地元の高校生がメニュー考案・商品開発に挑戦!食を通じて三重の海の課題解決を目指すプロジェクト高校生連携イベントを開催しました

2024年7月21日(日)~23日(火)・28日(日)~30日(火) 場所:熊野市二木島周辺

一般社団法人旅する学校は、2024年7月21日(日)~23日(火)・28日(日)~30日(火)の2回にわけ、高校生連携(商品開発ワークショップ・藻場の観察会・定置網体験・魚のさばき方など)イベントを開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。


  • イベント概要

・開催概要:高校生が行う商品開発や現地勉強会を通じて、海の課題を自分ごととして定着させ、高校生が自走化して、次世代(地元の小中学生)に向けて、自分たちができるアクションを生み出していく場となりました。熊野市二木島町をフィールドに、高校生が、アドバイザー(商品開発・食品加工のプロ)、地元の漁師らとともに、商品開発のワークショップや、海の観察会、さらには、漁業体験や魚のさばき方技術の習得などを通じて、汎用性のある探究型教育活動を実施できました。

・日程:1回目 2024年7月21日(日)~2024年7月23日(火)

    2回目 2024年7月28日(日)~2024年7月30日(火)

・開催場所:熊野市二木島町周辺

・参加人数:1回目19名(県立津高校4名、県立尾鷲高校1名、県立紀南高校1名、三重高校4名、新渡戸文化高校9名)、

2回目15名(県立津高校2名、新渡戸文化高等学校13名)

・協力団体:生活協同組合連合会コープ自然派事業連合、株式会社大進食品、株式会社九里、マル松潜水CLUB、株式会社ゲイト


  • 商品開発ワーク

 今回参加する高校生は、事前学習会にて、三重県沿岸で海の森(藻場)の減少が急速に進んでいる現状を学びました。そして藻場の減少(磯焼け)の原因の一つである、植食性魚類(通称:シーベジたべるフィッシュ)を美味しく食べるために、事前に学校で、商品レシピの試作を重ねて今回のイベントに参加しました。

 今回は、複数の高校から1つのチームを編成し、1回目は4チーム、2回目は3チームに分かれ、それぞれのチームが事前に考えてきた植食性魚類の1種である「アイゴ」を使った試作品を作りました。各チームごとに、商品に込めた想いをプレゼンした後、試作品をアドバイザーに試食してもらい、プロの視点でのアドバイスをもらいました。


 高校生たちの試作品は、子育て世代をターゲットに簡単に調理できるものから、子どもから大人までが一緒に食を楽しめるもの、地方の伝統的な魚料理を応用させたものなど、様々な工夫が見られました。

 アドバイザーからは、高校生のユニークなアイデアや、試作品の完成度の高さについて高評価を頂きつつも、敢えて魚を使う意義を考えて、魚の持つ風味や食感を活かすことの重要性や、例えば子どもをターゲットにした場合に求められる甘味アクセントや、製造工程数の課題、食品保存のための水分含有量の考え方について、専門的なアドバイスをもらいました。

 また魚は、可食部が少ないため、人間の都合で多くの部位を廃棄せざるを得ない現実についての話をもらい、命の大切さや歩留まりの考え方など、学校では学べない多くの視点に、高校生たちは真剣に助言を聞きながら、今後の活動に向けて意欲を高めていました。


  • 藻場観察&定置網体験

 魚の流通の上流部分を知るために、地元漁業者の協力により、定置網漁体験を行いました。高校生たちは、早朝4時半の集合にも誰一人遅れることなく、実際に使われている漁の船に乗船して出港しました。現場では一緒に網あげを手伝い、帰港後には水揚げした魚を漁師さんからいただき、自分たちで獲った魚を自分たちでさばいて、朝食にしました。高校生たちは、米と味噌だけを自宅から持参し、おかずになる魚は漁でとれたお魚になることを事前に伝えていました。そのため、漁で魚がとれたことを素直に喜び、その魚を漁師さんから分けてもらえたことに感謝していました。さらには、自分で魚をさばく体験は初めての生徒が多く、自分でさばいた魚の味は格別だったようです。


 次に、地元のマル松潜水CLUBの協力で、今回のメインテーマの一つでもある藻場と生物の観察をスノーケリングにて実施しました。高校生の多くがスノーケリングは初めてという状況でしたが、浅瀬で練習した後、海中の観察を行いました。磯焼けをしているエリアは、ガンガゼが多い状況であるのに対して藻場がある部分の生物の多様性が高いことは一目瞭然で、生徒たちの心を動かす体験となりました。スノーケリングの楽しさもあって、生徒たちは約2時間、時間も忘れて熊野の海の素晴らしさに触れていました。

 夕食前には、二木島の歴史に触れる「二木島ウォーク」を実施しました。神社と神武天皇神話、昭和19年に起きた東南海大地震における津波を伝える石碑、熊野古道の散策、くじらの供養塔を巡りました。高校生たちは、漁村に残る歴史と文化に関心を高めていました。


  • 子ども向けイベントに向けてのワークショップ 

 事前学習から今回の2泊3日で学んだことを生かして、9月に実施する三重県の小中学生向けのイベントに向けてのアイデア出しをしました。

 まずは、ここまでの経験から、高校生として小中学生に伝えたいと思ったことを出し合ってもらいました。伝えたいと考えた内容はおおよそ以下の通りです。


・アイゴと磯焼けの関係性について

・アイゴを含めた魚の美味しさ(美味しくない魚はいないこと)

