京都の宮大工集団「匠弘堂」が設計施工した善應寺 山門・木塀が「令和7年度 伊勢崎市景観まちづくり賞」を受賞

吉野桧を用いた平唐門の新築により、令和時代の伊勢崎に新たな都市景観を創出

有限会社 匠弘堂

有限会社匠弘堂(本社:京都市左京区/代表取締役:横川総一郎)は、群馬県伊勢崎市・善應寺(住職:小川晃龍様)より設計施工を受託した新築山門・木塀が、「令和7年度 伊勢崎市景観まちづくり賞」の「土木構造物・造園・工作物デザイン部門」に選定されたことをお知らせいたします。玉垣の設計施工を担当された中村石材店(伊勢崎市)と共に、匠弘堂も表彰を受けました。

完成した平唐門
銅板葺の屋根が輝く

伊勢崎市景観まちづくり賞とは

「伊勢崎市景観まちづくり賞」は、景観まちづくりに対する市民および事業者の関心を高め、魅力ある本市の景観形成を進めるため、良好な景観の形成に貢献したと認められる市民および事業者や良好な景観の形成に寄与している建築物、工作物等、屋外広告物およびまちづくり活動のうち、特に優れているものについて、その所有者、設計者、施工者及び代表者を表彰するものです。

令和7年度は建築物、土木構造物・造園・工作物、屋外広告物デザイン部門、まちづくり活動部門の4部門で募集を行い、応募のあった4部門(建築物、土木構造物・造園・工作物、屋外広告物デザイン部門、まちづくり活動部門)7件を審査した結果、次の4件に決定しましたので紹介します。

引用:伊勢崎市公式サイト「令和7年度伊勢崎市景観まちづくり賞が決定しました」

景観審議会講評

伊勢崎市景観審議会より、善應寺 山門・木塀及び玉垣に対して以下の講評が寄せられました。

「伝統的な建築様式や素材を採用し、寺院としての個性と存在感を引き出しつつ、地域における歴史性と情緒を感じられるよう配慮されています。普遍性の高い寺院の構造物という点において、今後長期にわたり都市景観の構成要素となることが見込まれ、令和時代初頭の伊勢崎におけるモニュメンタルな景観として、後世まで親しまれる郷土の文化資産となり得る建造物となっています。」

プロジェクト概要

JR伊勢崎駅前の再開発により、道路境界が大きく様変わりした善應寺様。弊社Webサイトをご覧いただいた小川住職より、「新しく山門を新築したい」とのご依頼をいただき、匠弘堂が設計から施工までを一貫して担当いたしました。平唐門とは、屋根の両側面に優美な曲線の唐破風を備える形式の門です。以下に、完成までの工程をご紹介します。

1. 設計・提案

JR伊勢崎駅前の再開発に伴い、新しい道路に長く接道するという敷地条件から、唐破風を両側面に備える高貴な平唐門をご提案しました。設計は代表の横川が行い、彫刻から錺金物まですべてのデザインを手がけました。まずは手描きスケッチに始まり、最終の設計図では蟇股や木鼻などの彫刻に加え、御影石の四半敷き土間で、「力強さと優美さを兼ね備えた平唐門(ひらからもん)」をコンセプトに仕上げました。

手描きスケッチ
提案段階での側面図

2. 原寸図の作成

原寸図の段階では実際の建物の形が決まるため、設計図はあくまでもアタリ程度とし、最も重要な唐破風の曲線は何度も書き直し、「力強さと優美さ」を追及しました。原寸図と墨付けは、成長著しい当時30歳の山本(現副棟梁)に任せました。

原寸図を任された山本
彫刻のデザインを描く若手宮大工

3. 素材の選定

善應寺平唐門の化粧材には、奈良県産の吉野桧を採用しました。2022年秋に発注し、2023年2月の材料検査を経て、2024年4月に京都の匠弘堂工房に吉野桧材が搬入され、加工作業が開始されました。

