【11月20日発売】未来の地球に向けて、サステナブルな農業と食べ方を問う!欧米でもっとも読まれている『アグロエコロジー』の教科書、初の邦訳

生態学の視点と具体事例から、世界の農業と食料問題のいまがわかる

一般社団法人農山漁村文化協会

一般社団法人農山漁村文化協会(略称:農文協、本社:埼玉県戸田市)は、日本初のアグロエコロジーの教科書となる『アグロエコロジー 持続可能なフードシステムの生態学』を発売します。さらに、アグロエコロジーの概念を実践に移すときに適した、持続可能な土づくりガイドの翻訳書として『実践ガイド 生態学的土づくり』も同時発売いたします。

表紙のイラストを手掛けたのは、ノマドアーティストとして世界を飛び回る、ニキ・ローレケ(Niky Roehreke)さん。作物を育てること、食べることは、土中の生物、ひいては地球とつながっているというイメージが込められている表紙のイラストを手掛けたのは、ノマドアーティストとして世界を飛び回る、ニキ・ローレケ(Niky Roehreke)さん。作物を育てること、食べることは、土中の生物、ひいては地球とつながっているというイメージが込められている

  • アグロエコロジーとは?


     21世紀に入り地球環境問題と食料安全保障が重要な課題となるなか、資源やエネルギーを大量投入し、規模と効率を追求する工業的農業が立ちゆかないことが明らかになっています。

     アグロエコロジー(農生態学)とは、それらを乗り越えるサステナブルな農業生産と食料消費を実現するため、さまざまな視点から探求する学問のこと。「科学」と「実践」と「運動」をつなぐ新しいキーワードとして、国際的に注目されています。


 欧米に比べて「アグロエコロジー」という言葉は、日本ではまだまだ浸透していませんが、決して日本が大きく遅れをとっているわけではありません。自然の力を高める有機農業や自然農などの取り組みははやく、じつは世界的にみればトップランナーでもあります。

 環境問題や食料安全保障に注目が集まるなか、同じ世界観を持つ「アグロエコロジー」という考え方を日本でも広げていきたいという思いから、今回の出版にいたりました。


  • 著者プロフィール

スティーヴン・グリースマン(Stephen R.Gliessman)

カリフォルニア大学名誉教授。世界的に著名なアグロエコロジーの提唱者の一人で、慣行農業から有機農業への移行に伴う農生態系の変化を40年以上にわたり研究する。2012年に退職。現在は、家族と共にワイン用ブドウやオリーブの有機農園を営んでいる。


  • 目次

第一部 アグロエコロジー序論

第二部 植物と環境の非生物的要因

第三部 より完全な個生態学的視点

第四部 系レベルの相互作用

第五部 持続可能性への移行

第六部 持続可能なグローバル・フードシステムの実現


  • 生態学という「科学」からサステナブルな農業への道筋を探る

 本書のテーマは、「持続可能な農業生産と食料消費」。そのためのアプローチとして、“生態学”を用います。

“生態学”とは、生物と生物、生物と環境などの関係を研究する「科学」です。本書は、その知見を生かして、光や風、火、水、土壌、動物との関係や影響まで詳しく分析します。自然に寄り添い、自然の力を高める有機農業や自然農法の、考え方や世界観がわかります。

アグロエコロジーは、伝統知を生かした小規模農業の価値の見直しでもある。写真は、メキシコのタバスコ州における伝統的なトウモロコシ・マメ・カボチャの間作。混植することで害虫忌避や雑草抑制、生育促進の効果があるアグロエコロジーは、伝統知を生かした小規模農業の価値の見直しでもある。写真は、メキシコのタバスコ州における伝統的なトウモロコシ・マメ・カボチャの間作。混植することで害虫忌避や雑草抑制、生育促進の効果がある


  • 不耕起栽培、カバークロップ、緑肥…… 古くて新しい「実践」が世界中で注目

 生態系をおびやかす工業的農業から持続可能なアグロエコロジーへの転換は、自然の力を生かし、寄り添ってきた伝統的な農法を見直し、広げていくことでもあります。画一的な農法や農業技術ではなく、地域ごとの課題に即した解決策が持続可能な農業には必要です。

中米・ニカラグアの有機コーヒー園における表土の糸状菌糸。有機農法、多量の有機物施用、被陰樹で日陰をつくることが重要な養分捕捉メカニズムを促進する中米・ニカラグアの有機コーヒー園における表土の糸状菌糸。有機農法、多量の有機物施用、被陰樹で日陰をつくることが重要な養分捕捉メカニズムを促進する


