NanoXploreとSTマイクロエレクトロニクス、ヨーロッパにおける宇宙ミッション向けにFPGAを発表

STマイクロエレクトロニクス

  • NanoXploreのNG-ULTRA FPGAは、ヨーロッパの新しい宇宙アプリケーション向け規格ESCC 9030の認定を取得した初の製品

  • 設計から製造・テスト・供給に至るまで、STのEU域内のサプライ・チェーンを活用

  • この先進的なデジタル性能は、ヨーロッパの顧客がより高性能かつ、より優れた競争力を持つ衛星および宇宙ミッションの開発に貢献

SoC FPGAの設計と耐放射線FPGA技術でヨーロッパをリードするNanoXploreと、多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、「NG-ULTRA」が宇宙アプリケーション向けの認定を取得したことを発表しました。この耐放射線SoC FPGAは、地球低軌道 / 中軌道衛星群(コンステレーション)などの宇宙アプリケーション専用に設計されており、ガリレオ、コペルニクス、さらに将来的にはIRIS²といった最重要ミッションを含む多数の衛星用機器システムに使用される見込みです。

NanoXploreの最高経営責任者(CEO)であるÉdouard Lepape氏は、次のようにコメントしています。「NG-ULTRAがESCC 9030の認定を取得したことは歴史的な一歩です。これは、ヨーロッパが深宇宙空間および新たな宇宙空間向け衛星コンステレーションの要件に合わせて最適化された最先端のデジタル部品の、完全な生産チェーンを獲得したことを示しています。ESAとCNES、および欧州委員会(DG-DEFIS経由)のサポートにより、当社とSTは、EUによる戦略的自律性の確立と、ヨーロッパの衛星のこれまで以上の競争力強化に貢献していきます。」

STのRF & 光コミュニケーション・サブグループ 航空宇宙事業部ジェネラル・マネージャーであるThomas Goustは、次のようにコメントしています。「宇宙アプリケーションには、堅牢かつ独立したサプライ・チェーンと耐放射線性能を持ち、コスト最適化されたチップが求められています。当社は、実績あるFD-SOI技術に基づくGEOおよびLEOプラットフォームにおける専門技術と、耐放射線に関する専門技術、製造技術、そして先進的なパッケージ技術とヨーロッパにおける品質保証の資産を活用し、NanoXploreによるNG-ULTRAの新たな宇宙市場に向けた製品化を実現します。」

 

ヨーロッパの新たな宇宙産業向けのESCC 9030規格に準拠した初の製品

 

この品質認定取得は、ヨーロッパの宇宙開発エコシステムにおいて産業的にも技術的にも重要なマイルストーンです。ESCC 9030は、有機基板上あるいはプラスチック・パッケージにフリップチップ実装された高性能なICに関するヨーロッパの新しい規格で、NG-ULTRAはこの規格の認定を取得した最初の製品です。同規格は、宇宙アプリケーションに要求される信頼性を提供すると同時に、深宇宙には適しているものの、重く高価な従来のセラミック・パッケージに頼らず衛星コンステレーションや大規模なミッションを実現するための重要なステップです。

「新たな宇宙空間」のトレンド(衛星コンステレーションや地球低軌道 / 中軌道、規模の拡大)により、搭載されるデジタル機器に対する要件の変化と規模の拡大が進んでいます。これには、膨大な演算能力と消費電力の抑制、および大規模な展開を可能にする低コスト化のすべてが同時に要求されます。NG-ULTRAは、大容量のデータを軌道上で直接処理することにより(エッジ・コンピューティング)、この課題に対応します。その結果、宇宙空間と地上間でのデータ伝送のボトルネックが軽減されます。

NG-ULTRAは、オンボード・コンピュータやサブシステム間のデータ管理とルーティング、静止画および動画の処理(リアルタイムの圧縮やエンコーディング処理)、ソフトウェア無線(SDR:これにより遠隔での通信モードの更新が可能)、およびオンボードの自律機能(検出、認識、監視)などの戦略的な機能を対象とした製品です。

ヨーロッパ域内の安全なサプライ・チェーン

 

高い性能だけでなく、このプログラムは大きな戦略的目標を具現化しています。それは、リスクの高い依存関係を軽減することにより、長期間のミッションに対応できる独立性と持続性を備えたヨーロッパ内のサプライ・チェーンを確保することです。NG-ULTRAの産業フレームワークは、ヨーロッパの各拠点における設計、製造、組立、およびテスト能力を組み合わせ、競争力と量産性、宇宙グレードの信頼性を同時に実現することを目標としています。