・定置網漁と魚を自分でさばくこと

・三重県の海の美しさ

・漁村の歴史や文化

・朝日や夕日、青い海と美しい星空、リアス式海岸

・自炊する大切さ 


その後、上記の伝えたい内容を1泊2日のプログラムでどのように伝えていくか、イベントの詳細についてアイデア出しをしてもらいました。

 スタンプラリーやすごろく形式で、街全体を巡りながら、様々なメッセージを体験的に学べる工夫が出ていました。また、商品開発途中のアイゴの試作品を食してもらうことで、海の課題やアイゴの魅力を伝えていこうとするアイデアが出ていました。


  • 参加した子ども・保護者からの声

Q印象に残ったことは何ですか?

・アイゴのメニューを試作したことです。アイゴは元々みんなから省かれていました。ですが、今回の新しいメニューとして考えればいいのではないかという発想で三重県の高校生と東京の高校生とで新しいメニューを開発したことがとても印象深いです。各班色々なアイゴのメニューがありとても楽しめました。地域の高校生の人たちも考えたメニューを元に作ることが出来たことであいごと関わる時間が少し長くなったのではないかなと考えました。


・アイゴを使った商品の開発が、非常に難しく、それ故にとてもやりがいがあった活動になった。これまで商品開発はしたことがなく、食にもあまり関心がなかったが、プロの方々の真摯なお言葉を聞いたり、実際の商品開発とほとんど同じようなプロセスを踏んで、ひとつひとつ地道に完成を目指したりしていくなかで、普段食べている料理はたくさんの時間と努力が込められた一品なのだと心の底から感じた。どんな形の商品であれ、それを創り出した人々の思いが込められている。だからこそ、少しも無駄にしてはいけないし、アイゴという魚の魅力が少しでも理解され、同時に藻場が復活してほしいという強い思いを抱くようになった。


・定置網漁です。初めての定置網漁で、カマスやトビウオなど様々種類の魚介類がとれたことに驚きました。また、今回のメインテーマでもあったアイゴもかかっていて、生で見れてとても満足しました。

漁の後に、魚の三枚おろしも自分が思っていた以上に上手くできたので、これから家の料理の手伝いを今以上にできるのではないかと思いました。


・印象に残ったことはスノーケリングです。正直に言ってしまうと、私はスノーケリング目当てな部分もあり、このイベントに参加しました。そのスノーケリングを体験してみて私はとても感動しました。メガネをつけていなかったので見にくくもありましたが魚が泳いでいるところを海で、しかも生で見れたことに感激しました。魚は思ったよりも水色で青く、そして綺麗でした。

 それ以外にも磯焼けした海も印象に残りました。他のところは魚が沢山いたのに対して磯焼けしたところは魚がおらずとて閑散としており驚きが絶えませんでした。どうしたらこれを無くせばいいのかをいずれ考えていきたいです。


・スノーケリングが一番印象に残っています。なぜならこれまでスノーケリングをしたことがなかったのもありますが、スノーケリングでみた二木島の海の中の景色がとても綺麗だったからです。私は二木島の海の中の綺麗な景色を家族や友人以外に次の世代の人たちにも見て欲しいので今回の二木島での活動のような自然環境に関する活動にもっと積極的に参加して今の中島の海の中の状態を残していきたいと思いました。


・魚を捌いた事です。魚を実際に捌いてみて、思ったことは難しい!です。食べられるところの身も残してしまったりして上手く出来ずに四苦八苦しました。魚を捌くのがこんなにも大変なのだと改めて思い知らされました。2回目は1回目よりもまだ上手く行きましたがそれでもまだスラスラできずにいました。こんなにも難しいことを意図も平然にやれる方々を尊敬しました。自分で切ってみた魚は美味しかったです。


・私は朝早くに行って、自分で捕まえた魚を3枚おろしにして食べたことが今でも記憶に残っています。なぜなら、これまで船に乗って魚を捕まえに行くと言うことがなかったことや魚をさばいたことがなかった事などにより食べた魚の味がとても忘れられないものになっているからです。私はまた二木島に行くことがあったら、もう一度船に乗って魚を捕まえてさばいて食べたいと思います。私は二木島で食べた魚の美味しさを家族や友人いろんな人に知ってもらいたいので、これからの商品開発などを頑張ろうと思う。


・熊野古道などの散歩です。散歩の時間は30分とあまり時間が長くなかったですが、大昔に起きた東南海地震であったエピソードなどを聞いて、当時の人々の絆や大地震の2次被害で起きる津波の恐ろしさなどを学べて今の時代ではあと何年かしたら南海トラフ地震が起きるのが確実なので、その時には自分達はどの様に動いたら対処できるかなどを改めて考え、自分の中で地震への恐怖が一層高まりましたが、まずはこの様な先人達がやった事を真似ればいいのではないかと結論付けられました。


<団体概要> 

団体名称:一般社団法人 旅する学校

URL:https://japantabisurugakko.wixsite.com/my-site

活動内容  :地域づくりをテーマにした先生向けの研修事業

日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。

https://uminohi.jp/

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会社概要

URL
https://uminohi.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区赤坂2-14-4  森崎ビル3階
電話番号
03-6441-2561
代表者名
渡邉友弘
上場
未上場
資本金
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設立
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