FRDジャパン、千葉県富津市においてサーモントラウト陸上養殖商業プラント建設を決定
約5年間の実証実験プラント運営から年間3,500トン規模の商業プラントへ
第三者割当増資の実施について
FRDは、エア・ウォーター株式会社、株式会社 STIフードホールディングス、積水化学工業株式会社、株式会社長谷工コーポレーション、三井住友信託銀行株式会社、三井物産株式会社、株式会社三菱UFJ銀行との間で、当社による第三者割当増資による総額210億円の調達について合意いたしました。
ブルーサステナビリティファイナンスの枠組みを活用した融資について
FRDは、株式会社京葉銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社りそな銀行と、商業プラントの建設資金を目的とした融資契約を締結しました。本融資に際し、FRDは「ブルーサステナビリティローン・フレームワーク」を策定しており、本フレームワークと国際機関の定める原則等との適合性に対するセカンド・パーティ・オピニオンを株式会社格付投資情報センター(R&I)より取得しております。
(注:ブルーサステナビリティファイナンスとは、環境・社会課題等を解決し持続可能な社会の構築に資するサステナビリティファイナンスのうち、特に海洋環境や海洋資源等の保全に貢献する事業の資金調達を指します。)
約5年間の実証実験プラント運営から商業プラントへ
FRDは2018年より、千葉県木更津市及び埼玉県さいたま市にて、サーモントラウト実証実験プラントを運営してきました。実証実験プラントでは、これまで20世代以上の魚を養殖し、バクテリアを活用した独自の閉鎖循環システムによって理想的な水質環境を維持することで、海に依存せずにサーモントラウトが安定生産できることを実証してきました。生産した魚は「おかそだちサーモン」というブランド名で販売しており、首都圏近郊の千葉県で養殖しているからこその鮮度感を高く評価頂いています。
5年間に渡る実証実験プラント運営により、FRDは独自の閉鎖循環システムの改良と、養殖オペレーションの効率化の両面において、商業プラントに着手するだけの十分な知見を積み上げてきました。FRDは今回着手する商業プラントを皮切りに、日本を含むアジア圏を中心に1拠点最大1万トン規模のサーモン類陸上養殖プラントを複数展開していくことを目指します。
FRDの閉鎖循環式陸上養殖
世界的な人口増加や食文化の変化を背景に、良質の動物性タンパク源である水産物の需要は年々増加しており、再生産可能な養殖水産物に対するニーズはますます高まっています。一方で、海面での養殖の適地が限られている中で、今後も伸長する水産物需要を支えるためには陸上養殖の産業化が必要です。FRDの閉鎖循環式陸上養殖システムは、バクテリアを利用した高度濾過技術により、天然海水を使用せず、飼育水を閉鎖循環させながら水質を維持することが可能です。これにより、従来の陸上養殖で高コストの要因となっていた取水時の水温調節費用や、魚病の侵入リスクを大幅に減少させることができる上、場所を選ばす内陸でも養殖を行えるようになります。
サーモン類は海水温が高いアジアでは夏季の海面養殖が難しく、養殖サーモン類の大部分がノルウェーやチリ等の寒冷地から輸入されています。陸上養殖では水温コントロールにより、アジア地域でもサーモン類養殖が通年行えるようになり、消費地近郊にプラントを立地させることで、高鮮度な商品を低い輸送コストで流通させることが可能になります。FRDは持続可能な水産物生産手段の確立と、今後も美味しい魚が手軽に食べられる世界の実現を目指し、陸上養殖の産業化に取り組んでいきます。
<商業プラントの概要>
所在地 | 千葉県富津市 |
生産魚種 | サーモントラウト |
生産量 | 年間3,500トン規模 |
着工時期 | 2023年7月(予定)(開発工事着工) |
操業開始時期 | 2026年(予定) |
出荷開始時期 | 2027年(予定) |
<FRDジャパンの概要>
名称 | 株式会社FRDジャパン |
事業所 | 本社:埼玉県さいたま市岩槻区 実証実験プラント:千葉県木更津市 |
設立年 | 2013年12月 |
代表者 | 辻󠄀 洋一、十河 哲朗 |
事業内容 | 閉鎖循環式陸上養殖事業 |
<商業プラント完成予想図>
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