「『ダイバーシティ経営』~働き方からみた多様性の受容」ダイバーシティが浸透している職場は2割を下回る。浸透している職場のうち6割がこの2~3年の業績は良好であり、女性の多くが活躍。
ワークスタイル変革シリーズ~「働き方に関する調査」
少子高齢化が加速する日本では、改正高年齢者雇用安定法や女性管理職の登用など、国は企業に対してダイバーシティ経営を求めるとともに、各種制度等の整備を求めています。企業は、人件費の増大に悩みながらも、国からの要請ならびに社会的な要請に応えるため、各種制度の導入を進める一方で、働く側の職業観や価値観の多様化が進み、各種制度の導入だけでは、多様な人材の活用が難しくなっています。
そこで、ダイバーシティ経営を推進するうえでの参考となるよう、「働き方からみた多様性の受容」をテーマに調査を行いました。
▼ワークスタイル変革シリーズ~「働き方に関する調査」
「ダイバーシティ経営」~働き方からみた多様性の受容 結果はこちら
http://www.keieiken.co.jp/aboutus/newsrelease/131212/index.html
【主な調査結果】
1. 多様な職業観
■ 現在の仕事にやりがいを感じている人は、約6割。年齢を重ねるほど、現在の仕事に「やりがい」を感じる割合は高くなり、39歳以下で「やりがい」を感じている人は5割程度であるが、60歳以上になると8割を超える。
■ 60歳を超えて働きたい人は、6割以上。65歳くらいまで働きたい人が、約3割。70歳くらいまで、働けるうちはいつまでも働きたいと回答した人は、約3割に達する。
図表1:いつまで働きたいか (N=1,308)
■ 50歳~54歳に到達したときに、「現在の会社で、50歳前と変わらない役割を担って、活躍し続けたい」(50歳前と同じ役割)人が約5割、「現在の会社で、責任範囲や業務量を限定して、過去の経験や知識を活かして、力を発揮したい」(責任範囲や業務量が限定された役割)は1割。55歳~59歳は「50歳前と同じ役割」が約3割を占め、「責任範囲や業務量が限定された役割」は、約2割になる。
■ 育児・介護中の働き方として、テレワーク制度等を利用して、場所や時間にとらわれずに、業務内容や業務量を変えない働き方をしたいと回答した人が最も多く、約2割を占める。
2. ダイバーシティ推進と職場の実態
■ ダイバーシティが浸透している職場は、2割を下回る。
図表2:ダイバーシティの浸透状況 (N=1,308)
■ ダイバーシティが浸透している職場は、自身の職場の業績が良好と回答する人が全体と比べて約30ポイント多く(62.9%)、職場で女性が活躍していると回答する人も約25ポイント多い(59.5%)。
図表3:ダイバーシティ浸透職場の状況
3.多様性の受容
■ 6割を超える人が、50歳代前半の人に対して、「50歳前と変わらない役割とミッションを担って活躍し続けてもらいたい」と考えている。「50歳前と変わらない役割とミッションを担う」場合の納得感ある処遇水準は、約5割が500万円以上1,000万円未満。責任範囲を限定した役割では、約4割が400万円以上700万円未満を支持している。
■ 約4分の1の管理職が育児・介護中の働き方として、職場の負担があっても、本人が働きやすいように、短時間勤務制度を利用して働き続けてほしいと回答。加えて、介護中の社員に対しては、約2割の管理職が状況に応じた休職制度、短時間勤務、テレワークを組み合わせてもらってよいと考えている。
■ 4割以上の女性が、職場で女性が活躍していると感じている一方で、男性は5割以上が女性は活躍していないと感じている。回答者の3割以上が、女性は男性に比べて体力がないため、激務に向かないと感じ、約4分の1は、出産育児などで辞めてしまうので、育成することは無駄と感じている。
図表4:「女性活躍への認識」~職場の女性の多くが活躍している<性別>
図表5:女性に対する感じ方 (N=1,308)
■ 50歳以上の4割の回答者が、職場で50歳以上が活躍していると感じている一方で、49歳以下の5割以上が、職場の50歳以上は活躍していないと感じている。回答者の4割近くの人が、50歳以上が働きぶりと比較して、給与水準が高いと感じ、約3割が自分の考えに固執するので、議論が噛み合わないと感じている。
図表6:「50歳以上の活躍」~職場の50歳以上の多くが活躍している<年齢別>
図表7:50歳以上に対する感じ方 (N=1,308)
4. IT関連の業務スキルに対する自己効力感とキャリア
■ 全体の8割近くが現在の業務に必要な知識や技術をもっていると回答している。
■ 業務に対する自己効力感は、IT関連業務と非IT関連業務は変わらない。一方で、「将来(5~10年後)に有効な知識や技術」については、【顧客向け】システム開発・設計等が、全体平均を約6.6ポイント下回る。
5 ダイバーシティ経営の必要性と日本社会
■ ダイバーシティ経営の推進が必要と回答した人は、約4割。「自社の喫緊の課題にはならない」と回答した人は、約3割。ダイバーシティ経営の推進が必要と回答した509人のうち、6割以上が「多様な顧客ニーズへの対応に多様な人材のアイディアが必要」と回答している。
■ 約6割が、10年後、20年後の日本の社会が「持続的な経済発展が期待できる社会」と男女が共同で家事・育児・介護等が担える社会になっていてほしいと回答。一方で、女性管理職比率が30%以上になるような女性活躍の推進を望む人は、5割を下回る。
図表8:10年20年後の理想的な日本社会 (N=1,308)
*商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
*本調査における言葉の定義
・テレワークとは:ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方
・IT関連業務とは:
-【社内向け】システム開発、情報システム企画・運用管理、Webサイト構築・管理
-【顧客向け】システム開発・設計、ソフトウェア開発、プログラミング、システム企画・設計、データベース構築、システム運用管理・サーバ管理、
Webサイト構築・管理、コンテンツ企画・制作
・ダイバーシティ経営とは:自社の競争力強化という目的意識を持って戦略的に、多様性を受け入れ、価値創造の拡大を目指す経営戦略
【調査概要】
1. 調査対象: NTTコム リサーチ(旧gooリサーチ) クローズド調査
2. 調査方法: 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間: 2013年11月12日~2013年11月15日
4. 有効回答者数:1,308人
5. 標本設計: 従業員規模10名以上、経営者・役員を含む雇用者(正社員)、20歳以上のホワイトカラー職種を対象。
なお、企業規模(10人以上500人未満と500人以上)、担当職種(IT関連職種と非IT関連職種)、役職(一般社員と管理職)は均等に割り付け。
【お問い合わせ先】
■ 報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
コーポレート統括部
井上、石渡
Tel:03-5213-4016(代)
E-mail: webmaster@keieiken.co.jp
■ 内容に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
情報戦略コンサルティング本部
シニアマネージャー 加藤(真)
シニアコンサルタント 稲葉
シニアコンサルタント 坂本
Tel:03-5213-4140(代)
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