第22回日本ホラー小説大賞 澤村電磁さん『ぼぎわん』が受賞!
日本ホラー小説大賞は、同時代を生きるすべての読者のために、そして、恐怖を通して人間の光と闇を描こうとしている才能あふれる書き手のために、1994年に設立され、今までに『パラサイト・イヴ』(著:瀬名秀明)、『黒い家』(著:貴志祐介)、『ぼっけえ、きょうてえ』(著:岩井志麻子)、『夜市』(著:恒川光太郎)など、数々のホラーエンタテインメントを生み出してきた。
選考委員は、前回同様、綾辻行人、貴志祐介、宮部みゆき(五十音順、敬称略)が務めた。400字詰め原稿用紙150枚以上650枚以内の作品を対象とし、応募作品の中から最も優れた作品に大賞が与えられる。今回は総数348作品の中から大賞に加え、大賞に準ずる作品として優秀賞も選ばれた。なお、読者賞は一般から選ばれたモニター審査員に最も多く支持された作品に与えられる。
受賞作は株式会社KADOKAWAより、大賞受賞作『ぼぎわん』は単行本として、読者賞受賞作『記憶屋』は角川ホラー文庫として、2015年秋に刊行予定。優秀賞作『二階の王』も書籍化を予定している(判型、刊行時期未定)。
■日本ホラー小説大賞 公式サイト http://www.kadokawa.co.jp/contest/horror/
【第22回 日本ホラー小説大賞】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【大賞】
『ぼぎわん』 澤村電磁(さわむら でんじ)
田原秀樹は幼いころ、奇妙な体験をしていた。祖父母の家の前に現れた不可解な来客。謎の言葉を織り交ぜて祖父母の名を呼ぶその声に、幼い秀樹は怯える。その時は祖父が来客を怒鳴りつけ追い返したが、のちに秀樹は祖父の生地に伝わる、人を山へさらう妖怪「ぼぎわん」について知る。あの日の来客は「ぼぎわん」ではないか。祖父は妖怪を恐れていたのではないか。
やがて成人した秀樹は、香奈と結婚し娘・知紗をもうけ充実した毎日を送る。しかしそんな彼の周囲に、不気味なできごとが次々に起こりはじめ……。
<著者略歴>
1979年11月14日生まれ。35歳。兵庫県出身。東京都在住。現在、自営業。
【優秀賞】
『二階の王』(にかいのおう) 名梁和泉(なばり いずみ)
東京郊外で両親と暮らす朋子には、大きな悩みがあった。三〇才を過ぎた兄が二階の自室に籠もり、家族にも姿を見せない生活が何年も続いているのだ。一方、元警察官の仰木と六人の元ひきこもりたちは、考古学者・砂原が遺した「暗黒神の嫡子たる〈王〉が〈従者〉とともに人間の姿を借りて出現し、人々を邪悪な存在〈悪果〉に変えて破滅をもたらす」という予言を防ぐため、〈王〉の探索を続けていた。この六人は、五感で〈悪果〉を識別する能力を持つ者たちだったのだ……。
<著者略歴>
1970年7月26日生まれ。44歳。東京都西東京市出身、在住。明治大学法学部法律学科卒業。現在、会社員。
【読者賞】
『記憶屋』(きおくや) 京谷(きょうや)
遼一は幼いころ、祖母や近所の老人から、「どうしても忘れられない、消したい記憶を消してくれる」記憶屋という怪人の都市伝説を聞かされていた。遼一の幼馴染の少女真希も、以前記憶屋に記憶を消されたことがあるらしい。
大学生になり、記憶屋のことも忘れかけていた遼一だったが、かつて経験した恐怖の記憶を消してもらうために記憶屋を探していた大学の先輩・杏子が、実際に(自分との関係も含め)記憶を失ってしまう。それをきっかけに、遼一は記憶屋について調べ始めるが……。
<著者略歴>
1980年10月7日生まれ。34歳。イギリス・ロンドン出身。兵庫県神戸市在住。早稲田大学大学院卒業。弁護士業の傍ら、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞し、2013年『霊感検定』(織守きょうや名義)でデビュー。
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