割
災害に備えて令和版「ネットの防災マニュアル」を公開インターネットがつながらなくても、人や情報と“つながる防災術”を紹介
今や生活のインフラとなったインターネット。本調査にて災害時にインターネットがつながらない場合、どの程度不安を感じると思うか聞いたところ、全体の約9割の方が「とても不安を感じると思う」「やや不安を感じると思う」と回答し、改めてインターネットの重要性が浮き彫りとなりました。不安を感じる理由は「家族や知人、同僚の安否確認ができない」「災害状況がわからない」「世の中の状況がわからない」といった“人や情報とのつながり”が制限されることに集中していました。
政府は直近30年以内に大地震が発生する確率は70%と発表しています。この情報を認知している方は全体の7割以上いましたが、災害時にインターネットがつながらないことを見越して準備をしている方は1割程度にとどまっています。災害時に人や情報とつながるためには、何よりも備えることが重要です。ソニーネットワークコミュニケーションズは、2019年に制作した「防災マニュアル」を専門家監修のもとアップデート。令和版「ネットの防災マニュアル」では災害時の情報収集や安否確認、スマートフォン(以降、スマホ)のバッテリー対策など、最新の“つながる防災術”を紹介しています。
<調査結果サマリー>
TOPIC① 全体の約9割が災害時にインターネットがつながらないと不安になると回答。
不安の理由は「安否確認できない」「災害状況がわからない」「世の中の状況がわからない」といった
“人や情報とのつながり”が制限されることに集中した。
TOPIC② 30年以内に高い確率で大地震が発生することを全体の7割以上が認知しているに関わらず、
災害時にインターネットがつながらない場合に備えて、対策ができていない方が圧倒的多数であった。
TOPIC③ 災害時に備えて“人と情報のつながり”に関する対策をとっているのは災害未経験者よりも経験者が多い。
ただし、全体的には準備不足の傾向。大半の方はモバイルデータ通信を利用しないでインターネットを接続する方法を知らない。
【専門家が監修した最新の“つながる防災術”】
何よりも災害を想定して備えることが重要です。令和版「ネットの防災マニュアル」では最新の “つながる防災術”をまとめています。このマニュアルは、備え・防災アドバイザー ソナエルワークス代表 高荷智也氏とITジャーナリスト 井上トシユキ氏が監修しました。
また、両名からは備えに対するメッセージを頂戴しました。(本リリース5〜6枚目に記載)
<令和版「ネットの防災マニュアル」URL>
https://www.sonynetwork.co.jp/corporation/sustainability/socialactivities/report/04/
<災害時に人と情報とつながるための対策>
•命を守る準備として重要な「情報収集」と「安否確認」の手段の確保
•非常時のスマホ利用のため、節電方法を知り、充電手段を確保することが重要
•災害時に使用できる通信手段の事前把握と冷静な利用
<調査概要>
調査手法:インターネット調査
調査期間:2023年8月8日~8月10日
対象者:①震度6以上の被災経験がある全国20代以上の男女200名
②震度6以上の被災経験がない全国20代以上の男女200名
<本リリースの引用・転載時のお願い>
調査結果を引用する際は「ソニーネットワークコミュニケーションズ」調べを引用元として記載ください。
【調査結果詳細】
TOPIC①
全体の約9割が災害時にインターネットがつながらないと不安になると回答。
不安の理由は「安否確認できない」「災害状況がわからない」「世の中の状況がわからない」といった
“人や情報とのつながり”が制限されることに集中した。
災害時にインターネットがつながらないことでどの程度不安を感じるか聞いたところ、53%が「とても不安を感じると思う」、36%が「やや不安を感じていると思う」と回答しました。日常だけでなく、災害においてもインターネットが重要視されていることがわかりました。
災害時にインターネットがつながらないと不安だと回答した方に不安の要因を聞くと、「コミュニケーションツールが使えず、家族や知人、同僚などの安否確認ができない」「情報検索できず、災害状況の確認をできない」「「情報検索できず、世の中の状況の確認をできない」の順に回答数が多い結果となりました。災害時、インターネットが利用できず人や情報とつながることができない状況は、多くの方々の不安をかきたてることがわかりました。
TOPIC②
30年以内に高い確率で大地震が発生することを全体の7割以上が認知しているにも関わらず、
災害時にインターネットがつながらない場合に備えて、対策ができていない方が圧倒的多数であった。
