西部・中部アフリカ:急性栄養不良、当初見込みの20%増加予測【プレスリリース】

COVID-19と食料不安で悪化

マラディの保健センターで体重測定を受ける女の子。(ニジェール、2019年5月撮影) © UNICEF_UN0317919_Frank Dejonghマラディの保健センターで体重測定を受ける女の子。(ニジェール、2019年5月撮影) © UNICEF_UN0317919_Frank Dejongh

【2020年7月17日 ダカール(セネガル) 発】

ユニセフ(国連児童基金)と世界食糧計画(国連WFP)は本日、2020年に急性栄養不良となる西部・中部アフリカ地域の5歳未満児は1,500万人以上(注)にのぼり、緊急に適切な対応を取られなければその3分の1は最も重篤な状態に陥る、との推定を発表し警鐘を鳴らしました。これは、2020年1月時点の推定から20%の増加を表しています。この警鐘は、地域の19カ国において、急性栄養不良に対する食料不安と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の複合的な影響を分析した結果を反映しています。

紛争や武力による暴力は、大規模な人口移動を引き起こし、基本的な社会サービスへのアクセスを大幅に制限し、その結果子どもの栄養不良を前例のないレベルにまで増加させました。新型コロナウイルスのパンデミックは、すでに食料不安と栄養不良に苦しんでいたブルキナファソ、チャド、マリ、モーリタニア、ニジェール、セネガルをまたがるサヘル地域など、もともと不安定な状況だった西部・中部アフリカ地域において問題を深刻化させています。 COVID-19のパンデミックが起きる以前、この6カ国で2020年に予想されていた急性栄養不良のケースは450万件でした。しかし今日、食料不安とCOVID-19の影響の増大に伴い、その数は約540万件に跳ね上がっています。

「重度の急性栄養不良に苦しむ子どもたちは、COVID-19関連の合併症のリスクがより高いのです」と、ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエは述べました。「幼少期から十分な栄養を与えることで、子どもたちを病気や感染症から守り、病気になったときの回復を助けることができます。病気を予防し命を守る保健と栄養サービスをしっかりと継続し、危機やショックに対処する社会的保護システムを構築し、人々の生計を守り、水、衛生、健康的な食べ物を家族が手に入れられるよう支援することは、子どもの生存と長期的な発達にとって非常に重要です」
 

栄養不良に陥った生後6-23カ月の子どもを治療するための微量栄養素パウダーを手にする母親。(モーリタニア、2020年7月9日撮影) © UNICEF_UNI349946_Pouget栄養不良に陥った生後6-23カ月の子どもを治療するための微量栄養素パウダーを手にする母親。(モーリタニア、2020年7月9日撮影) © UNICEF_UNI349946_Pouget

西部・中部アフリカの5歳未満児の栄養状態を脅かすいくつかの要因があります。たとえば、家庭レベルでの食料不安、妊産婦や乳児の栄養習慣が不十分であること、紛争や武力を用いた暴力、人口移動、下痢などの水に起因する病気や小児疾患の深刻さ、脆弱な保健システム、きれいな水やトイレへのアクセスの悪さ、慢性的な貧困などです。

これらの要因に加えて、COVID-19パンデミックに対応して実施された封じ込め措置は、食料生産とその流通、保健や人道支援物資の供給に混乱を生み、さらに経済活動の減速につながりました。パンデミックは、食料システム、世帯収入と食料安全保障、栄養不良に対する治療の提供に間接的な悪影響を及ぼしています。そのため、人々が健康的な食事を摂ったり乳幼児に最善の栄養を与えたりすることがより難しくなり、不可欠な栄養サービスへのアクセスが妨げられているのです。
 

 

ユニセフと国連WFPは、政府やパートナーと協力して、重要なサービスの継続に尽力しています。ともに、急性栄養不良の予防と治療に焦点を当てた総合的な支援パッケージを提供し、基本的なサービスを提供できるようコミュニティを支援しています。
 

トンブクトゥの保健所で上腕周囲径測定帯(MUAC)を使った栄養不良の検査を受ける生後6カ月のアイチャトゥちゃん。(マリ、2020年3月撮影) © UNICEF_UNI319182_Coulibalyトンブクトゥの保健所で上腕周囲径測定帯(MUAC)を使った栄養不良の検査を受ける生後6カ月のアイチャトゥちゃん。(マリ、2020年3月撮影) © UNICEF_UNI319182_Coulibaly

例えばマリ北部では、ユニセフと国連WFPが資源と努力を結集して母子の栄養不良の治療と予防、良い栄養摂取習慣の強化にあたっています。母親や家族による子どもの栄養不良の早期発見を促進するイニシアチブの一環として、上腕周囲径測定帯(MUAC)を使った栄養不良の検査もその一例です。さらに、両機関の支援によって、中度および重度の急性栄養不良の症例を保健施設に照会することもできます。予防の取り組みには、市場で入手可能な栄養価の高い食品と交換できるバウチャーを女性に対し発行する活動を国連WFPが進めユニセフが支援する、といった乳幼児の栄養摂取習慣に対する啓発活動も含まれます。

(注)この数値にはコンゴ民主共和国も含まれ、新しい症例や再発を含む急性栄養不良の年間症例総数を表しています。1人の子どもが1年間に複数回報告されることがあります。ユニセフ、WHO(世界保健機関)、世界銀行の共同栄養不良推計(2020年版)によると、2019年には730万人の子どもたちが西部・中部アフリカ地域で消耗症(重度と中等度)に苦しんでいました。

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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
各種ガイドライン: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/info/

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公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )

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会社概要

URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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