STマイクロエレクトロニクス、シンガポール最大の工業団地向け地域冷房システムの運用を開始し、脱炭素戦略を推進

STマイクロエレクトロニクス

  • SP GroupとDaikin Airconditioning社(シンガポール)による合弁企業が設計・建設・所有・運用する革新的な地域冷却システムにより、シンガポールにあるSTの大規模半導体製造拠点の環境性能が大幅に向上

  • 年間12万トンの二酸化炭素排出量の削減、年間20%の冷房関連電力コストの削減、年間50万立方メートル以上の水の再利用が見込まれる新システム

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、アジア太平洋地域の大手インフラ・サービス・グループでシンガポールの国営電力・ガス会社であるSP Group(SP)と協力し、STのアン・モ・キョ工業団地において、シンガポール最大の工業団地向け地域冷房システムの運用を開始したことを発表しました。発表イベントは、シンガポールの貿易産業省および文化社会青年省の上級国務大臣であるLow Yen Ling氏により開会されました。 

この冷房システムにより、二酸化炭素排出量を最大で年間12万トン削減し、冷房関連の消費電力を20%削減できる見込みです。また、以前はSTの冷却塔で使用されていた逆浸透膜方式の水を使用することで、年間50万立方メートル以上の水を再利用し、この新しい地域冷房システムの運用を支援します。

この冷房システムは、STが製造施設で地域冷房向けに使用する初のケースであり、2027年までのカーボン・ニュートラルの実現というSTの取り組みを強化するものです。

STの人事・CSR(企業の社会的責任)社長であるRajita D’Souzaは、次のようにコメントしています。「STのアン・モ・キョ工業団地に導入されたシンガポール最大の工業団地向け地域冷房システムは、二酸化炭素の排出量削減と資源の節約のため、エネルギー効率に優れたソリューションを開発するという当社のコミットメントを体現しています。今回の成果により、STとシンガポールのパートナーシップが強化され、同国の持続可能性の目標に向けた取り組みが前進します。STは、地域冷房システムのような先進技術を取り込むことで、よりスマートでよりグリーンな未来を推進します。これは、業界のリーダーシップと環境管理責任を連携させることで、当社のビジネスと地域社会、そして地球に永続的な価値を生み出す方法を示しています。」

SPのグループ最高経営責任者(CEO)であるStanley Huang氏は、次のようにコメントしています。「SP Group社とSTとの戦略的パートナーシップは、低炭素の未来を目指す我が国の取り組みにおいて極めて重要な節目となります。今回のプロジェクトは、協調的なイノベーションが、都市インフラを変革し、持続可能でエネルギー効率に優れたソリューションを提供できることを示しています。地域冷房は、ネットゼロ達成に向けたシンガポールの取り組みにおいて今後も重要な役割を果たし、二酸化炭素排出量の削減を可能にするとともに、産業開発と都市開発のエネルギー・レジリエンス向上を実現していくでしょう。」

地域冷房システムの技術情報

SPとDaikin Airconditioning社(シンガポール)の合弁企業が設計・建設・所有・運営する同システムは、最大36,000冷凍トン(RT)の冷却能力を備えています。各建物に冷房機を個別に設置するのではなく、クローズド・ループ型の配管ネットワークを1つ設置し、そこから冷水を送り続けることで製造スペースとオフィス・スペースの両方を冷やす仕組みです。同システムが冷房機能を提供する総面積は、およそ90,000平方メートルです。

冷房装置を直列のカウンターフロー構成にすることで、水の冷却に必要なエネルギーを削減できます。このため、効率的で信頼性の高い24時間365日の運転が可能となり、遠隔監視機能によって、今後現場に配置される運用チームを支援できます。

Daikin Airconditioning社(シンガポール)のマネージング・ディレクターであるChua Ban Hong氏は、次のようにコメントしています。「SPとのパートナーシップには、事業運営における喫緊のニーズの枠にとどまらず、エネルギー効率の高い先進的なソリューションを提供するというダイキンのコミットメントが反映されています。テクノロジーがレジリエンスを向上することで環境への影響を低減し、気候変動に関するシンガポールの長期目標の支援をすることは、当社が目指す、より持続可能な建築環境の実現に重要な役割を果たしています。」