直近30年で南海トラフや首都直下地震など大地震の発生が高確率で予想されていることを知っているか聞いたところ、74%が「知っている」と回答しました。
続いて、災害時にインターネットがつながりにくい状況になる可能性があることを見越して、対策や準備が出来ているかどうか聞きました。大地震発生の可能性を認識しているものの、災害時にインターネットがつながりづらい状況となる可能性を見越して対策や準備が出来ている方はわずか3%でした。出来ている方とどちらかというと出来ていると思う方を合算しても全体の1割程度にすぎません。この問いに対する回答結果を災害経験者と災害未経験者で比較すると、災害経験者は対策や準備が出来ている方は5%、災害未経験者は2%の結果となりました。
TOPIC③
災害時に備えて“人と情報のつながり”に関する対策をしているのは災害未経験者よりも災害経験者。
ただし、全体的には準備不足の傾向。
大半の方はモバイルデータ通信を利用しないでインターネットを接続する方法を知らない。
災害時に備えて“人と情報のつながり”に関して対策をしているか調査したところ、全体的に準備不足の傾向がある中、いずれの設問においても、災害経験者の方が未経験者よりも備えをしていることが見えてきました。
■家族とのつながり
災害時に家族との連絡手段を決めているかを聞いたところ、23%が決めていると回答しました。災害時に家族と決めている連絡手段は「スマホ・携帯電話のSMS」(51%)、「災害用伝言ダイヤル(171)」(47%)、「固定電話(自宅や会社)」(44%)が上位の結果となりました。
次に、スマホやパソコンが利用できない状況に備えて、家族の連絡先をデジタルツール以外にメモなどで控えているかを聞いたところ、「ある」と回答したのは全体の28%でした。なお、災害時に家族と決めている連絡手段の上位に「スマホ・携帯電話のSMS」(51%)、「固定電話(自宅や会社)」(44%)がありましたが、災害時にスマホやパソコンでしか家族の連絡先がわからない状態となっていると、インターネットが利用できない際に家族と連絡がとれない可能性があります。さらに、家族と連絡がつかない場合に備えて自宅以外の集合場所を決めているかという問いに対して「決めている」と回答したのはわずか18%でした。
■情報とのつながり
災害時の情報収集には避難指示や気象警報、緊急地震速報の情報を得ることができる災害用アプリが有効です。アプリのインストール状況について聞いたところ「している」と回答したのは21%でした。また、インストールしている方の多くは災害時に備えて、実際にアプリを利用していました。
災害時、人や情報とつながるにはスマホが欠かせません。災害などによる停電に対する備えとして、スマホを充電する機器を用意しているか聞いたところ、約半数(49%)の方が「用意は特にない」と回答しました。続いて、「災害対策として、災害時に充電器を準備している」と回答した方が実際に用意している機器を聞いたところ、「繰り返し充電タイプのモバイルバッテリー」(51%)が圧倒的に多く、次いで、「乾電池式モバイルバッテリー」(15%)、「コンセントが使えるポータブル電源」(14%)、「スマホ充電ができるソーラー充電器」(14%)が並ぶ結果となりました。
次にスマホのバッテリー消費を抑える方法について聞きました。全体では「知らない」が6割程度だったのに対し、災害経験者は半数以上が「知っている」と回答。災害経験の有無で大きな差が出る結果となりました。なお、具体的な方法で最も認知が高かったのは、94%の方が回答した「画面の照度を下げる」でした。
携帯キャリアが災害時に無料開放する公衆無線LANサービス「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)は、スマホが圏外になったとしてもインターネットを利用することが出来ます。「00000JAPAN」を知っているかを聞いたところ89%が「知らない」と回答しました。さらに、日頃からコンビニや駅などの公衆無線LANの提供場所を確認しているか聞いたところ、84%が「確認していない」と回答しており、インターネットを接続するための情報のインプットと確認が不足していることが伺えました。
【専門家によるコメント】
災害発生時の行動や、今からできる備えについて、専門家が解説します。
■備え・防災アドバイザー ソナエルワークス代表 高荷智也氏
命を守る準備として重要な「情報収集」と「安否確認」の手段の確保
防災対策の最優先事項は「命を守る」準備を行うことですが、そのためには建物対策や避難計画と合わせて「情報収集」と「安否確認」の手段を確保することが重要です。
災害時は状況が刻一刻と変化するため、常に危険な場所や二次災害の可能性を把握し、安全と思われる場所へ移動することが必須です。このためには「情報収集」が行えなければならず、スマホによるインターネットやアプリの利用が不可欠です。
