【外国語を学ぶことの真の利点】ノースウェスタン大学・心理学教授ビオリカ・マリアンの最新「言語心理学」研究
『言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?』2023年12月21日(木)発売
自分では1つの言語しか話せないと思っていても、実際のところ人間の脳は、複数の言語を操るように設計されている――著者のビオリカ・マリアンは、その事実を明らかにしました。
スペイン語を話す人もいれば、日本語を話す人もいます。それと同じ意味で、「詩」という言語を話す人もいれば、「数学」という言語に堪能な人もいます。しかし、ここでもっとも大切なのは、複数の言語を話す能力によって創造性の扉が開かれ、脳の健康や、認知をコントロールする力も手に入るということです。そして、複数の言語を話せるようになりたいのなら、今この瞬間から始めることができます。
新しい言語を獲得するたびに、情報をどう受け取り、どう解釈するかということが影響を受けます。何を覚えているか、自分自身と周りの世界をどうとらえるかということ、さらには感情、洞察、意思決定、行動も、話す言語から影響を受けます。情報を整理、処理、構築するときも、言語は欠かせないツールであり、だからこそ大きな進歩を起こす力にもなります。『言語の力』は、数多くの科学的な研究を検証し、新しい言語を学ぶことの利点を紹介しています。
外国語を学ぶことの真の利点
■アルツハイマー病やその他の認知症の発症を4年から6年遅らせ、「認知予備能」(脳が認知症の状態になっていても、症状が出にくい状態のこと)を強化します。
■子どもが第二言語を学ぶと、言葉をより俯瞰的にとらえるスキルが手に入り、ひいてはより高度なメタ認知プロセスや、合理的思考を鍛える基礎を固めることができます。
■生涯を通じて見ると、2つ以上の言語を習得することは、脳の実行機能の向上につながり、大切なものに集中し、そうでないものを無視するのがより簡単になります。
■創造性とダイバージェント思考(幅広く考えることで創造的な発想につながるような思考)を用いるタスクのスコアが向上します。
■母語以外の言語を使うと、より論理的で、より社会全体のためになるような意思決定を行う可能性が高くなります。
世界で話題
・ネクスト・ビッグ・アイディア・クラブの「文章と言語の不思議を解き明かす7冊」に選定。
・『Behavioral Scientist』の「2023年夏の本」の1冊に選定。
・『ワシントン・ポスト』『サイコロジー・トゥディ』『リテラリー・ハブ』など多数のメディアで紹介。
「ChatGPTの翻訳はますます巧みになっていくだろう。そんな時代に、外国語を学習する意味は何か」
――今井むつみ(慶應義塾大学環境情報学部教授)
「言語が変わると認知はどこまで変わる? 衝撃の研究成果がこれでもかと挙げられ、驚きっぱなしだった」
――水野太貴(ゆる言語学ラジオ)
「この本を読んだ後は、言葉の見え方も、聞こえ方もかわるだろう――そして人間の脳の偉大さに深い感銘を覚えるに違いない(それに加えて、新しい言語を学びたくなるというボーナスもある。それはスウェーデン語かもしれないし、スペイン語、あるいはスワヒリ語かもしれない!)。ビオリカ・マリアンは、言語の科学を学ぶのに欠かせない本の著者として、スティーブン・ピンカーやジョージ・レイコフと肩を並べる存在になった」
――ダニエル・H・ピンク 『モチベーション3.0』、『When 完璧なタイミングを科学する』(ともに講談社)、『後悔の力(The Power of Regret)』著者
「言語に興味があるか、あるいは複数の言語を話すかどうかに関係なく、どんな人もこの本から多くを学ぶことができる。とてもわかりやすく、綿密な研究に裏打ちされた良書だ」
――ハワード・ガードナー ハーバード教育大学院教授、『精神の枠組み(Frames of Mind)』 著者
「言語に関する独創的で、新鮮で、力強い視点を提供する本。今後の言語と脳に関する研究を形づくる存在になるだろう。この本が注目するのは、脳が言語に与える影響ではなく、むしろ言語が話者の脳に与える影響だ。そして、脳内に複数の言語が存在することが、個人にとって、さらに社会全体にとってどんな結果をもたらすのかという、もっとも重大な問いへの答えも提供してくれる」
――ジェリー・T・M・アルトマン 『そびえ立つバベルの塔(The Ascent of Babel)』著者
「ページをめくる手が止まらなくなる本。自分の中に眠るスーパーパワーを探す旅に出発しよう!」
――モーテン・クリスチャンセン コーネル大学心理学教授、『言語はこうして生まれる』(新潮社)著者
「第二言語を学ぶことの利点をすべて教えてくれる本。マリアンは、明快な文章、洞察に満ちたアナロジー、そして巧みなユーモアを駆使し、バイリンガルの科学をわかりやすく教えてくれる」
――マイケル・J・スパイビー カリフォルニア大学マーセド校認知科学教授、『あなたは何者か(Who You Are)』、『精神の連続性(The Continuity of Mind)』著者
「著者のビオリカ・マリアンは、その豊かな研究実績、幅広い科学的知識、そして読者の興味を惹きつけるストーリーテリングの技術を駆使して、ある意味でもっとも人間的な認知能力——すなわち言語——の謎を解き明かす。この本を読めば、あなたはさらに向上できる」
――シモン・エデルマン コーネル大学心理学教授、『精神を計算する(Computing the Mind)』著者
書誌詳細
書名:言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?
著者:ビオリカ・マリアン
監訳・解説:今井むつみ
訳:桜田直美
定価:2,200円(本体2,000円+税)
発売日:2023年12月21日(木)
判型:四六判
ページ数:392ページ
ISBN:978-4-04-606377-9
発行:株式会社KADOKAWA
KADOKAWAオフィシャル 書誌詳細ページ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322303000791/
著者プロフィール
ビオリカ・マリアン
ノースウェスタン大学ラルフとジーン・サンディン寄付基金教授。コミュニケーション科学と障害学部、および心理学部の教壇に立つ。2000年から同大学の「バイリンガリズムと心理言語学研究室」で主任を務める。母語はルーマニア語で、ロシア語はほぼ母語と同等に話し、英語も堪能。アメリカ手話、広東語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、日本語、マンダリン、ポーランド語、スペイン語、タイ語、ウクライナ語など、さまざまな言語の研究に携わってきた。アメリカ国立衛生研究所、アメリカ国立科学財団、ノースウェスタン大学、その他民間財団の援助を受け、バイリンガルの言語処理の構造と、複数の言語を話すことが認知機能、発達、脳に与える影響に関する研究を行っている。
監訳・解説:今井むつみ(いまい むつみ)
慶應義塾大学環境情報学部教授。1989年慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。94 年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。専門は認知科学、言語心理学、発達心理学。主な著書に『ことばと思考』『学びとは何か─〈探究人〉になるために』『英語独習法』(すべて岩波新書)、『ことばの発達の謎を解く』(ちくまプリマー新書)など。共著に『言語の本質─ことばはどう生まれ、進化したか』(中公新書)、『言葉をおぼえるしくみ─母語から外国語まで』(ちくま学芸文庫)、『算数文章題が解けない子どもたち』(岩波書店)などがある。
訳:桜田直美(さくらだ なおみ)
翻訳家。早稲田大学第一文学部卒。訳書に『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』『アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書』(共に、SB クリエイティブ)、『ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「科学的」に頭をよくする方法』(かんき出版)、『世界最高のリーダーシップ「個の力」を最大化し、組織を成功に向かわせる技術』(PHP 研究所)、『The Number Bias 数字を見たときにぜひ考えてほしいこと』(サンマーク出版)などがある。
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