さらに、地域冷房システムの導入により、アン・モ・キョ工業団地に約4,000平方メートルの空き地ができたため、STは環境負荷の軽減に寄与する別の設備を設置できるようになりました。そのような設備の一例がパーフルオロカーボン(PFC)除去設備です。また、近い将来、進行中の持続可能性の取り組みの一環として、水再生システムと揮発性有機化合物(VOC)除去の追加が計画されています。

今回のプロジェクトでは、200万人時を超える無災害労働時間を達成し、建設時の安全への取り組みが裏付けられています。この地域冷房プラントは、卓越したエネルギー効率と持続可能な設計が評価され、建築建設庁のグリーン・マーク・プラチナ超低エネルギー認証を取得しました。さらに、プラントの設計と建設の際にシステム寿命カーボン評価を取り入れることにより、材料選択とシステム設計を最適化し、プラントのカーボン・フットプリントをさらに削減することで、カーボン総量を産業用建物のベンチマークと比較して約44%削減することに成功しました。

STとSP Group社のさらなる協力

脱炭素化のロードマップを加速するために、STはSPと協力し、トアパヨ工場の冷却システムのアップグレードを実施しました。SPは、20年間のChilled-Water-as-a-Service(サービスとしての冷却水)契約に基づき、2025年12月までに完成予定の新しい高効率型冷却システムの設計、建設、運用、保守を担当することになります。このシステムによってエネルギー効率が向上し、二酸化炭素排出量を年間約2,140トン削減できる見込みです。

持続可能な冷却ソリューションに加えて、STとSPは現在、アン・モ・キョ工場とトアパヨ工場において持続可能なテクノロジーの導入を幅広く進めています。その一環として、2,400台のスマート電力メータと複数のユーティリティ・センサで構成されるエネルギー管理情報システム(EMIS)の導入を実施しています。SPはスマート・メータリング・インフラを導入し、STはエネルギーの全体的な消費量をモニタすることで、データに基づいた意思決定が可能となり、より効率性と持続可能性を高めることができます。

SPは、STの5つの建物への水の流入を追跡するスマート水道メータも導入しました。そのため、STは水の消費量を正確に把握して効率的に使用できるようになり、重要なウェハ製造プロセスを強化できます。

両社のパートナーシップを通じて、デジタル化と脱炭素化の大規模な統合が推進され、よりスマートでクリーンなエネルギーの未来という共通のビジョンを実現していきます。

SP Group社について

SP Group社は、低炭素のスマートなソリューションによりエネルギーの未来を切り拓く、アジア太平洋地域の大手インフラ設備プロバイダです。シンガポールとオーストラリアで送配電網とガス供給ネットワークを所有・運営する同社は、シンガポールの国営電力会社として、産業、商業、一般家庭の約170万の顧客に、世界クラスの送配電サービスや市場サポート・サービスを提供しています。

SP Group社は、従来のインフラ・サービスだけでなく、持続可能な統合型エネルギー・ソリューションをシンガポール、中国、タイ、ベトナムで提供しています。これらのソリューションには、地域冷却・加熱、再生可能エネルギー、EV充電インフラのほか、地域やコミュニティ、商業や産業の顧客に合わせたデジタル・エネルギー・プラットフォームなどがあります。

詳細については、spgroup.com.sgをご覧いただくか、FacebookLinkedInInstagramをフォローしてください。

 

STマイクロエレクトロニクスについて

STは、約50,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、すべての直接・間接排出(スコープ1および2)、ならびに製品輸送、従業員の出張・通勤による排出(スコープ3の注力分野)におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画です。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。

◆ IR関係者お問い合わせ先

Jérôme Ramel

EVP Corporate Development & Integrated External Communication

Tel: +41.22.929.59.20

jerome.ramel@st.com

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

STマイクロエレクトロニクス

24フォロワー

RSS
URL
http://www.st.com/jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟
電話番号
03-5783-8220
代表者名
マルコ・カッシス
上場
未上場
資本金
-
設立
-