マイナビ、「管理職のキャリア意識と昇進意欲に関する調査2025年版」を発表

管理職の9割以上が昇進して「良かった」、しかし部下の有無で差も。約半数の管理職は“自他ともに低評価”の認識を持つ。課長級は「昇進が報われない役割」に映る可能性も

マイナビ

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、正社員就業中の10~70代の男女(役員を除く)を対象に実施した、「管理職のキャリア意識と昇進意欲に関する調査2025年版」の結果を発表しました。

【TOPICS】

◆正社員全体の昇進・昇格意欲は46.2%。部下がいる管理職の昇進意欲は6割超【図1、2】
◆昇進・昇格して「良かった」と回答した管理職は9割超。やりがいの感じ方は部下の有無で差がみられる【図3、4】
◆管理職の47.8%が“自他ともに低評価”の認識。課長級では約2人に1人以上で最多【図5】
◆管理職の約8割は周りからの「助力を得られている」と感じる。役職別では支援環境に差も【図6】

【調査概要】

◆正社員全体の昇進・昇格意欲は46.2%。部下がいる管理職の昇進意欲は6割超

正社員全体の昇進・昇格意欲は46.2%で、役職別でみると「課長級(61.1%)」が最も高く、「部長級(59.0%)」、「係長・主任・職長級(57.8%)」で続き「一般社員」は41.0%にとどまった。
部下の有無別では、部下のいる管理職の昇進意欲は63.6%にのぼり、部下のいない管理職と比べて高い傾向がみられた。
昇進意欲において、マネジメント業務の有無が影響していることが示唆される。【図1】

昇進・昇格を望む理由では「給与を上げるため」が72.9%で、役職の有無・部下の有無にかかわらず最多であったが、部下のいる管理職では「自己成長のため」「理想のキャリアを築くため」「責任の大きな仕事にチャレンジしたいため」が、一般社員や部下のいない管理職より10ptほど高く、より昇進に対する視野の広さや意識の高さがうかがえる。【図2】

【図1】

【図2】

◆昇進・昇格して「良かった」と回答した管理職は9割超。やりがいの感じ方は部下の有無で差がみられる

現在の役職へ昇進・昇格して「良かった」と回答した管理職は、全体で92.5%となった。役職別でみると、課長級が93.8%と最も高かったが、部長級で93.7%、係長・主任・職長級で91.1%といずれも9割を超え、大きな差は見られなかった。【図3】
昇進・昇格して良かったと思う理由を、「昇進は良いことだった」がもっとも高かった課長級にしぼって見ると、「報酬面のメリット」が40.0%で最多となり、次いで「責任感が増した(20.2%)」、「意思決定に関与できる(19.0%)」が続いた。
一方で部下のいない課長級では、部下のいる課長級と比較して特に「意思決定に関与できる」「仕事の達成感が増した」「リーダーシップスキルが向上した」という項目が10pt以上低い結果となった。
管理職においては、部下の有無が昇進・昇格後のやりがいや納得感の感じ方に差を生じさせ、キャリアアップの実感にも影響している可能性がある。【図4】

【図3】

【図4】

◆管理職の47.8%が“自他ともに低評価”の認識。課長級では約2人に1人以上で最多

管理職について、自分の能力や可能性などの「自己評価認識」と「他者評価認識」を組み合わせ、評価認識を「高評価一致タイプ(自己評価も他者評価も高いと認識しているタイプ)」、「低評価一致タイプ(自己評価も他者評価も低いと認識しているタイプ)」、「他者評価先行タイプ(他者評価は高い認識をもつが、自己評価は低いタイプ)」、「自己評価先行タイプ(自己評価は高いが、他者評価は低いと認識しているタイプ)」の4タイプに分類した。
全体では、「低評価一致タイプ」が47.8%で最も高く、次いで「他者評価先行タイプ」が23.3%と続いた。
役職別にみると、「低評価一致タイプ」は課長級が51.9%と半数を超え最多で、全体よりも高い傾向が見られる一方で、「他者評価先行タイプ」では課長級は16.3%にとどまり、全体(23.3%)より5pt以上低かった。
課長級では「自分は他人からあまり評価されていない」と感じている人が他の役職よりも多く、そうした認識が自己評価にも影響し、「自他ともに評価が低い」と感じる割合が高くなっている可能性も考えられる。【図5】

【図5】

◆管理職の約8割は周りからの「助力を得られている」と感じる。役職別では支援環境に差も

仕事上における周囲からの助力(支援・サポート)について、管理職全体では79.2%が「他者からの助力を求めており、助力を得られている」と回答しており、支援の必要性と実感はおおむね一致している傾向が見られた。
役職別に見ると、「他者からの助力を求めており、助力を得られている」は部長級が86.5%と唯一8割を超えるのに対し、課長級では75.5%にとどまり、部長級より11.0pt低い結果となった。役職によって支援環境に差が生じているようだ。
一般的に、部長級が組織方針の策定や意思決定に関与する一方で、課長級は現場のマネジメントや部下育成を担う立場であり、支援の不足はその役割遂行に影響を及ぼしかねない。
また課長級の支援不足は、次世代育成や若手の昇進意欲へも影響する可能性があり、支援が得られない課長の姿は「負担の増加」や「報われない役割」と映り、昇進・昇格を避けたいと感じさせる要因に繋がる可能性も考えられる。【図6】
【図6】

【調査担当者コメント】

今回の調査では、昇進・昇格に対して肯定的に捉える管理職が多い一方で、昇進意欲や昇進後のやりがいの感じ方には、役職や部下の有無によって差があることが明らかになりました。
一般社員に加え、部下を持たない管理職でも、昇進意欲が低く昇進後の納得感や達成感も乏しい傾向が見られました。また、自己評価と他者評価の認識を掛け合わせた分類では、課長級で「自他ともに評価が低い」と認識する人が半数を超えており、昇進が必ずしもキャリアアップとして受け止められていない可能性も示唆されます。
さらに、支援の実感においても課長級は他の管理職より低く、現場に近い立場でありながら支援が届きにくい状況が、昇進しても「報われない役割」となり管理職になることを避ける傾向が強まっている昨今の風潮にも繋がっている可能性があります。従来の日本型雇用では、組織内での昇進・昇格がキャリアアップの象徴であり、部下なしでの昇進・昇格も定着施策の一環として実施されてきましたが、働き方やキャリアの多様化が進む現在では、その在り方が見直される時期に来ているのかもしれません。


マイナビキャリアリサーチラボ 主任研究員 関根 貴広

「管理職のキャリア意識と昇進意欲に関する調査2025年版」
【調査期間】2025年4月9日(水)~4月15日(火)
【調査方法】インターネット調査
【調査対象】正社員就業中の10~70代の男女(役員除く)
【有効回答数】本調査:4,312サンプル

◆調査はこちら

https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250724_98095/

※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります

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業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区一ツ橋1丁目一番一号 パレスサイドビル
電話番号
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代表者名
土屋芳明
上場
未上場
資本金
21億210万円
設立
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