脊椎動物が土壌生物に与える影響について枠組みを提案:地上と地下の生物間相互作用の包括的な理解に向けて〔高知大学,北海道大学,森林研究・整備機構森林総合研究所,岡山大学,東京大学,福井県立大学〕

国立大学法人岡山大学

高知大学と北海道大学、森林研究・整備機構森林総合研究所、岡山大学、東京大学、福井県立大学の共同研究成果プレスリリースです。

2025(令和7)年 2月 14日
国立大学法人岡山大学

https://www.okayama-u.ac.jp/

<発表のポイント>

  • 脊椎動物が土壌生物群集に対して与える影響を5つのメカニズムに整理。

  • 整理したメカニズムに基づき、脊椎動物が土壌生物群集の空間構造に与える影響を提案。

  • 地上と地下の生物間相互作用における脊椎動物の役割を明らかにすることは、脊椎動物の生態系機能のより良い理解に貢献することが期待。

◆発表概要
 地上部と地下部(土壌)の生物間相互作用は個別に考えられてきましたが、ここ20年ほどでこれら2つの生物群集のつながりが積極的に研究されてきました。一方、地上部で活動する脊椎動物(鳥や哺乳類など)の多くは、土壌動物を採食したり土壌を掘り返したりするなど(図1)、地下部群集に対して強く影響している可能性がありますが、彼らの役割を総合的に理解するための枠組みはありませんでした。


 高知大学の富田幹次助教のほか、アメリカ合衆国森林管理局、北海道大学、森林研究・整備機構森林総合研究所、岡山大学、東京大学、福井県立大学からなる共同研究グループは、地上部の生物から地下部の生物へ影響する経路として、脊椎動物が果たす役割について整理しました。さらに、整理した経路を発展させることで、脊椎動物が土壌生物群集の空間構造や分布を変え、生態系機能に波及する可能性を提示しました。

 この総説論文は、2025年1月14日に国際学術誌「Trends in Ecology and Evolution」にオンライン掲載されました。

図. 今回整理した脊椎動物が土壌生物に与える影響の実例
(a)ミミズを食べるトガリネズミ;(b)キノコを食べるジリス;(c)セミ幼虫を掘り返すヒグマ;(d)トナカイの群れが通過した跡;(e)ヒグマの糞;(f)イノシシの死骸。

◆論文情報
 論文名: The underappreciated roles of aboveground vertebrates on belowground communities
 著 者:富田 幹次(高知大学農林海洋科学部)、Philip J. Manlick(アメリカ合衆国森林管理局)、小林真(北海道大学北方生物圏フィ-ルド科学センタ-)、藤井佐織(森林研究・整備機構森林総合研究所森林昆虫研究領域)、兵藤不二夫(岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域)、宮下直(東京大学大学院農学生命科学研究科)、角田智詞(福井県立大学生物資源学部)
 雑 誌:Trends in Ecology and Evolution
 DOI:https://doi.org/10.1016/j.tree.2024.12.011
 公開日: 2025年1月14日

◆詳しい研究内容について
 脊椎動物が土壌生物に与える影響について枠組みを提案:地上と地下の生物間相互作用の包括的な理解に向けて

 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20250207-1.pdf

◆本件お問い合わせ先

<研究に関する問い合わせ先>
 高知大学 農林海洋科学部 助教  富田 幹次(とみた かんじ)
 TEL:088-864-5204

<報道に関する問い合わせ先>
 高知大学 広報・校友課

 TEL:088-844-8643 

 北海道大学 社会共創部 広報課 
 TEL:011-706-2610

 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部事務部 総務課 総務チーム 広報情報担当
 TEL:03-5841-8179, 5484

 岡山大学 総務・企画部 広報課
 TEL:086-251-7292

 福井県立大学 経営企画部 連携・研究課
 TEL:0776-61-6000

 森林総合研究所 企画部 広報普及科広報係

 TEL:029-829-8372


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     ※ ◎を@に置き換えて下さい
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 FAX:086-251-8748

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業種
教育・学習支援業
本社所在地
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟
電話番号
086-252-1111
代表者名
那須保友
上場
未上場
資本金
-
設立
1949年05月