STマイクロエレクトロニクス、生活家電の省エネ性能を向上させる新しいモーション制御用GaN ICプラットフォームを発表

生活家電やFA(ファクトリ・オートメーション)機器のモータ駆動向けに最適化された高効率GaNパワーIC

STマイクロエレクトロニクス

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、最新のGaN(窒化ガリウム)技術を活用し、生活家電や産業機器のモータ駆動部における電力効率向上、高性能化、コスト削減に貢献する新しいGaNパワーICを発表しました。

市販のGaN電源アダプタおよびチャージャは、ノートPCやUSB-C高速充電に必要な電力を処理でき、今後導入される厳格なエコデザインの規格に準拠した極めて高い電力効率を達成しています。STの最新のGaNパワーICにより、洗濯機やヘア・ドライヤー、電動工具、FA機器などのモータ駆動部にも、この技術を適用することができます。

STの特定用途向け製品事業部ジェネラル・マネージャであるDomenico Arrigoは、次のようにコメントしています。「STの新しいGaNSPIN SiP(システム・イン・パッケージ)プラットフォームは、システム性能を最適化して信頼性を確保する特別な機能により、モーション制御アプリケーションにおけるワイド・バンドギャップ半導体の効率を最大限に引き出します。この新製品は、次世代の生活家電において回転数を増やして性能を上げ、さらに小型で低コストの制御モジュールを実現し、軽量な形状・寸法、省エネ性能の向上に貢献します。」

この新しい製品ファミリの最初の製品である「GANSPIN611」と「GANSPIN612」は、家庭用および産業用のコンプレッサやポンプ、ファン、サーボ・ドライブなどに使われる最大400Wのモータを駆動します。両製品はピン配置の互換性を有しているため、簡単に設計を拡張することができます。GANSPIN611は現在量産中で、熱効率に優れたQFNパッケージ(9 x 9mm)で提供されます。単価は、約4.44ドルからです。

STは、11月25日~27日にニュルンベルクで開催されたSPS(Smart Production Solutions)に出展し、STブース(ホール4、No. 271)でGaNSPINモータ・コントローラのデモを実施しました。

GaNSPINドライバに関する技術情報

 

新しいGaNSPIN SiP(システム・イン・パッケージ)は、汎用のGaNドライバとは異なり、ドライバがハード・スイッチングのターンオン時間とターンオフ時間を制御することで、モータの巻線へのストレスを軽減し、電磁ノイズを最小限に抑えます。10V/nsの公称スルー・レート(dV/dt)により、信頼性を維持し、EU EMC指令などの電磁両立性(EMC)規制への準拠が容易になります。設計者は、両方のGaNドライバのターンオン時のdV/dtを調整することで、モータ特性に応じたスイッチング性能を微調整できます。

オン抵抗(RDS(on))は、GANSPIN611がわずか138mΩ、GANSPIN612が270mΩのため、消費電力とそれに伴う発熱を大幅に低減できます。これにより、多くのアプリケーションにおいて電力部品をヒートシンクなしで動作させることができ、部品点数の削減と同時に、回路の実装面積も最大60%削減できるため、基板の小型化、コスト削減が可能になります。

その他の特長

  • SiPにはドライバ段と、最新世代の650V GaNパワー・トランジスタを備えたハーフブリッジ・パワー段を集積しているため3相BLDCモータの駆動が可能

  • ハイサイド回路用のブートストラップ・ダイオードも内蔵

  • 110V ~ 230VのユニバーサルACオフライン電源に対応した生活家電に最適

  • スマート・シャットダウン用の異常検出コンパレータにより、高速過電流保護を実現し、ディスエーブル時間をプログラム可能

  • 低電圧ロックアウト(UVLO)、過電圧、過電流、過熱、およびインターロック保護機能を搭載

  • 最大20Vの幅広い入力電圧範囲を備え、既存のパワー段を堅牢かつ容易に変換

  • スタンバイ・ピンによる省電力化

STマイクロエレクトロニクスについて

STは、約50,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、すべての直接・間接排出(スコープ1および2)、ならびに製品輸送、従業員の出張・通勤による排出(スコープ3の注力分野)におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画です。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。

◆ お客様お問い合わせ先

STマイクロエレクトロニクス(株)

アナログ・MEMS・センサ製品グループ

〒108-6017 東京都港区港南2-15-1

品川インターシティA棟

TEL : 03-5783-8250

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

STマイクロエレクトロニクス

25フォロワー

RSS
URL
http://www.st.com/jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟
電話番号
03-5783-8220
代表者名
マルコ・カッシス
上場
未上場
資本金
-
設立
-