【30代の約半数が通院中断を経験】働く世代に広がる「根管治療」の誤解とは “痛みが消えたら終了”が招く再発リスクと、歯を残すための正しい選択

根管治療を途中でやめると「再び痛む」「腫れる」「歯を失う」可能性も。通院継続の難しさと、世代別に異なる治療理解が明らかに

一般社団法人 ⽇本⻭内療法学会

一般社団法人日本歯内療法学会(所在地:東京都豊島区、理事長:柴 秀樹)は、30〜60代の根管治療経験者を対象に「根管治療における通院中断・再発リスクと働く世代の意識差」に関する調査を行いました。

働く世代にとって、歯の治療は「必要だと分かっていても後回しにしがち」な医療の一つかもしれません。

仕事や家庭の都合に追われる日々の中で、通院の時間を確保すること自体が負担となり、治療を途中で中断してしまうケースも少なくないのではないでしょうか。

特に、治療期間が長くなりやすい歯科治療では、痛みが落ち着いたことをきっかけに通院の優先度が下がることも考えられます。

しかし、そうした判断は本当に問題ないのでしょうか。

治療を最後まで受けなかった場合、歯の健康や将来的なリスクにどのような影響があるのかを正しく理解している人は多くないかもしれません。

そこで今回、一般社団法人日本歯内療法学会https://jea-endo.or.jp/)は、歯の神経を取る治療経験のある30代から60代を対象に、「根管治療における通院中断・再発リスクと働く世代の意識差」に関する調査を実施しました。

調査概要:「根管治療における通院中断・再発リスクと働く世代の意識差」に関する調査

【調査期間】2025年12月16日(火)~2025年12月17日(水)

【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査

【調査人数】1,020人

【調査対象】調査回答時に歯の神経をぬく(取る)治療をしたことがある30代~60代と回答したモニター

【調査元】一般社団法人日本歯内療法学会(https://jea-endo.or.jp/

【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

働く世代の通院の難しさと背景

歯科治療における通院の負担感は、年代によって異なる可能性があります。

はじめに、治療を続けること自体の難しさについて確認しました。

「歯の治療中に『通院を継続することが難しい』と感じたことはあるか」について尋ねたところ、30代では「よくある」「ときどきある」と回答した人が約7割にのぼり、40~50代では約6割、60代では約4割と、年代が上がるにつれて通院を継続することが難しいと感じる方の割合は低下する傾向が見られました。

特に30代では、仕事や家庭との両立による時間的制約が通院継続の障壁となっていると推測されます。

一方、年代が上がるにつれて「難しいと感じない」とする割合が増えており、生活リズムや通院への優先度の違いが影響していると考えられます。

では、通院が難しいと感じた背景には、どのような要因があるのでしょうか。

前問で『よくある』『ときどきある』と回答した方に、「『通院を継続することが難しい』と感じた理由」について尋ねたところ、年代別で以下のような結果になりました。

30代では、『診療時間に間に合わない』が約6割おり、次いで『仕事が忙しい』が約半数で、診療時間帯そのものが通院の大きな障壁となっている様子がうかがえます。

40代では、『仕事が忙しい』『診療時間に間に合わない』がともに約6割と高く、仕事と診療時間の両立が通院継続の大きな障壁となっている様子がうかがえます。

50代では、『仕事が忙しい』が最多である一方、『通院そのものが面倒』や『費用の負担が大きい』も上位に挙がっており、時間的要因に加えて、通院に対する負担感や心理的ハードルが影響し始めている可能性が示されました。

60代では、全体として回答割合は他の年代より低いものの、『歯科医院の施術が苦手』『通院そのものが面倒』といった項目も選択されており、通院を続けにくい理由は年代によって異なる可能性が示されています。

治療の中断経験とその影響

ここからは、治療中断をしたことがあるかうかがいます。

「治療通院期間中、歯の痛みがなくなったタイミングで通院を中断した経験があるか」について尋ねたところ、歯の痛みがなくなったタイミングで通院を中断した経験が「ある」と回答した人の割合は、30代で約半数と最も高く、40代で約4割、50代で約3割、60代で約2割と、年代が上がるにつれて低下する傾向が見られました。

特に30代では、痛みが解消された段階で治療を終えたと自己判断している方々が存在している可能性があります。

一方、年代が上がるにつれて「通院を中断したことはない」と回答する人が増えており、症状の有無だけでなく、治療完了まで通う意識の違いが影響している可能性が示されています。

