【介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン】「介護と仕事の両立」について調査を実施!両立できていないと考える人は35%、実際に離職した人は2割にのぼる実態が明らかに!

株式会社小学館

株式会社小学館(本社:東京都千代田区)が運営する『介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン』(https://kaigo-postseven.com/marketing-research)は、『介護ポストセブン』(https://kaigo-postseven.com/)の会員組織『介護のなかま』登録者を対象とした「介護と仕事の両立についての実態調査」を行いました。その結果を報告します。

時間に自由がきかず、日々さまざまな理由で心身ともに疲労を抱えている介護者の姿が浮き彫りになりました。

●調査概要

仕事をしながら、介護にもきちんと向き合いたいと思う人にとって、時間のやりくりは大きな課題の一つ。今回のレポートでは、仕事と介護の「両立」をテーマとし、「現在介護中」または「介護経験がある」人を対象に、「離職(転職含む)を考えたことはあるか」、「両立のために働き方を変えたか」、また「両立で大変だったこと・困ったこと」などを調査した結果を報告します。

■アンケート概要

調査主体:介護マーケティング研究所by介護ポストセブン

調査方法:インターネットによるアンケート調査

調査対象:『介護ポストセブン』会員組織『介護のなかま』登録者

調査期間:2024年11月15日~12月9日

有効回答者数:2,596名(女性1,409名、男性1,171名)無回答・その他16名

※「介護と仕事の両立」についての実態調査結果一部抜粋

●介護を主な原因とする離職(転職を含む)の実態

1:「離職を考えたことがある」は4割強、「実際に離職をしたことがある」は2割

「介護が主な原因となり、離職(転職を含む)を考えたことがありますか」という質問に対する回答では、「ある」42.69%、「ない」57.31%という結果となりました(図1)。

また、「介護が主な原因となり、離職(転職を含む)をしたことがありますか」という質問では、

20.24%が実際に離職(転職を含む)を経験したことがあると回答しています。

図1 介護が主な原因となり離職(転職含む)を考えた/したことがあるか

2:両立の裏では「金銭面の心配」や「再就職への不安」を抱える人も

介護を主な原因とした離職をしていない約8割の人に対し、「離職(転職を含む)をしなかったのはなぜですか」と質問したところ、「仕事と両立できると考えたから」が最も多く35.53%でした

(図2)。しかし、「離職すると金銭的な負担が心配だったから」が27.72%、「一度離職(転職を含む)すると今後別の仕事への再就職が難しいと思ったから」が18.94%と、心配や不安を抱える人も。

今後、離職(転職を含む)をしなかった理由として、金銭的な負担や再就職への不安・心配を抱える人の割合が増加すれば、離職(転職を含む)ができず、仕事と介護の両立がより困難になる人の割合が増える可能性は否定できません。

図2 離職(転職を含む)をしなかった理由

●仕事と介護は両立できるものなのか、また、両立できるための働き方とはなにか

1:「両立できていない」と回答した割合は約35%

「仕事と介護を両立できている(両立できた)と考えていますか?」という質問に対し、「できている」「ややできている」と回答した割合は65.31%、「あまりできていない」「できていない」と回答した割合は34.69%でした(図3)。介護に携わる人の約35%が仕事と介護の両立に困難を抱えている現状が浮き彫りになりました。これは、社会課題として考えていく必要がありそうです。

図3 仕事と介護を両立できている(両立できた)と考えているか

2:「時短勤務」へと働き方を変えても効果なしか

前問で仕事と介護を「両立できていない」と回答した人のうち、「両立するために働き方はどのように変えましたか?」という質問へ「働く時間を短くした」と回答した人は28.26%と最多でした(図4)。これは、時短勤務にすることが、必ずしも仕事と介護の両立に効果的ではないことを表しているのかもしれません。

一方、「両立できている」と回答した人のうち、「介護休暇を利用した」は7.16%で、「介護休業制度を利用した」は5.77%と、介護に関連する制度を利用している人が非常に少ないことも判明しました。国が仕事と介護の両立に役立つ制度と制定したにもかかわらず、認知度が低い、もしくは制度を利用しにくい状況があることが示唆されました。

