青谷小学校の児童がウニを通じて藻場の大切さと現状を実感する体験型の授業プログラムを始動!
2024年9月9日(月) 【鳥取県鳥取市青谷町】
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
公式サイト http://tottori-bluecarbon.jp/
イベント概要
・開催概要:ウニを通して藻場の大切さと現状を学ぶ勉強会
・日程:2024年9月9日(月)
・開催場所:鳥取市立青谷小学校
・参加人数:小学生27名及び教職員1名
藻場の現状を知る勉強会
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会(公益財団法人鳥取県栽培漁業協会)では、青谷小学校の総合学習として5年生を対象に、「ウニを通して藻場の大切さと現状を実感すること」をテーマとした学習プログラムを行うことで、小学生自身が地元青谷の海の現状を学び、海(特に藻場)の環境に目を向ける意識を育めるよう支援しています。
まずは地元鳥取の海のことを知ってもらうため、藻場を知るための勉強会を実施しました。地元のきれいな海には多様な海藻が群生する「藻場」が存在しており、「藻場」は①魚貝類の産卵場、②稚魚の保育場、③餌の提供、④餌となる生物の提供、⑤水質の浄化、⑥二酸化炭素の吸収、⑦酸素の放出といった様々な役割があり、「藻場」が無くなると魚の住処がなくなるため、漁業にも深刻な影響がでてきます。その「藻場」がムラサキウニの大量発生により消滅の危機に瀕しているという現状について、スライドで実際の海の様子を示しながら児童たちに説明しました。
かつての藻場が繁茂している海底と今のウニが大量に生息し海藻が無くなっている海底の写真を見せると、児童たちから驚きの声が上がり、お話した内容を熱心に次々とメモに取っていました。
ウニの触れ合い体験と今後の運び
藻場を知った後は、藻場の消失の原因の一つとなっているムラサキウニを一人一つずつ実際に配り、目で見て、手で触れながらウニの生態について説明しました。
児童たちは最初は怖がっていましたが、一人、また一人と手を伸ばしながらおそるおそる観察を始め、次第に「針が動くのも知らなかった」、「意外と針が痛くない」など、感想を述べながら夢中で観察していました。古田事務局長からの「ウニの口とおしりはどこにある?」との問いに、児童たちはウニをひっくり返しながら探しており、いつもの授業では得られない直接の体験に大興奮の様子でした。
その後、ムラサキウニの一つを実際に割って中を確認して、産卵期になると普通のウニはオレンジの卵でいっぱいになるが、大量発生している場所に生息するウニは、餌の海藻の奪い合いになって栄養が十分にいきわたらず、卵が十分に入らないことをお話しました。
触れ合い体験の終了後、児童からは「藻場はどれくらいの深さまで繁茂するのか」「青谷の海はきれいなのか」等、鋭い質問が飛び出すなど、地元の海や藻場に関する興味がさらに出てきた様子でした。
今後、「実際に海でウニの発生状況を見てもらう」「地元の藻場にいる生き物(ウニ等)を食材とした学校給食を食べてもらう」等を行うことにより、ムラサキウニの大量発生による藻場消失の現状について、そして豊かな海の環境の大切さについて五感で学べるような学習プログラムを進めてまいります。
参加した子どもからの声
・ウニはちょっと匂いがしたが、直接触ることができて楽しかった。
・今度、実際の青谷の海に行ってウニを見ることが楽しみ。
<団体概要>
団体名称:鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会
(公益財団法人鳥取県栽培漁業協会)
URL:http://tottori-bluecarbon.jp/
活動内容:公益財団法人鳥取県栽培漁業協会、鳥取県漁業協同組合、鳥取県、農林中央金庫らが官民一体となり、藻場の衰退の要因となっているムラサキウニの商品化をモデルケースとした海の豊かさの啓発等により、地域と共に鳥取の豊かな海を取り戻すことを目的に活動。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
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