ジョン・ブルックスの名著が漫画+テキストで登場。『ビジネスの失敗学 ビジネス・アドベンチャーズ』発売!
若き日のビル・ゲイツがウォーレン・バフェットから借り受け、以来20年あまりを経てなお「最高のビジネス書」と言い切った名著『Business Adventures』を漫画+テキストで再構成!
本書は、現代型経済が形作られた1960年代、『The New Yorker』誌で金融経済担当記者を務めたジョン・ブルックスの著書『Business Adventures』を漫画+テキストで再構成した書籍です。半世紀以上前の実話とはいえ、本書は懐古趣味や振り返り型の教訓譚ではありません。
『Business Adventures』は、企業や組織にとってとても困難な時期を迎えるきっかけとなった出来事や事件を取り上げ、当事者への取材を通じて「何が起きたのか?」「なぜ起きたのか?」を淡々と追いかけるスタイルで、関わった人々の素顔を描きながら商売や取引の本質を浮かび上がらせ、ブルックスの著書のなかでもビジネス書の古典と言われる傑作となりました。そこで描かれた物語のなかには、半世紀以上を経て、かつて想像もつかなかった社会状況にある現在にも通用する、ビジネスのキモと言える内容が潜んでいます。
本書では原著より5話を選び、各章扉と章末のまとめを除き、本文を須川綾子氏訳の『人と企業はどこで間違えるのか?』(ダイヤモンド社)より抜粋して作成しています。そのうえで漫画の中で指摘している「失敗」や「ポイント」の意味を、テキストと各章末のまとめを通して、確認できるよう構成しました。
当時といまと、変わらないこととは何なのか? ビジネスの核心を探せる一冊です。
第1章
The Fate of the Edsel ― A Cautionary Tale
伝説的な失敗 ― フォード社エドセルの物語
巨大企業の社内力学から生まれた商品に、市場は到底納得しない
1957年9月、当時すでに三大自動車メーカーの一角を成していたフォード社が、自信を持って世に送り出した「エドセル」は、しかし、3億5000万ドル(現在の価格で約31億600万ドル、3476億円※ともいわれる損失をフォード社に与えることになる。この「伝説的な失敗」は、なぜ起きたのか? 発表当時「市場もっとも多くの資本が投じられた消費財」とまで評されたフォードにとって30年ぶりになるニューモデルが辿った物語からは、いまも変わらない商品開発の陥穽があらゆるところから読み取れる。
※米国の消費者物価指数推移を勘案して推計した値。$1=110円として計算。
第2章
Xerox, Xerox, Xerox, Xerox
ゼロックス、ゼロックス、ゼロックス、ゼロックス
商品は庶民に理解された途端に売れ始め、想像以上に飽きられず売れ続けるが――
当時は成功の物語として語られたエピソードかもしれないが、半世紀以上を経た現在から見ると、パーソナルコンピューターやインターネットの全盛の時代に乗り切れなかった企業風土を垣間見せてくれる。1970年には、パロアルト研究所を設立。アラン・ケイを中心としたチームが77年頃までにはその後のコンピューターの常識となったGUIを開発、さらにイーサネットの実用化にも成功し、スティーブ・ジョブスやビル・ゲイツにまで多大な影響を与えた。にもかかわらず、アップルにもマイクロソフトにもなれなかった企業の事情とは?
第3章
The Last Great Corner A company called Piggly Wiggly
最後の買い占め――メンフィスの英雄、かく戦えり
ブル(買い方)とベア(売り方) 100年を経ても変わらない取引の力学
2021年1月、SNS「レディット」のフォーラム「ウォールストリートベッツ」に参加していた個人投資家たちがテキサス州のビデオゲーム小売りチェーン「ゲームストップ」株を暴騰させ、空売りを仕掛けていたニュヨークの巨大ファンド、メルビン・キャピタルに推定45億ドル(約4800億円)もの損失を与えた、いわゆるゲームストップ・ショックが起きた。このときメルビンが空売りに伴うマージンコールに耐えられず、市場から高値で株を買い戻しポジションを手仕舞うしかなかったことが、損失を増大させた一因といわれている。本章で描かれるのは、100年あまりの時を経てなお、変わらぬパワーゲームが続いていることを気付かせてくれる物語だ。
ほか。
著者略歴―――――
[著] ジョン・ブルックス John Brooks 1920-1993 長らく雑誌『ニューヨーカー』のスタッフ・ライターを務め、特に”The GO-GO years”と呼ばれた1960年代のウォール街を、金融の豊富な知識とくだけた文体で描き出す独特のスタイルで人気を集めた。銀行家や株式仲買人らからの実地の聞き込みに現場で交わされる専門用語を交えながら、その時々の市場で起きていることを描くコラムが一世を風靡した。本書の底本となった『Business Adventures』は、そのような手法で書かれた連載をまとめた書籍として1969年に出版された、ビジネス書の古典といわれる名著。
[訳] 須川綾子 すがわ あやこ 翻訳家。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。訳書に『習慣超大全』『人生で一番大事な 最初の1000日の食事』『13歳から知っておきたいLGBT+』『レジリエンス 復活力』(いずれもダイヤモンド社)、『子どもは40000回質問する』(光文社)など多数。
[漫画] 近藤たかし こんどう たかし 漫画家。1971年生まれ。1999年、オースパージャンプにて『エール』でデビュー。村上もとかに師事し、主に時代劇や歴史漫画を執筆。現在は学術系のコミカライズを中心に活動している。著書に『銀座レッスン』全2巻(ヤングジャンプコミックス)、『漫画版 論語と算盤』『政談』『純粋理性批判』『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』(以上、講談社)など。
[書籍仕様]
『ビジネスの失敗学 ビジネス・アドベンチャーズ』
ジョン・ブルックス 著 須川綾子 訳 近藤たかし 漫画
◯ソフトカバー 本文224P
◯定価 本体1500円(税別)
◯発売日 11月4日
◯発行元 講談社
◯電子書籍も同時発売
ISBN978-4-06-521624-8
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