ガラス扉冷蔵庫からガラス板のみを分離する「レーザー剥離装置」を開発

パナソニックグループ

パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)と、西日本家電リサイクル株式会社(以下、NKRC)は、サーキュラーエコノミーの取り組みとして、ガラス扉冷蔵庫のリサイクル工程において、ガラス扉からガラス板をレーザー光で剥離する装置を開発しました。

家電リサイクル法が2001年4月より施行されて以降、リサイクル工場には数多くの使用済み家電が持ち込まれています。その中でも冷蔵庫は年間約334万台(※1)が持ち込まれ、人の手による分解と大型設備による破砕や素材の特性に合わせた専用選別装置などを組み合わせることで素材としての純度を高め、有用な資源を回収しています。

2008年以降、家電メーカー各社は冷蔵庫の扉部分にガラスを採用したモデルを発売しています。このガラス扉冷蔵庫は、ガラスとその他の素材との分別が困難なため、今後、買い替え時期を迎えるガラス扉冷蔵庫の排出量が大幅に増加することが想定される中で、多くのリサイクル工場では、ガラス扉のリサイクル処理が大きな課題になると考えられています。

パナソニックHDは、2019年からレーザー加工技術をリサイクル分野に活用する研究開発活動を開始し、2022年にガラス扉のガラスを透過するレーザー光を用いてガラス裏面の有機塗料を炭化させることで、ガラス板のみを剥離可能にするレーザー剥離工法を開発し(※2)、レーザー剥離工法の社会実装に向けた取り組みを進めていました。一方、NKRCは、廃ガラス扉冷蔵庫量の増加による破砕機へのダメージを避ける目的で人の手によるガラス板の解体を行っていましたが、剥離作業による切創等災害リスクの低減と今後予想される廃ガラス扉冷蔵庫の増加に備えて分解工程の自動化の取り組みを検討していました。ガラス剥離工程の自動化を目指していきたいといった両者の想いが一致した結果、2023年よりレーザー剥離装置の開発に向けた協業を開始しました。NKRCが検証エリアと剥離用冷蔵庫扉の提供、実際に検証機を使用しての課題抽出と改善提案を行い、パナソニックHDが課題解決と改善提案に基づく作業性向上と安全対策を装置設計に反映させて装置化を行いました。

開発した装置は、冷蔵庫のガラス扉からガラス板のみを選択的に剥離できることが特長であり、簡便なリサイクル工程でガラスの単一素材化が実現できます。剥離したガラスは板状でかつ付着した炭化物は容易に除去できるため、ガラスの再利用拡大にも繋がります。

2026年度までにリサイクル工場への導入を目指して協業を進め、完成度の向上を図っていきます。今後、パナソニックHDは、レーザー剥離装置のリサイクル工場への普及を進めるとともに、レーザー剥離技術の社会実装に向けた用途開発を進め、製品分解リサイクル技術を通して持続可能社会の実現に向けた企業活動を推進していきます。NKRCは、冷蔵庫に留まることなく、使用済みの家電製品の廃棄物量削減とリサイクル率の向上に向けた取り組みを継続して推進していきます。

<特長>

1. ガラス扉冷蔵庫からガラス板のみを分離可能な「レーザー剥離装置」を開発

2. ガラスと他の素材(樹脂やウレタンなど)との分別処理が容易に可能となり、単一素材とすることで、再利用先の拡大へ貢献

3. 本体フットプリント約2.5 m x 1.5 m、電力とエアがあれば稼働するため設置場所を選ばない

※1 2023年度の台数(出典:一般財団法人 家電製品協会年次報告書)

※2 [プレスリリース]ガラス扉冷蔵庫からガラス板のみを分離する「レーザー剥離工法」を開発(2022年11月9日)

https://news.panasonic.com/jp/press/jn221109-1

【お問い合わせ先】

・パナソニック ホールディングス株式会社 コーポレートR&D戦略室 技術広報担当

Email:crdpress@ml.jp.panasonic.com

・西日本家電リサイクル株式会社 管理部 総務グループ

Email:nkrc-info@nkrc.co.jp

全文は以下プレスリリースをご覧ください。

▼[プレスリリース]ガラス扉冷蔵庫からガラス板のみを分離する「レーザー剥離装置」を開発(2025年6月4日)

https://news.panasonic.com/jp/press/jn250604-2

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会社概要

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URL
https://holdings.panasonic/jp/
業種
製造業
本社所在地
大阪府門真市大字門真1006番地
電話番号
06-6908-1121
代表者名
楠見 雄規
上場
東証プライム
資本金
2590億円
設立
1935年12月