【“麹肉”初のお披露目】 環境負荷の少ない麹菌による代替肉、クラファンサポーターを招いて試食会を開催

株式会社麹ラボ

株式会社麹ラボ(本社:茨城県つくば市、代表取締役:萩原大祐、以下、麹ラボ)は、2025年6月22日(日)に東京都内の自然食レストラン「元氣亭」で、昨年9月に実施したクラウドファンディングのサポーターを招いて、麹菌を使った代替肉(麹肉)の試食会を開催いたしました。

 

 

◾️麹菌の代替肉(麹肉)を開発する課題意識

―なぜ”麹肉”が必要となるのか?

 

畜肉の生産は地球環境への負荷が大きいことから、畜肉に代わる代替食品の開発が進み、大豆などから製造する植物性代替肉の製品が増えています。持続可能社会へと向かうには、より多くの消費者が代替食品を日々の食生活に取り入れることが必要ですが、そのためには、これまでにない魅力を備えた代替食品を選択肢として提供する必要があります。

 

そこで麹ラボでは、日本の伝統的な発酵微生物である麹菌に目をつけました。

 

麹菌はキノコと同じく菌類の仲間であり、その増殖速度はキノコ菌よりも速いことが特徴です。そのため、環境負荷を抑えて効率よく菌体(※1)を生産することが可能です。また、麹菌の菌体には多数のうま味成分が含まれていて、タンパク質量も豊富(40-60%)であることから、栄養学的にも優れた食材になると言えます。

 

このような理由から、増殖させた麹菌の菌体を代替肉として利用する”麹肉“の実現を目指して開発を進めてきました。

 

 

◾️麹菌の菌体を使った試作開発

―株式会社玄米酵素との出会いと取り組み

 

麹ラボの代表取締役である萩原は、筑波大学在籍時(当時は准教授)の2021年に麹菌の代替肉研究に取り組みはじめました。当初から、酒粕のような食品副産物を麹菌にとっての栄養源に利用することで、資源循環に根差した菌体生産の実現を目指してきました。その他に、焼酎粕(大麦発酵液)を利用した生産方法についても検討を重ねています。

 

2022年からは株式会社玄米酵素(以下、玄米酵素)の協力を仰ぎ、実際に生産した麹菌の菌体が料理メニューとして利用可能か検討を加速させました。玄米酵素が運営する自然食料理教室「エコロクッキングスクール」の管理栄養士チームによる試作を重ね、麹菌菌体の特徴にあった使い方を考案するに至っています。

 

 

◾️一般の方を交えた初の試食会を開催

―クラウドファンディングを機につながる麹肉の輪

 

2024年9月に、学術系クラウドファンディングプラットフォーム「academist」(https://academist-cf.com)を利用して活動資金を得られたことから、同年12月に麹ラボの会社設立に至りました。クラウドファンディングでは、サポーターへのリターンの一つに「試食会への参加」を設定したことから、サポーターを招待する形で今回の試食会を開催しました。

 

これまでにも麹菌菌体を用いたメニューを試作してきましたが、いずれも関係者による試食にとどまっていました。したがって今回の試食会は、一般の方が試作メニューを味わっていただく初めての機会となりました。

 

いずれの参加者も、麹菌の代替肉に強い興味を持っていたことから、麹ラボや玄米酵素の関係者とだけでなく、参加者の間でも麹菌や試作メニューに関する談議に花が咲いていました。

 

なお今回の試食会は、玄米酵素が運営する自然食レストラン「元氣亭」(東京都墨田区両国3丁目24-10 エコロビル2F)を会場として使わせていただきました。

 

開催日:2025年6月22日(日)

開催場所:自然食レストラン「元氣亭」

参加人数:10名(+関係者)

◾️試作メニューとその評価

―参加者からの評価は非常に高く、今後の開発にさらに期待を寄せていただく結果となりました

 

今回の試食会で、玄米酵素により提供されたメニューは下記の4点です。

・ハンバーグ(2種類)

・青椒肉絲

・バーニャカウダーソース

・シーチキン風大根サラダ

ハンバーグ2種類(酒粕および焼酎粕で育てた麹菌菌体が含まれる)
麹菌菌体による青椒肉絲
麹菌菌体によるバーニャカウダソース
麹菌菌体によるシーチキン風大根サラダ

  

ハンバーグは、酒粕あるいは焼酎粕をもとに増殖させた麹菌の菌体を使用したものを用意しました。肉の食感や風味を残すために、麹菌菌体の他に一定量のひき肉を混合して調理しました。

 

イベント後のアンケートによると、今回用意したメニューに対する総合的な評価として、五段階評価で最も良い評価である「期待以上に美味しかった」をすべての参加者からいただきました。

メニュー別では、青椒肉絲が美味しかったと評価する参加者が最も多く、2種類のハンバーグの比較でも、味わいに違いが感じられたとの声がありました。

 

参加者の個別の反応としては、以下のようなコメントをいただきました。

「今まで食べた代替肉だと飽きてしまう味だったが、今回は変なにおいがないせいか、きつい味付けになっておらず美味しかった。」 

「麹菌の菌体、そのままの味を生かしたものでも、十分勝負できるメニューもたくさんあると思いました。ご馳走様でした。」 

 

【株式会社麹ラボについて】

当時筑波大学生命環境系の准教授であった萩原が2024年12月に設立したベンチャー企業。2025年2月に筑波大学発ベンチャーとして承認され、筑波大学と共同研究契約に基づき、麹菌の代替肉・代替タンパク質開発を共同で進めている。「人と地球が共存する未来」に向けて、微生物の力を最大限に活用することが鍵と考え、麹菌による革新的な代替肉の開発によりその実現を目指している。現在、生物系特定産業技術研究支援センター「スタートアップ総合支援プログラム(SBIR支援)」の支援を受けて研究開発を進めている。

 

【株式会社玄米酵素について】

昭和46年創業。玄米自然食や発酵食品などの日本の伝統食を基本にした食と健康の教育活動を通じて、健康自然食品の製造販売を行っている。国民の健康増進に貢献したく、セミナーや自然食料理教室を全国で開催、玄米自然食のレストランも運営。最近では、食と栄養を重視する医師・医療機関と連携した医学研究、医師によるセミナーなどの予防医療の活動にも力を入れている。

※1:菌体

菌類が増殖してできた細胞の集まりを菌体と呼ぶ。実際には、麹菌は微生物として目に見えないほどの細い細胞(数マイクロメートル:髪の毛の1/10ほどの太さ)でできており、それらが綿毛のように絡まり合った状態で増殖していく。最終的に、菌体は目に見えるレベルの塊まで増えていき、それらを集めて食材として使うことができる。なお、菌体の「味」を形成する成分は、おもにこの細い細胞の中に含まれている。綿毛のように絡まり合っている菌体の状態は、肉の繊維感に近い食感を生み出している。

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会社概要

株式会社麹ラボ

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URL
https://koji-labo.jp
業種
製造業
本社所在地
茨城県つくば市吾妻2-5-1 つくばスタートアップパーク
電話番号
-
代表者名
萩原大祐
上場
未上場
資本金
-
設立
2024年12月