【岡山大学】小児・AYA世代を対象とする患者申出療養「PARTNER 試験」が岡山大学病院でも開始~小児・AYA世代がん患者のドラッグアクセスの改善を目指す~
岡山大学と国立研究開発法人国立がん研究センターの共同プレスリリースです。
2025(令和7)年 1月 2日
国立大学法人岡山大学
<発表のポイント>
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2024年1月から国立がん研究センター中央病院で開始されていた患者申出療養制度1) を利用した医師主導臨床研究 PARTNER 試験(NCCH2220)の実施施設として、北海道大学病院、九州大学病院に続いて4カ所目となる岡山大学病院が追加されました。
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実施施設の拡大、および使用可能な医薬品数の拡大により、新たな医薬品を使用するための体制が整えられ、より多くの小児・AYA 世代のがん患者さんが必要な医薬品にアクセスしやすくなることが期待されています。
◆概 要
国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)中央病院(病院長:瀬戸泰之)は、適応外薬または未承認薬の使用を希望する小児・AYA(Adolescents and Young Adults:思春期・若年成人)世代の患者さんを対象に、患者申出療養制度を利用して複数の医薬品を使用可能とする医師主導臨床研究 PARTNER 試験を 2024年1月から開始しています。本試験の実施施設としては2024年9月に北海道大学病院、九州大学病院にも拡大されていましたが、2024年11月に、国内4カ所目の実施施設として岡山大学病院が追加されました。
これまでは、本研究に参加しての治療を希望する患者さんは限られた実施施設を受診する必要があり、本州では東京の国立がんセンター中央病院のみが実施施設でした。今後は、中四国各県や関西地方からもアクセスの良い岡山大学病院で治療を受けることが可能となります。
本研究では、研究の趣旨に賛同いただいた企業から医薬品を無償提供いただいており、2024年12月現在、5社8医薬品が対象となっています。今後さらに多くの企業の協力が得られるよう活動していきます。なお本研究を適正に運営するために必要な費用は研究費※1 から支払いますので患者さんの負担はありませんが、経過中の検査料や入院料等などは保険診療の範囲で患者さんのご負担となります。
※1 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 「臨床研究・治験推進研究事業」
「小児・AYA がん患者の薬剤アクセスの改善と薬事承認に利活用可能なデータ収集を目的とした患者申出療養制度に基づく特定臨床研究」
なお本件は、2024年12月26日に開催された岡山大学2024年12月定例記者会見において公開されました。
◆研究者らからひとこと
<岡山大学病院小児血液・腫瘍内科 助教 石田悠志>
小児・AYA世代のがんは患者さんの数が少なく、海外に比べて、また国内でも成人がん分野に比べてこれまで新薬の開発が遅れがちな分野でした。日本ではがんゲノム医療がどんどんと進んでいますので、そういった成果を本試験により患者さんの利益に繋げられるよう、岡山大学病院一丸となり尽力したいと思います。
<岡山大学病院長/小児・AYAがん総合センター センター長 前田嘉信>
岡山大学病院はがんゲノム中核拠点病院であり、臨床研究中核病院です。豊富な病院全体のリソースを小児・AYAがん分野に適切に活用することで、広く中国・四国地方や西日本地方の患者さんたちに新規医薬品を届けられるような体制を築きたいと考えています。このPARTNER試験がその大きな推進力になることを期待します。
<岡山大学病院副病院長/小児科長/小児血液・腫瘍科長/小児・AYAがん総合センター副センター長 塚原宏一>
岡山大学病院小児科では、小児血液・腫瘍科を中心にさまざまな小児系診療科が一丸となって小児がんに立ち向かう体制を築いています。さらに本院は2024年に小児・AYAがん総合センターを設立し、診療科を超えた小児・AYAがん患者さんの支援体制を充実させております。PARTNER試験により希少な小児・AYAがん患者さんへの新薬到達性を改善することは、「小児医療の最後の砦」としての岡山大学病院小児科のビジョンとよく合致します。これからも診療科一丸となり、全力で小児・AYAがんに立ち向かいます。
<国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科 医長 荒川 歩>
小児がんにおいては、がん遺伝子パネル検査注4) 等で治療薬の候補が見つかっても保険診療下で使用できる薬が少ない、参加可能な治験・臨床試験が少ない等、ドラッグアクセスの改善が課題となっていました。この一助として開始したPARTNER試験において、4つ目の施設として岡山大学病院が新しく試験施設として追加されました。小児・AYA世代の患者さんが必要な薬を全国どこにいてもなるべく、ご自宅の近くの施設で使えるようにするために、今後も対象医薬品、実施施設等を増やしていきたいと思います。
<岡山大学病院小児科 助教 鷲尾佳奈>
岡山大学病院の小児がんグループのチーフとして診療する中で、どうしても新薬を必要として、遠方にご紹介せざるを得ないような患者さんたちに何人も出会ってきました。こういった患者さんたちに、必要な薬を必要なタイミングで、岡山においてお届けできるようグループ一丸となって取り組みます。
◆詳しい内容について
小児・AYA世代を対象とする患者申出療養「PARTNER試験」が岡山大学病院でも開始 小児・AYA世代がん患者のドラッグアクセスの改善を目指す
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20241226-5.pdf
◆参 考
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学病院 小児科/小児循環器科/小児血液・腫瘍科
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/index138.html
・国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/index.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学病院 小児血液・腫瘍科 助教 石田悠志
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:086-235-7249
FAX:086-221-4745
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1315.html
<広報窓口>
岡山大学総務・企画部 広報課
TEL:086-251-8415
国立がん研究センター 企画戦略局 広報企画室
TEL:03-3542-2511(代表)
<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
岡山大学病院 新医療研究開発センター
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:086-235-7983
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8745、086-251-8746
FAX:086-251-8748
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://fspp.kikibun.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://venture.okayama-u.ac.jp/
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