2024年の社会保険の適用拡大について62.0%が「知らなかった」|社会保険に関するアンケート調査結果【2024年版】
社会保険の加入状況は?労働者が感じる社会保険のメリット・デメリット、2024年10月からの適用拡大の影響も調査
エフアンドエムネット株式会社(本社所在地:大阪府吹田市、代表取締役社長:上枝康弘)は、管理部門向けのビジネスメディア「労務SEARCH(労務サーチ)」にて、20歳以上の男女300名を対象に、社会保険に関するアンケート調査をおこないました。
アンケート詳細はこちら:https://romsearch.officestation.jp/report/42533
社会保険はこれまで段階的に適用が拡大しており、2024年10月からも一部のパート・アルバイトの方の社会保険の加入が義務化される予定です(※1を参照)。
そこで「労務SEARCH」では、現時点(2024年2月)の社会保険の加入状況、適用拡大後に加入対象者となる方の割合、労働者が感じている社会保険のメリット・デメリットなどを調査するために、20代以上の男女300名を対象として、社会保険に関するアンケートを実施しました。
これからも「労務SEARCH」では、管理部門の悩みを解決できるようなアンケート調査を実施し、バックオフィス業務に役に立つ、価値のある情報を発信してまいります。
<当調査の引用・転載に関して>
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当調査のデータを引用・転載する場合には、必ず「出典:労務SEARCH」の表記をお願いいたします。
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出典として下記ページへのリンクをお願いいたします。
<調査の実施概要>
調査対象 |
20代以上の男女300名 |
回答者の 雇用形態の割合 |
正社員(59.0%) 契約社員(6.0%) その他(11.7%) |
調査方法 |
クラウドワークスを用いたインターネット調査 |
調査日 |
2024年2月16日~2024年2月28日 |
<調査結果トピックス>
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現在、社会保険に「加入している」方は75.3%
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パートタイマー/アルバイトで社会保険に「加入している」方は45.1%
労働者が感じる社会保険の最大のメリットは「会社が保険料を半分負担してくれる」
デメリットは「社会保険から脱退したい場合、加入条件に該当しないように労働時間などを調整する必要がある」
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2024年の社会保険の適用拡大について62.0%が「知らなかった」
適用拡大後、加入対象者となっても75.0%が「(社会保険に加入するか)わからない/決めていない」
●現在、社会保険に「加入している」方は75.3%
はじめに現在社会保険に加入していますか?と質問してみたところ、「加入している」が75.3%、「加入していない」が12.0%、「扶養に入っている」が12.7%の結果となりました。
社会保険の加入状況を年代別に見ると、いずれの年代も「(社会保険に)加入している」の回答者が最多でした。第2位は、20代/30代は「扶養に入っている」で、40代/50代/60代以上は「(社会保険に)加入していない」の結果となりました。
雇用形態別に見ると、パートタイマー/アルバイトの回答者のうち「(社会保険に)加入している」方が45.1%、「扶養に入っている」方が43.1%でした。社会保険の適用拡大により、現在は社会保険に加入する短時間労働者が多いことが伺えます。
●約7割が社会保険への加入にメリットを「感じている」または「どちらかと言えば感じている」
次に、社会保険への加入にメリットを感じていますか?という質問には、「感じている」が26.6%、「どちらかと言えば感じている」が43.0%、「どちらかと言えば感じていない」が19.7%、「感じていない」が10.7%の結果となりました。
●労働者が感じる社会保険の最大のメリットは「会社が保険料を半分負担してくれる」
「(メリットを)感じている」「どちらかと言えば感じている」と回答した方に向けて、社会保険に加入するメリットとして最も魅力を感じるものを質問をしてみたところ、第1位は「会社が保険料を半分負担してくれる」でした。
第2位は「将来受け取る年金額が増える」、第3位は「休業中も保障が手厚い」結果となりました。
●デメリットは「社会保険から脱退したい場合、加入条件に該当しないように労働時間などを調整する必要がある」
