【糖尿病患者と内科医1,022名に調査】採血の痛み・手間・コスト…血糖値測定器の課題が浮き彫りに
血糖測定の「当たり前」を変える技術開発「採血不要の非侵襲型血糖値測定器」に糖尿病患者と内科医の大多数が期待!
糖尿病患者は日常の生活で定期的に血糖値を測定する必要がありますが、それにはいろいろな課題があると思われます。
では、糖尿病患者と内科医は血糖値測定にはどのような課題があると思っているのでしょうか。
そして、非侵襲(体を傷つけずに検査を行う方法)の血糖値測定器を使用できるとしたら、
どのようなことを期待されるのでしょうか?
そこで今回、LOOK TEC株式会社は、①Ⅰ型糖尿病患者/②Ⅱ型糖尿病患者/③妊娠糖尿病患者/④内科医を対象に、「血糖値測定器」に関する調査を行いました。
調査概要:「血糖値測定器」に関する調査
【調査期間】2025年4月9日(水)~2025年4月11日(金)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,022人
【調査対象】調査回答時に①Ⅰ型糖尿病患者/②Ⅱ型糖尿病患者/③妊娠糖尿病患者/④内科医と回答したモニター
【調査元】LOOK TEC株式会社
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
血糖値測定時の「手間」と「痛み」が継続定期的管理の障壁に
はじめに、①Ⅰ型糖尿病患者・②Ⅱ型糖尿病患者・③妊娠糖尿病患者の方にうかがいました。

「使用している血糖値測定器の種類」について尋ねたところ、『SMBG(血糖自己測定)(76.6%)』と回答した方が最も多く、『CGM(持続グルコースモニタリング)(15.6%)』『FGM(フラッシュグルコースモニタリング)(11.5%)』となりました。
従来から一般的に使用されている、自己採血による『SMBG』が約7割を占めていることがわかりました。
しかし、皮膚に針のついたセンサーを装着して血糖値をリアルタイムで測定できる『CGM』や、同じく皮下のセンサーをスキャンしたときのみ測定できる『FGM』も一定数の方が利用しており、測定方法の多様化が進んでいることがわかります。
では、血糖値測定時にどのようなことに困っているのでしょうか。
「血糖値測定について困っていること」について尋ねたところ、『採血での痛み(30.9%)』が最も多く、その他に『測定するのが面倒(26.1%)』『消耗品のコストが高い(16.0%)』といった声が挙がりました。
とくに採血時の痛み、日常的に測定することが面倒との回答が多く、定期的な測定への心理的ストレスがあるようです。
また、測定に関わる消耗品の費用が気になっている方も一定数おり、現状の血糖値測定方法は、さまざまな問題を抱えていることが浮き彫りになりました。
非侵襲型測定器があったら使用したい患者は8割超
では、血糖値測定方法について、具体的にどのような改善を望んでいるのでしょうか。

「血糖値測定について、改善を望むこと」について尋ねたところ、『測定時の痛みの軽減(35.1%)』が最多で、『採血不要で精度が高い機器の開発・普及(23.2%)』『消耗品の価格低下(21.2%)』となりました。
「痛みの軽減」と「採血不要で精度が高い機器の開発・普及」は、定期的な測定の心理的・物理的なハードルを下げたいというニーズが顕著に表れています。
測定精度の向上といった技術的要素への期待も見られますが、それ以上に「日常的に使いやすいこと」を重視していることが明らかになりました。
では、実際に採血不要である非侵襲型の測定器があれば使用したいと思うのでしょうか。
「非侵襲型の血糖値測定器があったら使用したいですか?」と質問したところ、8割以上が『とてもそう思う(39.4%)』『ややそう思う(41.8%)』と回答しました。
この結果から、血糖値測定において「体を傷つけず、痛みを感じないこと」が多くの人にとって重要視されていることがわかります。日常的に針を刺す行為は、身体的負担だけでなく心理的なストレスにもつながりやすく、定期的な測定の障壁となり得ます。非侵襲型の測定器は、こうした負担を軽減し、日常に無理なく取り入れられる手段として強く求められていると言えるでしょう。

