一般市民の膠原病認知度調査で判明:約8割が「ほとんど知らない」、約6割が「疑っても行動せず」
~早期診断・治療の重要性認識と「これって膠原病かも?」と言える社会へ向けて啓発を強化~
一般社団法人膠原病PR協会ミライ(代表理事:下條 真矢、所在地:東京都渋谷区、2025年7月3日設立)は、この度、一般市民300名を対象に実施した「膠原病に関する認知度調査」の結果をまとめました。本調査は、希少疾患・難病分野での支援を行う株式会社ピアハーモニー(本社:東京都、代表取締役社長 深井祐太)の協力を得て実施しています。
今回の調査では、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)など自己免疫の異常によって起こる慢性の炎症性疾患の総称である膠原病に対する一般市民の知識や印象を把握し、今後の啓発活動に役立てることを目的としています。
調査の結果、一般市民の約8割が膠原病について「ほとんど知らない」約6割の人が「特に何もしない」または「インターネットで調べる」にとどまり、専門医への受診を遅らせる傾向があることが明らかになりました。当協会は、「これって膠原病かも?と言える社会を目指します」というミッションのもと、今回の調査結果を踏まえ、膠原病の早期診断とQOL(生活の質)向上に向けた啓発活動を一層強化してまいります。
【調査結果の主なポイント】
1.「膠原病」の言葉自体の認知度はきわめて低い

・「初めて聞いた」が全体の約49%、「名前だけ聞いたことがある」が約32%を占め、合わせると約8割が膠原病についてほとんど知らない状況でした。
・内容まで知っていて説明できる人はわずか3.7%(11人)にとどまりました。
・若年層ほど認知度が低い傾向が見られ、特に10代では「初めて聞いた」がほぼ全員を占めていました。
2. 具体的なイメージが乏しく、ネガティブな誤解が先行

・膠原病に対するイメージは「イメージがない」が169件(全体の約56%)と最も多く、具体的な知識の欠如を反映していました。
・何らかのイメージを持つ場合でも、次に多かったのは「まれな病気」17.3%と「治らない病気」17.0%であり、「珍しい難病」「不治の病」といったネガティブで漠然とした印象が中心であることが判明しました。
・実際には関節リウマチのように国内患者数が80万人以上と多い病気も含まれるにもかかわらず、多くの人が「難病=希少で治療困難な病気」という誤解を抱いていると考えられます。
3. 診断方法や治療薬に関する知識不足が顕著

・膠原病がどのような検査で診断されるかについては、190件(全体の約63%)が「よくわからない」と回答。具体的に「血液検査」を挙げた人は約25%に留まりました。

・治療に使われる薬のイメージも180件(全体の約60%)が「よくわからない」と答え、「副作用が強そう」(15.0%)といった古いイメージを持つ人も一定数いました。
・実際には、近年の医学的進歩により画期的な新薬が登場し、治療成績が大きく向上しているにもかかわらず、これらの情報が一般には十分共有されていない状況が浮き彫りになりました。
4. 公的支援制度の認知度も低く、緊急時の受診行動に課題

・難病患者向けの公的支援制度である「特定医療費(指定難病)制度」について、約7割(67.7%)が「知らなかった」と回答しました。

・自分や家族に膠原病の疑いがあると感じた場合の対応では、「特に何もしない」が34.7%、「インターネットで症状を調べる」が26.3%を占め、約6割の人が積極的に医療機関を受診しない傾向にあることが分かりました。「本来、早期の専門医受診が望ましいにもかかわらず、このような結果となりました。
5. 身近に患者がいないため、関心を持つ機会が限定的

・身近に膠原病で療養している人が「いない」と答えた人が266件(全体の88.7%)にのぼり、一般市民の約9割は膠原病患者との接点がない状況です。これが認知度の低さの一因と考えられます。