図4 仕事と介護を両立するために働き方をどのように変えたか

●仕事と介護を両立するうえで大変だったことや困ったこと

1:圧倒的に足りない時間と、さまざまな理由で心身共に抱えている疲労感

「仕事と介護の両立で大変だったことや困ったことはどんなことですか」という質問に対しては、自由記述で多数の回答が寄せられました(1,258名回答)。

回答の傾向ごとに分類してみたところ、最も回答数が多かったのは「時間に自由がきかない・足りない」309名で、次に「心身疲労」235名だった(図5-1)。そして「職場での周囲への心苦しさ/職場の理解の低さ」、「金銭面」、「人手・相談相手がいない、サポートが受けられない」、「家族、親族の協力体制」と続きます。

プライベートな時間が取れず、職場での肩身の狭さを感じたり、金銭面への不安を抱えたりすることなどから心身ともに疲れが溜まる状況は、仕事と介護の両立をはかろうとする人には、共通する悩みだといえます。

図5_1 仕事と介護の両立で大変だったことや困ったこと

2:「介護対象者への対応と仕事の狭間で調整が難しい」「睡眠時間を削る」「離職した」

「仕事と介護の両立で大変だったことや困ったことはどんなことですか」という質問に対する他の回答では、仕事中も介護対象者から届く要望への対応に苦慮したり、自身の睡眠時間を削って介護や仕事の時間を捻出しているといった声もありました。また、仕事と介護の両立が難しく仕事をやめたという回答もあり、介護のために離職せざるをえない状況に追い込まれてしまう人もいることがわかります

(図5-2)。

図5_2 仕事と介護の両立で大変だったことや困ったこと

●本調査結果を通じて

仕事と介護の両立について、「離職(転職を含む)を考えた(した)ことはあるか」「両立できていると考えているか」「両立するために働き方を変えたか」また、「大変だったことや困ったこと」について、アンケート結果をもとにお伝えしました。

金銭の工面や再就職への不安を抱えて離職しない人がいる一方で、介護が主な原因となり、実際に離職(転職を含む)した人は2割にのぼります。仕事と介護を両立できていないと考えている人が約35%で、仕事と介護を両立することの難しさかが伝わる結果となりました。

自由記述の内容から、最も多くの人が抱えている困難が「時間に自由がきかない」ことであることが判明しました。仕事と介護でプライベートの時間が思うように取れず、そこから疲労回復できないまま、繰り返される日々をなんとか過ごしているといった介護者の現状が窺える結果となりました。

介護中に、職場で肩身の狭い思いをすることなく仕事ができること、自分らしくいられる時間が確保できること、さらには、いつでも介護に関する相談ができ、適切なサポートを受けられる環境が整うことが、仕事と介護を両立することへの安心につながるのではないかと考えます。

※掲載しているデータは調査の一部です。掲載していないデータや自由記述設問に寄せられたコメント詳細については、以下までお問い合わせください。お問い合わせの際は、企業・部署名をご明記ください。

■介護マーケティング研究所 お問い合わせフォーム

https://kaigo-postseven.com/contact

『介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン』は、現在まさに介護中の方、介護に関心の高い方のリアルなデータをもとに、ユーザー動向分析・マーケティング・認知度向上・商品開発に役立てられるサービスを目指しています。

介護マーケティング研究所 https://kaigo-postseven.com/marketing-research

介護ポストセブン 公式サイト https://kaigo-postseven.com/

介護ポストセブン 介護施設・サービス検索 https://kaigo-postseven.com/kaigo-search/

介護ポストセブン X公式アカウント https://twitter.com/kaigo_postseven

■本リリースに関するお問い合わせ

株式会社小学館 広告局 第一企画営業室

TEL :03-3230-5375(直通)

FAX :03-3264-8471

E-Mail:net-biz@shogakukan.co.jp

すべての画像


ビジネスカテゴリ
マーケティング・リサーチ
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社小学館

222フォロワー

RSS
URL
http://www.shogakukan.co.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区一ツ橋2-3-1
電話番号
03-3230-5375
代表者名
相賀信宏
上場
未上場
資本金
1億4700万円
設立
1922年08月