教育危機:世界の休校 1年続く~1億6,800万人の子どもが学校に通えず【プレスリリース】

コロン県・ガンボアの自宅でパソコンを使い、歴史のオンライン授業を受ける15歳のローラさん。(パナマ、2020年4月撮影) © UNICEF_UNI322349_Schverdfingerコロン県・ガンボアの自宅でパソコンを使い、歴史のオンライン授業を受ける15歳のローラさん。(パナマ、2020年4月撮影) © UNICEF_UNI322349_Schverdfinger

【2021年3月3日 ニューヨーク 発】

ユニセフ(国連児童基金)が本日発表した新しいデータによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、世界で1億6,800万人以上の子どもたちの通う学校が約1年間にわたって休校状態となっています。さらに、約2億1,400万人、約7人に1人の子どもが、対面学習の4分の3以上を受けられませんでした。

世界の休校について分析したレポートによると、2020年3月から2021年2月まで、14カ国が大部分の学校において休校措置をとり続けています。それらの国の3分の2はラテンアメリカ・カリブ海諸国にあり、約9,800万人の学齢期の子どもに影響を及ぼしています。14カ国のうち、パナマが最も多くの日数の休校措置をとり続けており、エルサルバドル、バングラデシュ、ボリビアがその後に続きます。

「パンデミックから1年が経とうとしている今は、世界的なロックダウンがもたらした壊滅的な教育危機の状況にあらためて目を向ける機会です。学校に通うことができない子どもたちは、日を追うごとにますます遅れをとっており、特に、最も置き去りにされた子どもたちが最も重い代償を払っています」とユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「この子どもたちが、今年も学校での学習を制限されたり、或いは全く行われないままでいてはなりません。学校を開校し続ける、或いは再開計画の中で学校を優先するための努力を惜しむべきではありません」

【表1:2020年3月以降、休校を継続している国・影響を受ける子どもの数*】
                          
                                          約一年を通して休校を   影響を受ける学齢期の子ども      
                                          継続している国の数         人数 (百万人)                 %          
東アジア・太平洋                       1                        25              15%
中東・北アフリカ                       3                       9                5%
東部・南部アフリカ                    0                       n.a.                          n.a.
西部・中部アフリカ                    0                       n.a.                          n.a.
欧州・中央アジア                        0                       n.a.                          n.a.
ラテンアメリカ・カリブ海諸国             9                        98                         58%
南アジア                                                 1                        37                         22%
合計                                                      14                       168                       100%

*注:全休校の基準日である2020年3月11日から2021年2月までの指導日数で国を特定。データは過去11カ月間の休校状況を反映している。全面的な開校日数が10日未満、一部開校日数が12日未満の国については、約1年間の指導時間のうち、閉校状態が続いていると判断した。分析の対象は、就学前教育から高等学校までである。
 

学校が休校のため、自宅で読書をする小学2年生のタシュフィアさん。(バングラデシュ、2020年5月撮影) © UNICEF_UNI358199_Himu学校が休校のため、自宅で読書をする小学2年生のタシュフィアさん。(バングラデシュ、2020年5月撮影) © UNICEF_UNI358199_Himu

休校は、子どもたちの学習と幸福に壊滅的な影響をもたらします。最も厳しい状況にある子どもたちや遠隔学習を受けられない子どもたちは、学校に戻れず、児童婚や児童労働にまで追い込まれるリスクが高まっています。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の最新データによると、世界では8億8,800万人以上の子どもたちが、学校の完全休校や部分休校によって教育の中断に直面し続けています。

多くの学齢期の子どもたちにとって、学校は、仲間と交流し、サポートを求め、保健サービスや予防接種サービスを受け、栄養価の高い食事をとることができる場所です。休校が長引けば長引くほど、子どもたちは子ども時代のこうした重要な要素から切り離されることになります。

教育危機に警鐘を鳴らし、政府が学校を開校し続けること、或いは再開計画の中で優先的に学校を再開する必要性を訴えるため、ユニセフは本日、168台の空の机が配置された教室のインスタレーション「パンデミック教室」(Pandemic Classroom)を公開しました。

「このインスタレーションは、約1年間、何百万人もの子どもたちの使う教室が空いたままになっていることを表現しています。誰も座っていない椅子の後ろには空のリュックサックがかけられています。子どもたちの未来が無期限の休止状態に置かれているという事実が隠されたままでいてはなりません。これは各国政府に対し、学校の再開、以前よりも良い形での再開を優先しなければならないというメッセージを発信するものです。

子どもたちが学校に戻れば、環境に適応し学習の遅れを取り戻すサポートが必要になるでしょう。学校の再開計画には、失われた子どもたちの教育を取り戻すための取り組みが盛り込まれていなければなりません。ユニセフは各国政府に対し、子どもそれぞれの固有のニーズを優先し、学校では、子どもたちの成長と幸福を育むために、補習、保健と栄養、メンタルヘルスと保護を網羅した包括的なサービスを提供することを求めています。ユニセフの学校の再開に向けたガイドラインは、ユネスコ、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)、世界食糧計画(国連WFP)、世界銀行と共同で発行され、国や地方自治体向けに実践的なアドバイスを提供しています。

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■ ユネスコ(国連教育科学文化機関)の最新データは以下のURLからご覧いただけます。
https://en.unesco.org/covid19/educationresponse

■ 学校の再開に向けたガイドラインは以下のURLからご覧いただけます。
https://www.unicef.org/documents/framework-reopening-schools

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
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