新しいシルク産業の創出に向けスマート養蚕&シルク原料抽出加工の一気通貫工場が愛媛県で稼働開始
フードテックとバイオ医薬支援産業に注力
ユナイテッドシルク株式会社(愛媛県松山市/代表取締役社長:河合崇)は、社会福祉法人来島会(愛媛県今治市/理事長:越智清仁)と連携し、新しいシルク産業の創出、並びに障がい者の就業機会の創出に向け、来島会の所有する土地・建物を利用して、年間50万頭を生産する「カイコ大量飼育装置 MayuFacture®(※1)」、並びに「シルク原料加工設備(※2)」を備えた工場を2022年5月16日より稼働開始、同年5月30日に開所式を執り行いました。蚕の飼育から原料抽出までを行う一気通貫工場の設立は、国内外において先進的な取り組みとなります。
シルクは“繊維の女王”とも呼ばれ、日本の経済成長を牽引してきた重要な基幹産業でしたが、この四半世紀で最盛期の生産量の約95%減と、このままでは国内から養蚕業が失われてしまうかもしれない危機に直面しています。一方、昨今の技術進歩により、シルクを従来の繊維素材としてのみならず食品、化粧品、そして医療など、多分野を横断したバイオマテリアルと捉えた研究が推進され、多くの期待が寄せられています。
今回、松山市・今治市の拠点に、年間50万頭を生産する「カイコ大量飼育装置 MayuFacture®」、並びに「シルク原料加工設備」を備えた工場を竣工し、蚕の飼育から原料抽出までを行う一気通貫体制を実現しました。工場の中核となるMayuFacture®は、新菱冷熱工業株式会社(東京都新宿区/代表取締役社長:加賀美猛)によって開発されました。当工場の運用により、資源・環境対策に活用できる蚕のバイオテクノロジー基盤を構築し、フードテック、ヘルステック、メディテックの3つのテック分野において、新たなシルク産業を創出していきます。
また、持続可能な社会の実現において、シルクはサステナブルな素材として改めて注目されています。繭から取ることができる糸はもちろん、良質なタンパク質(昆虫食等)として活用することができ、素材を余すところなく使うことができる、人にも地球環境にも優しい素材です。シルクを活用し、地域から発信するソーシャルインパクトの創出を目指していきます。
<特長>
1、スマート養蚕での生産効率向上(年間 50 万頭以上の蚕・繭の生産規模)
2、蚕の飼育から原料抽出までを行う一気通貫体制を実現
3、バイオテクノロジー基盤を構築し、新蚕業創出(食品、化粧品、医療分野 等)へと展開
※1)MayuFacture®
養蚕農家の高齢化に伴い失われようとしている、日本の養蚕業の高度な飼育管理のノウハウを工業的に再現した飼育装置で、生産性を大幅に向上させることができます。5~10月に限られていた蚕の飼育を、年間を通して行うことができ、また、クリーンな環境で飼育することで病気発生のリスクを抑えることができます。
※2)シルク原料加工設備
シルクは、18種のアミノ酸で構成されるフィブロインというたんぱく質が主成分です。繭からフィブロインを抽出するための当社独自の加工技術を確立し、「シルク水溶液」と「シルクパウダー」を精製しています。シルクは繊維以外の用途で機能性研究が進んでおり、食品や化粧品、さらにはバイオ医薬の原材料として活用することができます。
● ユナイテッドシルク株式会社について
ユナイテッドシルク株式会社は、「シルクの力で、新しい未来を実現する」ことを目指し、シルクの可能性を広げ、食品、化粧品、そして医療等のあらゆる分野で活用していくための技術革新に取り組んでいます。現在は、愛媛県松山市・今治市において、スマート養蚕&シルク原料抽出加工までを行う一気通貫体制を実現しています。
オフィシャルサイト:https://united-silk.co.jp/
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