・個別の疾患名では関節リウマチが140件(全体の46.7%)と最も認知度が高かったものの、その他の病名については「どれも知らない」が45.7%を占めるなど、知名度がきわめて低い状況です。
【一般社団法人膠原病PR協会ミライの今後の取り組み】
今回の調査結果は、膠原病に関する一般市民の知識不足と、それによる誤解や受診行動の遅れが深刻な課題であることを明確に示しています。膠原病は診断が難しい病気群であり、症状が多岐にわたるため、専門医にたどり着くまでに時間を要するケースや、別の病名で治療が続けられてしまうケースも少なくありません。
当協会は、設立の理念である「これって膠原病かも?と言える社会を目指します」 の実現に向け、以下の啓発活動を強化してまいります。
|基礎知識の普及と誤解の是正
膠原病が自己免疫疾患であり、関節リウマチなど身近な病気も含まれることを分かりやすく伝えるとともに、「不治の病」という誤ったイメージを払拭し、「適切な治療で寛解を目指せる」「長く付き合いながら生活できる場合も多い」という前向きな情報を発信します。
|早期受診の促進と医療アクセス情報の提供
膠原病が疑われる症状が出た際には、早期に専門医(リウマチ・膠原病内科医など)に相談することの重要性を訴え、適切な医療機関へのアクセス情報を提供することで、「どこにかかればいいか分からない」という不安を解消します。
|公的支援制度の周知徹底
「特定医療費(指定難病)制度」など、患者や家族が利用できる公的支援制度の存在と内容を積極的に周知し、経済的・社会的な不安の軽減を図ります。
|身近な事例や患者体験談の紹介
患者や家族の体験談、身近に感じられるエピソードを紹介することで、膠原病を「自分には関係のない特別な病気」ではなく、「誰にでも起こり得る身近な病気」として認識してもらえるよう働きかけます。
当協会は、これらの施策を組み合わせ、継続的に情報発信と教育を行っていくことで、一般市民の膠原病に対する正しい理解と適切な受診行動を促し、患者の皆様がより早く診断を受け、QOLの高い生活を送れる社会の実現に貢献してまいります。
【難病に向き合う人々と医療をつなぐ支援企業からのコメント】
今回の調査から見えてきたのは、膠原病に関する認知度がまだまだ低いということ、そしてその影響で患者さんが日常生活や仕事の場面で理解を得られず、孤立感や不安を抱えているという現実です。
倦怠感や痛みといった症状は、本人にとっては大きな負担であるにもかかわらず、なかなか言葉にして伝えにくいものです。そのために「怠けているのでは」と誤解されてしまい、周囲との間に見えない壁が生まれてしまうことも少なくありません。
こうした課題に向き合うためには、膠原病を「まれな病気」や「自分には関係ない病気」と捉えるのではなく、誰にとっても身近に起こり得るものとして正しく理解していただくことが必要だと思います。そして患者さんが安心して声を上げられ、経験を共有できるようなコミュニティの広がりが不可欠です。
膠原病PR協会ミライが掲げる「これって膠原病かも?と言える社会を目指す」というビジョンは、まさに患者さんの孤立を防ぎ、社会全体の理解を深めていく大きな力になると感じています。今回の調査を出発点に、ミライの活動がさらに広がり、多くの患者さんが安心して暮らせる社会の実現につながることを強く期待しています。
株式会社ピアハーモニー 代表取締役社長:深井 祐太
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【調査概要】
• 調査名: 膠原病に関する認知度調査
• 調査対象: 一般市民300名
• 調査期間: 2025年7月11日
• 回答者内訳: 男性58%、女性42%。年齢は15歳から78歳まで(平均約34.9歳)。
【一般社団法人膠原病PR協会ミライについて】
一般社団法人膠原病PR協会ミライは、「これって膠原病かも?と言える社会を目指します」をミッションに、膠原病の認知度向上と早期診断の促進、患者さんのQOL向上を目的として、2025年7月3日に設立されました。膠原病の啓発及び普及、調査研究及び情報提供、患者・親族の交流コミュニティ運営、研修会・講演会開催など多岐にわたる活動を展開しています。
公式ウェブサイト: 膠原病PR協会ミライ
【株式会社ピアハーモニーについて】
ピアハーモニーは、患者の声を医療者・製薬会社に届けることをミッションとしています。
希少疾病や難病疾患を抱える患者やその家族を支援するためのオンラインプラットフォームを開設、既存患者会の支援を通じて、難病患者が孤立しない社会を目指しています。
得られたインサイトを製薬会社などと協力し、患者のニーズを理解し、共に新しいインサイト収集や治験支援業務を通じて新薬の開発に貢献することを目指しています。
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【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人膠原病PR協会ミライ 事務局 担当:下條 真矢・川口 尚宏
Email:share@kougen-mirai.com
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