航空宇宙用の最先端電子材料が宇宙曝露に向け出発~「スペースデリバリープロジェクト」に参画
パナソニック インダストリー株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役 社長執行役員・CEO:坂本真治)は、研究対象品などを宇宙空間に打上げ、国際宇宙ステーション「きぼう」の船外実験プラットフォーム上で宇宙空間に曝露した後、地球に帰還させる「スペースデリバリープロジェクト~RETURN to EARTH~」[1](Space BD株式会社主導)に参画し、航空宇宙用電子回路基板材料・実装補強材料の宇宙曝露実験[2]を開始します。
2023年3月15日 午前9時30分(日本時間)、当社の実験サンプルを搭載したカーゴドラゴン(ミッション名:SpaceX CRS-27)が米国フロリダ州 ケネディ宇宙センターから国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられました。実験サンプルはISS「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォーム[3]上の曝露実験装置に搭載後、約3か月間宇宙空間に曝露されます。
今回の実験では、業界最高水準の技術を保有する当社が開発し、航空宇宙用途に応用する最先端の電子材料を選定し、地球上では再現することが困難な宇宙空間(微小重力・高真空・宇宙放射線・広範囲での温度変化が同時に起こる環境)に曝露させることで、当社製品に与える影響を確認し、今後の商品開発に活用します。
当社は、今後市場拡大が予想される月・火星利用によるビジネスや空飛ぶ基地局(HAPS)[4]等の技術革新に対して、電子材料分野で長年培ってきた技術開発力と商品提供で貢献します。
<当社実験サンプル搭載場所>
<宇宙曝露実験 当社対象商品>
低伝送損失多層基板材料「MEGTRON」シリーズ
https://industrial.panasonic.com/jp/products/pt/megtron
高周波基板材料「XPEDION」シリーズ
https://industrial.panasonic.com/jp/products/pt/xpedion
高耐熱・低膨張多層基板材料「HIPER-V」
https://industrial.panasonic.com/jp/products/pt/megtron/hiperv
フレキシブル基板材料「FELIOS」シリーズ
https://industrial.panasonic.com/jp/products/pt/felios
半導体パッケージ基板材料「LEXCM GX」シリーズ
https://industrial.panasonic.com/jp/products/pt/lexcm-gx
二次実装補強材アンダーフィル「LEXCM DF」シリーズ
https://industrial.panasonic.com/jp/products/pt/assy-em
<今後の予定>
・2023年3月15日
ISSに向け打上げ完了
船外実験プラットフォームにて約3か月間、宇宙空間に曝露
・2023年度中
ISS船内に回収され、補給船で地球に帰還予定
帰還後、宇宙空間曝露前・後での材料特性の変化を評価開始
【関連情報】
プレスリリース(2022年6月22日発信)
・航空宇宙用最先端電子材料開発に向けた宇宙曝露実験を実施
https://news.panasonic.com/jp/press/jn220622-1
・<宇宙曝露実験> 最先端電子材料がSpaceXと共に出発、宇宙ビジネスへの新たな挑戦
https://www.panasonic.com/jp/industry/technology/space-exposure-experiments.html
【製品に関するお問い合わせ】
パナソニック インダストリー株式会社 電子材料事業部
https://industrial.panasonic.com/cuif/jp/contact-us?field_contact_group=2201
パナソニック インダストリー株式会社 電子材料のご紹介
https://industrial.panasonic.com/jp/electronic-materials
パナソニック インダストリー株式会社
https://www.panasonic.com/jp/industry
<参考情報>
スペースBD株式会社
https://space-bd.com/
【用語説明】
[1]スペースデリバリープロジェクト
Space BD株式会社が主導。ISS「きぼう」日本実験棟にある中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)に搭載する小型簡易曝露実験装置(ExBAS/JAXAと共同開発)を活用したプロジェクト。対象品の選定・打上げ・地上回収までの様々なサポートを実施。
[2]国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォーム
地上から約400 km上空に位置する国際宇宙ステーション内「きぼう」日本実験棟の船外にある、宇宙空間にさらされた実験スペース。科学観測、地球観測、通信、理工学実験および科学実験等が可能。
[3]宇宙曝露
微小重力、宇宙放射線、高真空など宇宙環境特有の空間にさらすこと。地上ではこれらの環境を同時に再現することは難しい。
[4]HAPS
High-Altitude Platform Station:高高度プラットフォームの略。上空約20 kmの成層圏に飛行させた無人航空機にLTEや5G等の通信基地局を搭載し、広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称。災害にも強く、上空を含む3次元空間エリアへの通信サービスの提供を実現できる点から山岳部や離島など通信ネットワークが未整備の場所や地域を広くカバーし、情報格差解消の一助となることが期待されている。
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