次に「(メリットを)感じていない」「どちらかと言えば感じていない」と回答した方に向けて、社会保険に加入するデメリットとして最も近いものを質問してみたところ、第1位は「社会保険から脱退したい場合、加入条件に該当しないように労働時間などを調整する必要がある」でした。
第2位に「手取り額が減少する」がランクインし、社会保険にメリットを感じていない方にとっては、保険料負担は50%でもデメリットに感じていることが伺えます。
●2024年の社会保険の適用拡大について62.0%が「知らなかった」
2024年10月から、従業員数51名~100名の企業で働くパートタイマー・アルバイトが新たに社会保険の加入対象となります。そこで適用拡大の実施について知っているか質問してみたところ、「知っていた」が38.0%、「知らなかった」が62.0%の結果となりました。
この適用拡大は、すでに社会保険に加入している方には影響がありません。適用拡大について「知らなかった」と回答した方186名のうち、142名はすでに社会保険に加入している方でした。
ただし今回のアンケート調査で、扶養に入っている/社会保険に加入していないと回答した75名のうち44名が、適用拡大について「知らなかった」と回答しています。企業は社会保険の適用拡大に伴い、対象者への周知など社内での準備を進める必要があります。
●76.7%が社会保険の適用拡大による「影響はない(すでに社会保険に加入している)」
10月からの社会保険の適用拡大による自身への影響については、「影響はない(すでに社会保険に加入している)」が73.7%と、ほとんどの方が適用拡大が実施されても影響がないようです。
「新たに社会保険の加入対象者となる」方の現在の加入状況は「扶養に入っている」方が70.0%、「(社会保険に)加入していない」方は30.0%でした。このことから、2024年10月に実施される社会保険の適用拡大は現在扶養に入っている方への影響が大きいことが伺えます。
●適用拡大後、加入対象者となっても75%が「(社会保険に加入するか)わからない/決めていない」
「新たに社会保険の加入対象者となる」と回答した方に向けて、2024年10月から社会保険に加入しますかと質問してみたところ、「わからない/決めていない」が75.0%、「加入する」が25.0%となり、多くの方が社会保険への加入をまだ決めていないことが伺えます。
●社会保険に関する意識調査結果
<ポジティブな意見>
・国民健康保険のメリットを全く感じないので、社会保険の適用拡大は非常に良いと思います。
・妊娠・出産を経て手当にかなりお世話になったので、好意的に捉えている。
・保障が手厚くなることで安心感のようなものが増え、働く意欲が多少上がるのではと思います。
<マイナスな意見>
・社会保障で生活が苦しくなるのは本末転倒だと思う。
・去年まではパートタイマーだったので、働いた分だけいただけていたのですが、社会保険が充実する分、今いただける現金が減ってしまうのは主婦には厳しいなと感じます。
・社会保険の適用が拡大されると配偶者の控除が受けられ無くなったりする家庭も出てきたりして毎月の保険料が余計にかかったりして大変になりそうな感じがした。
●調査結果まとめ
アンケート調査の回答者300名のうち、社会保険に加入している方が75.3%を占めていました。パートタイマーやアルバイトといった短時間労働者においても、社会保険の加入状況の第1位は「加入している」でした。このことから、社会保険の適用が段階的に拡大していることに伴い、加入の義務が発生する労働者が増えていると言えるでしょう。
なお2024年10月から、新たに従業員数51名~100名の企業で働くパートタイマー・アルバイトが社会保険の加入対象となります。この適用拡大の実施については62.0%の方が「知らなかった」と回答したことから、社内での周知が進んでいない企業が多いことが伺えます。
企業の担当者は、適用拡大に伴い加入対象となる従業員を把握し、必要であれば個人面談や説明会などで社会保険のメリット・デメリットを伝えましょう。
「労務SEARCH」ではこれからも、こうしたアンケート調査を通じて、人事・労務管理に関する課題を解決する手助けとなる情報を発信してまいります。
■「労務SEARCH」について
労務SEARCHとは、管理部門の日々の業務課題を解決する記事コンテンツや、管理部門のニーズに合ったBtoBマッチングに役立つ資料を提供するビジネスメディアです。会員数は2万人超え、そのうち半数は管理部門の役職者です。またコンテンツの高い専門性から、士業の方々からも支持されています。
■株式会社エフアンドエムネット 概要
会社名 |
エフアンドエムネット株式会社 |
代表者 |
代表取締役社長 上枝 康弘 |
設立 |
2000年9月 |
資本金 |
5,800万円 |
事業内容 |
・SaaSの提供 ・ホームページ制作 ・業務用システムの企画・開発・運用代行 |
事業所 |
大阪・東京 |
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