マダガスカル:子どもの急性栄養不良4倍に増加~4年続く干ばつで飢饉間近【プレスリリース】
【2021年7月26日 アンタナナリボ(マダガスカル) 発】
干ばつの被害を受けたマダガスカル南部では、深刻な状態の11万人を含む少なくとも50万人の5歳未満児が急性栄養不良に陥り、成長と発達に取り返しのつかないダメージを受ける可能性があります。急性栄養不良の子どもの数は、2020年10月に実施された前回の評価から4倍に増加する見込みであるとユニセフ(国連児童基金)と国連世界食糧計画(国連WFP)は警鐘を鳴らしています。
4年連続の干ばつにより、作物は全滅し、人々は食料を手に入れることができなくなりました。収穫高が少なくなり食料備蓄が減る”lean season”が間近に迫り、状況は急激に悪化すると予想されています。マダガスカル南部では114万人以上が食料不足に陥っており、総合的食料安全保障レベル分類(IPC)フェーズ5の「大惨事」にあたる状況の人の数は10月までに2万8,000人に倍増する危険性があります。
最も被害の大きかったアンブブンベ地区では、急性栄養不良率が27%という危機的な数字を記録しており、これ以上の悪化を防ぐための対応を緊急に講じなければ、飢饉に陥る危険に晒されています。こうした事態は、不十分な保健衛生施設や安全な水の不足によってさらに悪化しています。
ユニセフ・マダガスカル事務所代表のミシェル・サンロは「状況がさらに深刻になるのを防ぐために、子どもたちの栄養不良の予防と治療に今すぐ投資する必要があります」と述べました。「家族に安全な水を提供し、栄養不良の子どもたちに治療食を与えることで、命を救うことができます。しかし、私たちは一刻も早く行動しなければなりません」
一部の基礎食品の価格が継続的に上昇していることと、市場でのそれらを手に入れにくくなっていることが、食料安全保障に悪影響を及ぼし続けています。さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、人々が食料を手に入れたり、市場や仕事に行ったりすることを制限されるという新たな問題も起こっています。
ユニセフと国連WFPは、マダガスカル南部の深刻な食料不足に対処するため、昨年からマダガスカル政府やパートナーたちと一丸となり取り組んでいます。危機が深刻化するにつれ、国連機関はマダガスカル南部における栄養危機への緊急対応を強化しているところです。栄養不良の原因となるすべての要素に取り組む、統合的対応が必要です。栄養不良の治療は、全パートナーや国内当局と共同で、分野をまたがった確固たる予防・対応策と並行しておこなっていく必要があります。
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■ ユニセフについて
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※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
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■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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