日本初の食品ロス削減モデル『かんしょくプロジェクト』国のモデル事業の採択を受け、さらに事業拡大へ
2025年活動報告:環境省モデル事業採択、企業参画拡大、5拠点の活動展開へ
一般社団法人 最愛の食卓(代表理事:柏倉美保子)が運営する日本初となる「調理済みの食事の再分配」に取り組む「かんしょくプロジェクト」は、2025年2月の第一拠点の本格実施以降の主な活動を報告いたします。2025年6月以降、環境省「令和7年度 食品の消費行動に伴う食品ロス削減対策導入モデル事業」への採択をはじめ、企業ボランティア参画の拡大、活動拠点の増設など、活動の幅が大きく広がりました。
2024年10月から2025年12月現在まで実証実験を含めて、かんしょくプロジェクトの活動として約496 kgの食品ロス削減に貢献し、約1,984食分の温かい食事を提供しております(1食分250 gにて換算)。
「かんしょくプロジェクト」は、社員食堂や企業から「お裾分け」頂いたまだ食べられるお食事を、食を必要とする方にお届けし、皆で「完食」することで食品ロス削減に貢献するという日本初のスキームを実現する事業です。

■ 環境省「令和7年度 食品の消費行動に伴う食品ロス削減対策導入モデル事業」に採択
2025年6月6日、「かんしょくプロジェクト」は、環境省が実施する「令和7年度 消費行動に伴う食品ロス削減対策導入モデル事業」に採択されました。「事業の有効性」、「事業の継続性、発展性・波及性」、「事業の新規性・先進性」、「事業の具体性・実現可能性」といった観点の審査を受けた結果、当事業は「部門Ⅱ 売れ残り食品廃棄防止対策導入モデル事業」において、モデル事業として採択されました。

本採択により、継続的な食品ロス削減と地域の食支援の両立を図る取り組みがさらに前進しています。
※採択結果(環境省公式サイト)
https://www.env.go.jp/press/press_05021.html
■ 株式会社三井住友銀行等の企業ボランティアの参画が拡大
これまで、企業から「お裾分け」いただいた食事の提供においては、個人ボランティアの協力により配膳等を実施してまいりましたが、2025年度以降企業単位でのボランティア参加が本格的に拡大いたしました。
かんしょくプロジェクト初の企業ボランティアとして、株式会社三井住友銀行にご参画いただきました。同社グループが掲げる「社会的価値の創造」に資する取り組みの一環として、社員の皆さまが現場で活動に参加されており、地域課題に向き合う企業のモデルとなっています。その他に1社、同様に企業ボランティアとしてご参画頂いています。

ご参加いただいた社員様の方からは「食事会の終わりに参加者の方が『〇〇さん、また来週ね。』と声をかけてくださったとき、単なる“食品ロス削減と食支援”ではなく、この場が人と人の絆を育む時間であることを強く感じました。」「普段同じ会社にいても交流できないので社員同士の良い交流の場となりました。」といったお声をいただき、食品ロス削減や居場所づくりへの貢献だけでなく、社員同士に交流の機会にも繋がっていることがわかりました。
■ 新拠点が始動
地域のニーズに応じて、かんしょくプロジェクトの活動拠点がさらに拡大しました。
・第2拠点:アクセプト・インターナショナル — 2025年7月より開始
難民支援を行うアクセプト・インターナショナルと連携し、同団体の相談者を対象に、温かい食事と安心できるつながりを届けています。
・第3拠点: JKK東京のJKK住宅— 2025年8月より開始
地域住民が集まりやすいJKK住宅内のコミュニティスペースを活用し、高齢者や単身世帯など多様な住民が交流できる食の場づくりを推進しています。
・第4拠点:ぷらっとホーム世田谷 — 2025年9月より開始
世田谷区社会福祉協議会が行う、生活に支援を必要とする方々を支える取り組みと連携し、温かい食事の提供を通じた居場所づくりを推進しています。
・第5拠点:高校生対象品川区居場所支援事業 — 2025年11月より開始
高校生が安心して過ごせる居場所づくりの一環として、温かい食事の提供とコミュニティ形成を支えています。
拠点まとめ

|
拠点 |
主利用者 |
|||
|
第1拠点 |
都営住宅の集会所 |
高齢者層 |
都内 |
2024年11月 |
|
第2拠点 |
アクセプト・インターナショナル |
若年層 |
中央区 |
2025年7月 |
|
第3拠点 |
JKK東京のJKK住宅 |
高齢者層 |
渋谷区 |
2025年8月 |
|
第4拠点 |
ぷらっとホーム世田谷 |
生活にお困りの方 |
世田谷区 |
2025年9月 |
|
第5拠点 |
品川区居場所支援事業 |
若年層 |
品川区 |
2025年11月 |
これら新拠点の開始により、温かい食事を提供できる場所が増え、支援を必要とする家庭・子ども・学生への提供体制が拡大いたしました。地域の食卓を支える“社会インフラ”としての基盤がさらに強化されました。
■ かんしょくプロジェクトについて
かんしょくプロジェクトは、企業の社員食堂などで発生する、作りすぎた調理済みの食事を、食品衛生基準に基づき安全に回収・輸送し、地域の子ども・学生・高齢者等に提供する、日本初の“調理済み食事の再分配モデル”です。厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」に基づいた徹底した温度管理、独自の搬送体制と運営モデルを特徴としています(図2)。日本で15.4%といわれる相対的貧困層にあたる方(図3)や孤食と向き合う高齢者の方などを含む、食を必要とするすべての方に対して、単なる食事提供にとどまらず、皆で食卓を囲むという温かな時間をはぐくむ居場所づくりにも取り組んでいます。


企業で日々発生する食品ロスと、地域で深刻化する食品アクセス問題の双方に向き合い、「もったいない」を「ごちそうさま」へと変える社会的循環の仕組みの構築をしています。
2025年には環境省「令和7年度 食品の消費行動に伴う食品ロス削減対策導入モデル事業」に採択され、今後も持続可能な食の循環モデルとして、地域社会に根ざした活動の拡大を目指してまいります。2026年以降には、さらにパートナー企業を増やす活動のみならず、運送の仕組み改善や、本活動のCO2削減への換算の見える化にも取り組み、よりサステナブルで本質的な社会貢献につながるよう活動してまいります。

*2025年12月15日までの活動の集計
かんしょくプロジェクト公式サイト
https://www.saiainoshokutaku.org/
■ 本件に関するお問い合わせ
一般社団法人 最愛の食卓(かんしょくプロジェクト事務局)
E-mail:elena.kanno@saiainoshokutaku.org
広報長:菅野絵礼奈
すべての画像