パリ、グルノーブルおよびモンペリエにあるNanoXploreの研究開発・設計センターに加えて、ヨーロッパにある多数のSTの拠点を、NanoXploreは活用しています。これには、グルノーブルの研究開発・設計センター、クロル(フランス)の300mmウェハ製造設備、レンヌ(フランス)の宇宙アプリケーション向けパッケージング施設、グルノーブル(フランス)とアグラテ(イタリア)のテスト・信頼性評価施設、さらに、ヨーロッパ内のその他の認定された拠点が含まれます。

技術仕様

 

プラットフォームおよびオンボードのコンピューティング・アプリケーションに特化して設計された「オールインワン」のSoC(システム・オン・チップ)アーキテクチャを採用するNG-ULTRAは、マルチコア・プロセッサとプログラム可能なハードウェアを1チップに集積しています。このアーキテクチャにより、設計柔軟性の向上、電子基板の複雑性と部品点数の低減、および遅延・質量・消費電力を最適化できます。

NG-ULTRAは、エネルギー効率、宇宙放射線への耐性、先進的なアーキテクチャ機能といった優位性に定評のあるSTの28nm FD-SOI技術を利用して製造されています。独自の先進的な耐放射線技術を組み合わせたNG-ULTRAは、打上げ時および軌道上で長期間稼働する中で受ける熱サイクルや衝撃、振動に耐えられるよう設計されているため、過酷な宇宙環境において、ミッションの全期間を通じて最高の性能と耐久性を維持します。

また、NG-ULTRAは、放射線による過酷な環境下で信頼性に優れた動作ができるよう設計されており、最大50krad(Si)の吸収線量(TID)耐性を備え、長期性能が確保されています。最大65MeV·cm²/mgのシングル・イベント・ラッチアップ(SEL)試験での耐性、および60 MeV·cm²/mgを超える線エネルギー付与(LET)レベルでの検証が行われたシングル・イベント・アップセット(SEU)耐性により、シングル・イベント効果に対する高い耐性を示しています。

NG-ULTRAは、クワッドコアのArm® Cortex® R52をベースとしたSoCと、高い演算能力(537k LUTs + 32 Mb RAM)のハードウェア回路を搭載しており、最も複雑なオンボード・コンピュータの要件に対応しています。

この簡略化されたアーキテクチャは、PCB基板の複雑さとシステム重量という宇宙アプリケーションの設計で最も重要な2つの制約を大幅に低減します。部品点数を最小限に抑えることにより、NG-ULTRAは総消費電力と開発コストの低減、およびシステム全体の信頼性向上を同時に実現します。

さらにNG-ULTRAは、SRAMベースのアーキテクチャを採用しているため適応性のあるハードウェアとなっており、軌道上で無制限に再設定することが可能です。この「hardware-as-software(ソフトウェアとしてのハードウェア)」の柔軟性を備えていることで、打上げ後の機能更新や進化する通信規格への対応、様々なミッション・フェーズに対応したチップの最適化などが可能になります。これにより、NG-ULTRAは将来的な変更にも対応できるプラットフォームを提供することで、発射台から打ち上げられた後も長い期間にわたり機器の有効性を維持します。

NG-ULTRAの導入を簡略化する評価キットも用意されています。この評価キットは包括的な試作用プラットフォームで、性能やインタフェースの検証を迅速化し、集積化のリスクを低減するほか、衛星搭載用の基板生産前に、ソフトウェアとオンボード・ロジックの開発期間を短縮することが可能になります。

 

NanoXploreについて

NanoXploreは、高い信頼性が要求される環境、特に宇宙および航空電子機器向けに耐放射線性を備えたFPGA製品の設計を行うフランスのファブレス企業で、先進的な耐放射線性を備えた世界初のFPGA SoCであるNG-ULTRAを最近発表しました。世界的な影響力を持つNanoXploreは、SoC FPGA技術の設計・開発におけるヨーロッパのリーダー企業であり、航空宇宙分野の主要プレーヤにとって重要なパートナーです。

 

STマイクロエレクトロニクスについて

STは、約48,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、すべての直接・間接排出(スコープ1および2)、ならびに製品輸送、従業員の出張・通勤による排出(スコープ3の注力分野)におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画です。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。

◆ STへのお客様お問い合わせ先

STマイクロエレクトロニクス(株)

マイクロコントローラ・デジタルIC・RF製品グループ

〒108-6017 東京都港区港南2-15-1

品川インターシティA棟

TEL : 03-5783-8240 

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

STマイクロエレクトロニクス

25フォロワー

RSS
URL
http://www.st.com/jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟
電話番号
03-5783-8220
代表者名
マルコ・カッシス
上場
未上場
資本金
-
設立
-