【10刷重版決定!】大河ドラマ「光る君へ」でファーストサマーウイカさん演じる清少納言の隠された“たくらみ”を綴った『枕草子のたくらみ』SNSで大きな話題に!
2017年の発売から版を重ね、ついに10刷重版を決めた、平安文学研究者で京都先端科学大学教授の山本淳子さんによる『枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い』(朝日選書)。大河ドラマ「光る君へ」では、高畑充希さん演じる中宮定子の人生が暗転し、ファーストサマーウイカさん演じる清少納言が『枕草子』を書き始め、いよいよドラマは佳境を迎えます。平安に暮らす女房の視線で、その日常を明るく軽やかに描いた随筆として有名な『枕草子』ですが、この書は清少納言の気楽な日記などではなく、平安政治社会のなかで潰されずに生き抜くため、周到な戦略が練られた書だったのです。これまでの明るい清少納言のイメージを覆す、戦略家・清少納言の隠された“たくらみ”を解き明かすスリリングな一冊です。
大河ドラマ「光る君へ」では清少納言と紫式部の友情が描かれていますが、史料によると、紫式部は清少納言の『枕草子』を読んで辛辣な批評を書いています。史料から浮かびあがる二人の姿とは――。
さらにドラマでも「たった一人の哀しき中宮のために」と、語られたように、『枕草子』は清少納言の私的な日記ではなく“お仕えする中宮定子の御ため”その一点にこそありました。生前は定子の心を慰めるため、死後にはその鎮魂のために。定子の遺した雅びな後宮文化が世から忘れられないために書かれた書だったのです。
そして定子の死後――、その敵方であった藤原道長の権勢極まる世で、目障りなはずの『枕草子』は潰されませんでした。道長の娘で、生前の定子と中宮の座を分かち合った、いわば定子とライバルの関係にあったはずの彰子さえ、これを保護したのです。定子の時代の香りに満ちた書が、なぜ平安社会に受け入れられたのでしょうか。
そこには清少納言の周到な戦略がありました。
このスリルに満ちた『枕草子』の真実を知ることで、大河ドラマ「光る君へ」がいっそう面白くなります。ぜひ本書とともにご堪能ください。
『枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い』
著者:山本淳子(京都先端科学大学教授)
ISBN:9784022630575
定価:1650円(本体1500円+税10%)
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