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公益財団法人日本ユニセフ協会
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アフリカの角:栄養不良による入院、死亡が大幅増~差し迫る危機に再び国際社会の関心を【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

モガディシュの病院で、上腕計測メジャーを使った検査で「赤」が示され、重度の栄養不良と診断された1歳のモカダスちゃん。(ソマリア、2022年5月25日撮影) © UNICEF_UN0644285_Fazelモガディシュの病院で、上腕計測メジャーを使った検査で「赤」が示され、重度の栄養不良と診断された1歳のモカダスちゃん。(ソマリア、2022年5月25日撮影) © UNICEF_UN0644285_Fazel

【2022年6月7日 ジュネーブ発】

7日、ジュネーブで行われた国連の定例記者会見において、ユニセフ(国連児童基金)・東部・南部アフリカ地域事務所副代表のラニア・ダガシュが発言した内容を抜粋してお知らせします。

* * *

もし世界がウクライナの紛争にしか目を向けず、すぐにでも行動しなければ、アフリカの角地域(アフリカ大陸東部地域)で子どもの死が急増するかもしれないことを、今日ここで明らかにしたいと思います。

ソマリアでは現在、推定38万6,000人の子どもが、命の危険性がある重度の急性栄養不良の治療を切実に必要としており、この数は2011年の飢饉の際に治療を必要としていた34万人を上回っています。この最も致命的な形態の栄養不良に陥っている子どもの数は、過去5カ月間に15%以上増加しています。
 

保健センターで、ユニセフが支援する外来の栄養プログラムに参加し、すぐに食べられる栄養治療食を受け取る男の子。(ケニア、2022年1月撮影) © UNICEF_UN0582099_Ekwam保健センターで、ユニセフが支援する外来の栄養プログラムに参加し、すぐに食べられる栄養治療食を受け取る男の子。(ケニア、2022年1月撮影) © UNICEF_UN0582099_Ekwam

エチオピア、ケニア、ソマリアの3カ国で、170万人以上にのぼる子どもが重度の急性栄養不良の治療を緊急に必要としています。

この2年の間に4回連続で雨季が来ず、作物は枯れ、家畜は息絶え、水源は枯渇しています。また、次の10月から12月にかけても雨が降らない可能性が高いと予測されています。

2022年第1四半期に3カ国全体で重度の栄養不良の治療のために入院した子どもの数は、2021年第1四半期と比較して、大幅に増加しました。エチオピアでは27%、ソマリアでは48%、ケニアでは71%、それぞれ増加しています。

そして、死亡率も憂慮すべき点です。今年、アフリカの角地域で最も被害が大きかったいくつかの地域では、入院治療センターで合併症を伴う重度の急性栄養不良により命を落とした子どもの数が、昨年と比較してすでに3倍に達しています。
 

アファール州にある国内避難民キャンプで、ユニセフが支援する給水所で水を汲む13歳のキーラちゃん。アファール州では、干ばつや紛争により多くが避難し、食料不足を招き、人道危機に直面している。(エチオピア、2022年5月10日撮影) © UNICEF_UN063アファール州にある国内避難民キャンプで、ユニセフが支援する給水所で水を汲む13歳のキーラちゃん。アファール州では、干ばつや紛争により多くが避難し、食料不足を招き、人道危機に直面している。(エチオピア、2022年5月10日撮影) © UNICEF_UN063

ウクライナにおける紛争は、アフリカの角地域で暮らす子どもたちの命も危険にさらしています。ソマリアは小麦の92%をロシアとウクライナから輸入していましたが、現在では供給が絶たれています。紛争は、世界の食料と燃料の価格高騰を悪化させており、エチオピア、ケニア、ソマリアで暮らす多くの人々が、生きていくために必要な基本的な食材を買うことができなくなっています。

こうした圧力は、私たちの対応にも影響を及ぼしています。ユニセフが重度の急性栄養不良の子どもたちの治療に使用している命を守る栄養治療食の価格は、今後6カ月の間に世界全体で16%上昇すると予測されており、アフリカの角地域だけで予想以上の1,200万米ドルの追加資金が必要になる見込みです。

ユニセフやその他各機関は、この危機に対して繰り返し警鐘を鳴らしてきました。私たちは、資金提供をしてくださったドナーの皆さまに心より感謝申し上げます。今まで支援をおこなうことができたのも、ドナーの皆さまのおかげです。しかし、資金はいまだ大幅に不足しており、今年必要な額の3分の1にも達していません。

6月にドイツでG7が開催されますが、国際社会による、命を守るための新たな追加資金が必要です。ウクライナ危機以外の危機に目を向けないことで、最終的に多くの命が失われるようなことがあってはなりません。
 

国境の町ドローの保健センターで、栄養不良に陥った双子のリバーンちゃんとサルマンちゃんを連れた母親のイスマイルさんと話す、ユニセフの東部・南部アフリカ地域事務所副代表のラニア・ダガシュ。(ソマリア、2022年5月24日撮影) © UNICEF_UN06443国境の町ドローの保健センターで、栄養不良に陥った双子のリバーンちゃんとサルマンちゃんを連れた母親のイスマイルさんと話す、ユニセフの東部・南部アフリカ地域事務所副代表のラニア・ダガシュ。(ソマリア、2022年5月24日撮影) © UNICEF_UN06443

私は、訪問したソマリアの国境の町ドローの保健センターで、イスマエルと彼女の1歳になる双子の男の子、サルマンとリバーンに会いました。彼女は妊娠中ですが、干ばつの影響を受け、息子たちの栄養不良の治療のために120kmを歩かざるを得ませんでした。

これから先も多くの子どもたちが命を落とすでしょう。家族が切実に助けを求め、長い距離を歩いている間に、道端で息絶えてしまった子どもたちの話も聞きます。恐ろしいことに、最悪の事態はすぐそこまで迫っているのです。

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

 

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官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
-
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