また家族の安否状況が分からない場合、職場や学校から無理にでも徒歩帰宅を試みたり、安全が確認されていない地域への移動を行ったりしがちですが、これは命の危険に直結します。安全と思われる場所にとどまるためには、「安否確認」の準備が重要なのです。
非常時のスマホ利用のため、通信手段および充電手段の事前確保が重要
調査結果によると、情報収集にも欠かせない防災アプリをインストールしている回答者は被災経験者でも3割以下と少なく、安否確認の方法を定めている回答者もやはり3割に満たない値となっています。プッシュ通知を受け取れる防災アプリの事前インストールや、電話では無くスマホアプリによる安否確認の準備を行うことが大変重要です。
また、情報収集や安否確認には、そもそもスマホを電波につなげ、かつ電源を確保することが重要ですが、「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)を知っている割合は全体で1割強、災害に備えた充電機器を用意している割合も被災経験者で2割強と、準備ができているとは言いがたい状況です。できれば1週間分、1日1回×7日分のスマホ充電を確保するため、乾電池スマホ充電器の準備やモバイルバッテリー・ポータブル電源の平時からの利用が求められます。
災害への備えは「平時」の今が本番です。今回改訂したマニュアルも活用いただき、「非常時に命を守る準備」として重要なスマホの活用方法を、ぜひ学んでいただきたいと思います。
■ITジャーナリスト 井上トシユキ氏
災害時、不要不急のインターネット利用を控え、つながらないからといって慌てない
大地震などの大規模災害に遭遇しても、慌ててインターネットへアクセスを試みることは厳に慎みましょう。
被災が確認されると、政府や地方自治体、社会インフラ関連企業などが、被害の調査、特定に動きます。同時に、消防および救急、病院が救助救難への対応を開始、警察と自衛隊も活動をスタートします。こうした初動には通信による連絡が不可欠であり、電力供給の途絶や通信機器の損壊が確実視される被災地とその周辺での通信がスムーズにいかない場合、助けられる命を失わせ、社会インフラの復旧を遅らせる根本原因となってしまうのです。被災後、避難を始めてから少なくとも6時間程度は、不要不急の私的なインターネット利用は控えましょう。
災害時に活用できるWi-Fiを把握し、譲り合いの気持ちをもって利用することが重要
大規模な災害が起きた時には、携帯大手通信事業者が共同で提供し、IDもパスワードも不要で無料開放されるWi-Fi「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)の利用をまず試しましょう。また、コンビニ、カフェ、駅、ショッピングモールなどで提供されている「公衆無線LAN」の利用も検討してみましょう。
ただし、その際は他の人たちへの譲り合いの気持ちが重要です。今回の調査では、災害時にインターネットがつながらなくなることを不安に感じている人が約9割にも達しました。そして、安否確認ができないことに不安を覚える人が80%、災害の状況確認への不安を持つ人は74%と高い結果が出ています。非常に多くの人が、緊急時の連絡手段、情報の取得手段としてインターネットを頼りにしているということは、その利用にあたってもみんなが有効に使えるよう、互いを気づかう優しい気持ちが重要になります。
Wi-Fiの無料開放は、災害時に不可欠な緊急連絡のために行われます。無料で使えるからといって、それぞれが長時間にわたって使い放しにしていては、本当に必要な活動のための連絡を妨害することになりかねません。
規制がかかった電話の代わりに、SNSや会議アプリを使って連絡を取り合うのは良いですが、「通信の渋滞」や「通信の品質低下」を起こさないためにも、必要最低限の短時間利用を心がけましょう。
【令和版「ネットの防災マニュアル」について】
本マニュアルは、防災やインターネット分野の専門家による監修のもと、災害が発生したときのインターネットの利用方法や災害に対する事前準備などの情報をまとめた、2019年公開の「防災マニュアル」を令和版にアップデートしたものです。時代の変化に伴い、スマートフォンのバッテリー対策などを更新しています。
パソコンやスマートフォンからの閲覧だけでなく、PDF形式でダウンロードすることもできる仕様としているので、印刷して手元に置いておくことでインターネットがつながらない環境でも参照できるようにしています。
https://www.sonynetwork.co.jp/corporation/sustainability/socialactivities/report/04/
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