では、治療をやめたことで、どのような問題が起きたのでしょうか。

前問で『ある』と回答した方に、「通院をやめたあと、どのような問題が発生したか」について尋ねたところ、全世代で『再び痛みが出た』が最多となりました。

しかし、その割合は年代が上がるほど低下しており、若年層ほど通院中断後に痛みとして自覚する傾向が見られます。

また、『腫れ・膿が出た』も30代が約4割、40代が約3割と比較的高く、中断後のトラブルが痛みだけに限られない可能性が示されています。

痛みが落ち着いた段階で通院をやめても、痛みの再発や腫れなどを経験している点を踏まえると、「症状が引いた=治療が完了した」と捉えやすいタイミングにこそ、治療継続の重要性を具体的に伝えることが有効かもしれません。

世代による根管治療の理解の差

では、そもそも「根管治療」に対する認知度はどうでしょうか。

「『根管治療』を受けたことがあるか」について尋ねたところ、「根管治療を受けたことがある」と回答した割合は30代が最も高く、年代が上がるにつれて低下する結果となりました。

一方で、50~60代では『わからない』と回答した割合が4割~5割と高く、過去に歯科治療を受けた経験があっても、それが根管治療であったかを明確に認識していない層が存在する可能性がうかがえます。

では、根管治療の名前を知っているかどうかだけでなく、理解の深さはどれくらいあるのでしょうか。

「根管治療について、どの程度知っているか」を尋ねたところ、30代は約4割が『詳しく知っている』と回答しているものの、年代が上がるにつれてその割合は低下しています。

これは、治療説明の受け取り方や情報接触の機会の違いが影響している可能性があります。知識が十分でない場合、治療の重要性や中断リスクを正しく判断することが難しくなることも考えられ、理解促進の必要性が示唆される結果ではないでしょうか。

では、治療を最後まで行わなかった場合の影響について、どのように認識されているのでしょうか。

前問で『詳しく知っている』『名前は聞いたことはあるが、詳しくは知らない』と回答した方に、「根管治療を適切に行わないと、どのような問題が発生すると思うか」について尋ねたところ、全年代で最も多かったのは『痛みや腫れが再発する』でした。

次いで多かったのは『歯を失う可能性がある』で、40代以降では約6割に達しています。

『他の歯や顎の骨に悪影響が出る』という回答は、30代に比べ、50~60代で高く、年代が上がるにつれて割合が増加しました。

この結果から、根管治療を適切に行わない場合の影響について、痛みの再発や歯の喪失といった直接的な問題は全年代で広く認識されている一方、50~60代では、他の歯や顎の骨への影響など、長期的・広範なリスクを意識している人が多い傾向が見られました。

年代が上がるにつれて、治療結果が口腔全体に及ぶ可能性を想定する割合が高まっており、

根管治療に対するリスク認識の深さに世代差があることがうかがえます。

では、治療を中断することによる再感染や再発についての具体的な認識はどの程度あるのでしょうか。

「根管治療を途中でやめると再感染して”再発”しやすいことをご存じか」について尋ねたところ、『よく知っている』と回答した割合は30代で約4割だったのに対し、40代では約3割、50代では約2割、60代では約1割と、年代が上がるにつれて低下する結果となりました。

一方、50~60代では『なんとなく聞いたことがある』と回答した人が約6割を占め、再発リスクを言葉として認知している方が多いことが分かります。

再発リスクについては、「詳しく理解している層」と「聞いたことはあるが理解が曖昧な層」が混在している状況が見られました。

特に『なんとなく聞いたことがある』と回答した方が多い点から、再発の仕組みや理由までは医者から十分に共有されていない可能性が考えられます。

歯科医院の通いやすさと、通院を継続することの重要性

ここからは、忙しい中でも通院しやすい条件について、ニーズを探ります。

「忙しい中でも通いやすいと感じる歯科医院の特徴」について尋ねたところ、『予約が取りやすい』が全年代で最も多く選ばれており、通院のしやすさにおいて予約の柔軟性が最重要視されていることが分かります。

また、30~50代では『平日夜間や休日も診療している』が上位に挙がっており、限られた時間の中で通院先を選ばざるを得ない層にとって、診療時間の幅が通院継続の可否に直結している様子がうかがえます。

一方、50~60代では『職場や自宅から近い』が半数を占めており、通院にかかる移動の負担を抑えられることが、歯科医院選びの重要な要素となっていると考えられます。

これらの結果から、通いやすさの条件は共通項もある一方で、年代によって重視されるポイントには違いがあり、生活環境や通院時の負担感に応じた選択が行われていることが示されています。

では、治療を最後まで受けることの重要性についての意識は年代によって違うのでしょうか。

最後に、「『治療を最後まで受けること』は歯を残すうえで重要だと思うか」について尋ねたところ、全年代で9割以上が『重要だと思う』と回答しており、年代による大きな差は見られませんでした。