  • 『育てる人』と『食べる人』の関係を変える「社会運動」

 本書は、作物の生産方法にとどまらず、食料の加工・流通・消費にも着目しています。『食べる人』の意識が変われば、『育てる人』も変わる。生産者だけでなく、消費者も変わる時代へ。アグロエコロジーは、そうした都市と農村の関係を変える道も、指し示しています。

愛知県名古屋市のオーガニックファーマーズマーケット。環境にやさしい農業に取り組む農家が育てた野菜や果物を目当てに、多くのお客さんが詰めかける。 写真提供=オーガニックファーマーズ名古屋愛知県名古屋市のオーガニックファーマーズマーケット。環境にやさしい農業に取り組む農家が育てた野菜や果物を目当てに、多くのお客さんが詰めかける。 写真提供=オーガニックファーマーズ名古屋


  • 藤原辰史(京都大学准教授)推薦コメント

 根本から知らなければ、根本から変えることはできない。


 水、風、土、光、植物、動物、人間が複雑にからまりあう農業という現象を、かくも魅力的に描いた書物を私は知らない。そう、農業を学ぶとは、地球をまるごと学ぶことだったのだ。


 長いあいだ自然と人間に傷を負わせてきた工業的農業からアグロエコロジーへの道筋を、自然科学の厳密な論理と具体的な事例を交えて説くこの新時代の農書を手にすれば、もう未来に怯える必要はない。


――― 藤原辰史(京都大学准教授、主な著書:『ナチスのキッチン』『給食の歴史』『食べるとはどういうことか』)


  • 訳者一覧

浅岡みどり(立教大学大学院社会学研究科博士課程)/ 荒木肇(新潟食料農業大学食料産業学部教授)/ 稲垣栄洋(静岡大学学術院農学領域教授)/ 上野秀人(愛媛大学大学院農学研究科教授)/ 宇都宮大輔(珠洲市自然共生室 自然共生研究員)/ 大山利男(立教大学経済学部大学院ビジネスデザイン研究科准教授)/ 楠本良延(農研機構 西日本農業研究センター上級研究員)/ 小林舞(京都大学経済学研究科特定助教)/ 小松﨑将一(茨城大学農学部附属国際フィールド農学センター教授)/ 澤登早苗(恵泉女学園大学人間社会学部教授)/ 田中淳子(野草研究家)/ 中久保亮(農研機構 畜産研究部門主任研究員)/ 日鷹一雅(愛媛大学農学研究科准教授)/ 松平尚也(京都大学大学院農学研究科博士課程)/ 宮浦理恵(東京農業大学国際食料情報学部教授)/ 村本穣司(カリフォルニア大学サンタクルーズ校 有機農業スペシャリスト、東京農業大学客員教授)/ 本林隆(東京農工大学農学部フィールドサイエンスセンター教授)/ 山口富子(国際基督教大学教養学部教授)/ 山本奈美(京都大学大学院農学研究科博士課程)/ 渡邉修(信州大学学術研究院農学系准教授)


  • 書誌情報

書名:『アグロエコロジー 持続可能なフードシステムの生態学』

定価:5,940円(本体5,400円+税)

体裁:B5判(上製)512ページ

ISBN:9784540231353

発売日:2023年11月20日(月)

発行:農文協





【書籍のご購入について】

★農業・食文化・教育・生活の書籍専門店「田舎の本屋さん」

https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54023135/

★Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/4540231359



<同時発売>

書名:『実践ガイド 生態学的土づくり』

アグロエコロジーの概念を実践に移すときに適したガイド。

米国で進む不耕起、カバークロップなどの動きをとらえた、持続可能な土づくりガイドの翻訳書。ゲイブ・ブラウンさんなど、実践農家事例も掲載。


定価:5,500円(本体5,000円+税)

体裁:B5判(上製)418ページ

ISBN:9784540231728

発売日:2023年11月20日(月)

発行:農文協



【書籍のご購入について】

★農業・食文化・教育・生活の書籍専門店「田舎の本屋さん」

https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54023172/

★Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/4540231723



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発売日までは予約注文も受け付けています。


  • 会社概要

一般社団法人農山漁村文化協会

所在地:〒335-0022 埼玉県戸田市上戸田2丁目2-2

URL:https://ruralnet.or.jp/


<お問合せ>

一般社団法人農山漁村文化協会 事務・読者係グループ

Tel.  048-233-9351

受付:月~金 9:00~16:00(土曜・祝日除く)

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会社概要

URL
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業種
情報通信
本社所在地
埼玉県戸田市上戸田2-2-2
電話番号
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代表者名
留場 俊明
上場
未上場
資本金
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設立
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