次に、「今後使用したいと思う血糖値測定器の種類」について質問したところ、『非侵襲型血糖値測定器(針を使わない測定器)(74.3%)』が7割を超える結果となりました。
非侵襲型の血糖値測定器は、「痛みがない」「手軽に使える」といった点から多くの支持を集めており、測定の負担を減らしたいという強いニーズが表れています。特に日常的な健康管理や糖尿病予防の観点でも、今後さらに注目が高まると考えられます。
内科医が推奨する血糖値測定器の主流はやはりSMBG
多くの患者が非侵襲型機器を使用したいことがわかりましたが、内科医は血糖値測定器についてどのように考えているのでしょうか。
ここからは、④内科医の方にうかがっていきます。
「それぞれの糖尿病患者に推奨する機器」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。

膵臓がインスリンをほとんど・またはまったく分泌できず、血糖値の急激な変動が起こりやすいⅠ型糖尿病患者においてはSMBGが約8割となりましたが、それ以外ではSMBGとCGMが同じくらいの割合となりました。
患者の病状や治療方法に応じて、測定機器を推奨しているようです。
次に、その血糖値測定器を推奨する理由をくわしくうかがいました。
■その血糖値測定器を推奨する理由を教えてください
<SMBG>
・確実に正確な血糖値を見ることができるため(男性/50代/山梨県)
<CGM>
・血糖値の変動がモニターできる(男性/60代/北海道)
<SMBG・CGM>
・安価(男性/50代/京都府)
SMBGはより正確な血糖値測定ができること、CGMは24時間連続的に血糖値を測定してモニタリングできる点など、測定器ごとの特長が推奨理由として挙げられました。
よりよい治療につながる改善点は「痛みレス」「コスト低下」
では、血糖値測定についてどのような課題があるのでしょうか。

「糖尿病患者の血糖値測定の課題」について尋ねたところ、『測定の痛みや不快感により患者に抵抗感がある(40.0%)』が最も多く、『患者の測定方法の誤りにより不正確な結果が出る(37.3%)』『夜間や睡眠中の血糖値モニタリングが困難(35.0%)』となりました。
「痛み」「誤測定」「夜間・睡眠時のモニタリング」といった“測定行為そのものの難しさ”が課題であると考える内科医が多いことがわかりました。
患者の日々の負担を減らしながら正確に測定できる血糖値測定器があれば、今後需要は高まりそうですが、非侵襲の血糖値測定器を使用できたら、どのようなことを期待されるのでしょうか?

「非侵襲の血糖値測定器への期待感」について尋ねたところ、『痛みや不快感のない測定が可能になる(52.2%)』が最多で、『頻繁な測定によるきめ細かい血糖値管理が容易になる(37.1%)』『肌トラブルが起きなくなる(28.7%)』『医療廃棄物の削減につながる(28.0%)』となりました。
痛み・手間の軽減、測定回数の増加、肌への負担軽減や廃棄物の削減など、幅広い面での相乗効果を期待していることが明らかになりました。
とくに「きめ細い血糖値管理ができる」点は、非侵襲型機器が単なる利便性の向上だけでなく、治療の質の向上にもつながることを表しています。
また、「医療廃棄物の削減」という環境面での波及効果も挙がり、このような多面的効果は患者だけでなく医療機関・社会全体にとってメリットをもたらす可能性が高く、導入促進のための支援策や制度整備が社会的な課題ともいえるでしょう。
まとめ:「痛みがない測定」を実現するには? 血糖値測定器の課題と未来
今回の調査で、患者と内科医における血糖値測定の実態と課題が明らかになりました。
糖尿病患者への調査による結果では、血糖値測定器はSMBGを使用している患者が多く、とくに測定時の「痛み」「手間」「消耗品のコスト」に困っているという声が挙がりました。
単なる血糖値測定器の精度やスペックの向上では対応しきれない“使用時のストレス”が浮き彫りとなり、血糖値測定は必須である一方、様々な負担もあるようです。
そして、採血不要の非侵襲型測定器に対する患者からの支持は8割を超え、今後の技術開発に大きな期待をよせていることが明らかになりました。
内科医による調査では、Ⅰ型糖尿病患者においてはより正確な血糖値測定ができるSMBGを推奨する声が約8割となりましたが、それ以外の糖尿病患者ではSMBGと24時間連続的に血糖値を測定してモニタリングできるCGMが同じくらいの割合で推奨していることが示されました。
糖尿病患者の血糖値測定についての課題は、「痛み」「誤測定」「夜間・睡眠時のモニタリング」が多いことが明らかになりました。
今後は、こうしたニーズに応える製品開発の加速とともに、患者と医療従事者の声に耳を傾けたイノベーションが、糖尿病ケアの新たな「当たり前」をつくる鍵となるでしょう。
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