この結果から、根管治療を含む歯科治療において、治療を最後まで受けることの重要性は、世代を問わず広く認識されていることが分かります。

治療継続の必要性については共通理解があることを示す結果と言えるでしょう。

まとめ】通院継続を阻む構造と意識のギャップ

今回の調査から、根管治療における通院中断は、単なる意識の問題ではなく、通院環境、治療経験の認識、理解度、リスクの捉え方といった複数の要因が重なって生じていることが分かりました。

通院を「難しい」と感じる割合は30代で高く、診療時間と仕事・家庭との両立が障壁となっていました。

また、痛みがなくなったタイミングで通院を中断した経験は若年層ほど多く、

中断後に再び痛みや腫れを経験するケースも確認されています。

一方、根管治療については「受けたことがあるか分からない」「聞いたことはあるが詳しくは知らない」層が多く、治療内容や、適切に行わなかった場合の影響についての理解にはばらつきが見られました。

その一方で、「治療を最後まで受けることが重要」という認識は、すべての年代で共通しています。

さらに、通いやすい歯科医院の条件としては、予約の取りやすさが全年代で重視され、

診療時間の柔軟性や立地の近さなど、通院環境へのニーズには世代差が見られました。

これらの結果から、根管治療の通院中断は、重要性を理解していても、環境や情報が行動に結びつかないことで生じるギャップによって起きている可能性が示唆されます。

歯の治療は後回しにされがちですが、痛みがない今こそ、将来の歯の健康を考えるタイミングかもしれません。

一般社団法人日本歯内療法学会は歯内療法(根管治療)の学問と技術を研究しています

今回、「根管治療における通院中断・再発リスクと働く世代の意識差」に関する調査を実施したのは、一般社団法人日本歯内療法学会https://jea-endo.or.jp/)です。

■歯内療法とは

https://jea-endo.or.jp/public/about.html

歯内療法とは「歯の内部の治療」をすることです。

歯の中には、一般的に歯の神経と呼ばれている「歯髄(しずい)」という軟らかい組織があり、むし歯や歯の亀裂などで歯髄が細菌に感染すると、歯が痛んだり歯ぐきが腫れたりします。

そのようなとき抜歯をせずに、歯を残すためにする治療が「歯内療法」で、一般的に歯の神経の治療と言われています。

根管治療は歯内療法の一種で、最も一般的に行われる、歯髄の一部や全部を除去する治療方法です。

歯を支える土台である根(根管)の治療をするので根管治療と呼ばれます。

歯を保存したいという気持ちと、そのための良い方法を探究し続ける努力から生まれたこの『歯内療法(根管治療)』により、 みなさんの歯をさらに長生きさせることができます。

■なぜ、根管治療は大切なの?

https://jea-endo.or.jp/public/root_canal_treatment.html

むし歯になった歯でも失うことなく根管治療をすることによって、もとの歯のように長く機能させることができます。

根管治療では治療する前に、痛み、歯肉の腫れ、歯の外観を注意深く観察し、さらにX線写真、歯髄の生死の診査などから感染の状態を知るための様々な方法で調べます。

その結果をもとに診断して、歯をもとに保つために病状の原因となる歯の根の中心を通る細い管「歯髄」の処置を行います。

根管は直径1mm以下と非常に細く、しかも硬くなった部分や、複雑に曲がっている部分があります。

根管に小さな器具を通過させて感染源となった歯髄を取り去って清掃し、形態を整えるという大変高度な作業が行われます。

根管治療には、質の高い治療を提供するためのトレーニングと、高度な技術が必要なのです。

根管治療が不完全であったり、新たな感染や損傷が起こったりした場合は、再治療が必要となります。 しかし、現在の治療技術なら90%以上の確率で歯を救うことができます。

根管治療の考え方からすれば、「歯を抜く」ということは、非常に稀なことです。

「歯を残す」ということが、いかに大切であるか、そして、歯が健康であることの大切さを、一本の歯が教えてくれると思います。

一般社団法人日本歯内療法学会は、歯を保存し、そのための良い方法を探究し続けるために、 歯内療法(根管治療)の学問と技術を研究しています。

【会社概要】

一般社団法人 ⽇本⻭内療法学会

〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-9 駒込TSビル

(⼀財)⼝腔保健協会 内

TEL:03-3947-8891

FAX:03-3947-8341

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本社所在地
東京都豊島区駒込1-43-9 駒込TSビル (⼀財)⼝腔保健協会内
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柴 秀樹
上場
未上場
資本金
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設立
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