本物の霧を使った展示も。シネマトグラファーJIN ITOの初写真展が渋谷で開催
第一線で活躍する映像クリエイターが集まり設立されたCONNECTION(本社:東京都渋谷区 )で、所属アーティストJIN ITOの初写真作品展が開催される。会期は2022年1月9日〜1月23日。
JIN ITOは1983年名古屋生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業後、株式会社ピクトを経て、田島一成、辻佐織、村上ヨシタカのアシスタントを担当。2015年1月にカメラマンとして独立し、活動を続けてきた。
今年に入ってからは、広告業界でもっとも優れたクリエイティブな広告作品を表彰する英国メディア「shots」主催『第1回 shots Awards Asia Pacific 2021』にて、「シネマトグラフィー(撮影)部門」金賞(最優秀賞)を受賞するなど、評価も高まっている。
初の個展となる本展では「人間にはなく、自然にはある1日に57秒間の空間」をテーマにした未発表のフィジカル作品を発表。JIN ITOはそのコンセプトとして、次のようなテキストを寄せている。
われわれが使っている暦は、地球が太陽のまわりを回る周期を基にしている。
正確な周期は、365日5時間48分45秒。
この5時間48分45秒の誤差は
うるう年を設け、暦のルールで合理的に調整している。
しかし自然の中ではどうだろうか?
自然の視点に立つと、暦という概念はない。
1年あたり5時間48分45秒。
1日あたり57秒。
人間との時間のズレが存在していく。
つまり自然には1日に57秒間、人間にはない時間が確かにあり、
ここに人間には見えない空間が存在するのではないだろうか?
この作品は57秒間の観測である。
コロナ禍の只中にあった2020年春、普段のムービーカメラではなくスチールカメラを構えたJIN ITO。撮影者にとって表現ができない時期を経て、何かを生み出す欲求が増幅していったという。
【本物の霧を使用した展示】
会場では、レンズと被写体との間にある何層もの空気や湿度や温度、その場の匂い、感覚など、
視覚化できないものをカメラを使って表現した作品を展示。
人間と自然の相反性を体感できるよう、14mもの長いテーブルの上にプールを作り、本物の霧を発生させる。
身体的な感覚で体感出来るコンセプチュアルな展示内容になっている。
【事前展示レビュー紹介(一部抜粋)】
いのちの星の光
後藤繁雄 アートプロデューサー/京都芸術大学教授
生命は、それぞれが固有の時間を持っている。いや、持っていると言うよりも時間を生み出しながら生きているのだ。
写真家は、時間の科学者でありアーティストである。JIN ITOは写真の仕事を通して、しかし「写真の根源」に降りていくことができた稀有な存在だと思われる。
彼は写真を時間の装置として使い、人類がルールとしてきた時間と宇宙/自然の時間のズレ(一日に57sec)をアート作品として提出する。
それはアウトプットとしては、写真作品というヴィジブルなものであるが、その背景には「生」の時間にアタッチし、生体の時間を見直そうというインヴィジブルでコンセプチュアルでな企てがある。ここが重要だ。
しかし、だからと言ってJIN ITOの作品『57sec』は、頭でっかちなものではない。
柔らかな、流体のような色や空間の中に、見る人は誘われていくだろう。
その時に人は、生命の声を聞くだろう。
JIN ITOが採取したこれらの光は、教えてくれる。このスケープが、実はいのちが発するものの精華であり、荒涼とした宇宙空間の星々を焼き尽くす恒星の光ではないということを。
そう。
ここに我々が写真として見ているものが、「いのちの星」の光であるということを。
【開催概要】
名 称:JIN ITO PHOTO EXHIBITION 『57sec』
会 期:2022年1月9日(日)~23日(日)12:00~19:00(※最終日は18:00まで)
会 場:CONNECTION(東京都渋谷区東1-29-3渋谷ブリッジB棟 2F)
http://cnct.work/about/
アクセス:渋谷駅 徒歩6分 、東急東横線代官山駅 徒歩6分
入場料:無料
U R L :http://cnct.work
http://cnct.work/news/photo-exhibition-by-cinematographer-jinito/
主 催:株式会社haku
協 力:コネクション株式会社
※天候等の事情により、開催中止・一部内容や時間が変更になる場合がございます
※感染症拡大防止の観点により開催中止・一部内容や時間が変更になる場合がございます
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