奈良県産の吉野桧
善應寺小川住職 材木検品の様子

4. 各部材の木取り・加工・彫刻

納材された吉野桧は、鋸(のこぎり)鑿(のみ)や鉋(かんな)を駆使し、四角い木材からなめらかな曲線を削り出して、各部材の大きさに成形されていきました。

特に唐破風の場合は、通常なら真っ直ぐな垂木も「茨垂木(いばらたるき)」と言って、唐破風に添った曲がりくねった形になるので、幅広い材料が必要となります。彫刻で使われた唐草渦(からくさうず)など彫りの工程では、複数の宮大工と彫刻師がそれぞれの専門性を発揮しました。

登裏甲(のぼりうらごう)の加工の様子
茨垂木の加工の様子
蟇股などの加工の様子
男梁(おんばり)の鼻先の彫刻

5. 仮組

社寺建築では、現場での建て方の前に事前に仮組作業をすることで、各部材の取り合い箇所の調整を行います。工房では現副棟梁の山本と若手の義久を中心に、微妙に曲がった屋根の軒反りを構成する部材を、細心の注意を払って組んでいきました。仮組が進むにつれ、工房の空気感が一気に変わり、全員のモチベーションが上がりました。

工房での仮組開始
唐破風の仮組作業
登裏甲(のぼりうらごう)下面を丸鉋で仕上げる
軒付(のきづけ)板の仮組調整

6. 仮組見学会の開催

寺院山門の新築工事は大変貴重な機会です。完成した仮組を広く一般の方にもご覧いただきたいという思いから、2024年夏、京都の工房にて計5日間・全11回の『仮組見学会』を開催いたしました。

蒸し暑い時期の開催にもかかわらず、小さなお子様から大人の方まで多くの方にご来場いただきました。来場者には、触れられるほどの距離で山門の屋根や部材の細部をご覧いただくことができました。

仮組見学会の様子
原寸場の見学

7. 現地での建て方

仮組を解体した後、部材を群馬県伊勢崎市の善應寺境内に搬送し、現地での建て方(組み立て)を実施しました。宮大工による建て方が終わると、屋根葺き、左官壁塗り、石工事と進み、最後に建具と錺金物を取り付けます。玉垣は地元の中村石材店が施工を担当し、山門・木塀と玉垣が一体となった景観が完成いたしました。

若手宮大工中心の建て方
蟇股の据えつけ

8. 完成

落慶式直前に扁額(へんがく)を取り付け、ご契約から3年の歳月をかけて無事完成しました。建築の仕事は、宮大工はもとより、基礎工事・石工事・足場工事・屋根工事・左官工事・彫刻・錺金物など、あらゆる分野の職人たちの高い技術力と志を結集した賜物となることを目標としています。善應寺様の平唐門は、見る人すべてに感動を与え、後世まで大切に使っていただけるように節に願うばかりです。

小川住職と記念撮影
平唐門を横から撮影

代表 横川総一郎 コメント

力強さと優美さを兼ね備えた平唐門を目指して、匠弘堂メンバー全員の技術力を結集しました。その結果、大変名誉ある賞をいただけましたこと、心より嬉しく、有り難い思いでいっぱいです。

これもひとえに善應寺ご住職様をはじめ、総代会や護持会、建設委員会の皆様、檀信徒の皆様、施工時にお世話になった中村石材店様をはじめとする協力業者の皆様、工事に関わってくださった全ての方々の温かいご支援とご協力のおかげと、改めて厚く御礼申し上げます。

善應寺様はJR伊勢崎駅からすぐの場所にございます。夜には山門がライトアップされ、これまでの伊勢崎駅前にはなかった雰囲気を醸し出しています。群馬県にお越しの際は、ぜひ山門をくぐり、善應寺様へお立ち寄りいただけましたら幸いです。

授賞式にて
授与いただいた表彰状

建築概要

建物名:善應寺 山門・木塀及び玉垣
所在地:群馬県伊勢崎市曲輪町10-11
建築主:善應寺(住職:小川晃龍様)
設計・施工(山門・木塀):有限会社 匠弘堂
設計・施工(玉垣):中村石材店

匠弘堂について

会社名:有限会社匠弘堂
所在地:京都市左京区静市野中町413
代表取締役社長:横川 総一郎
設立:2001年
事業内容:社寺建築の設計・施工(新築・修理・改修・復元)
主な認定・認証実績:

公式サイト:https://www.kyoto-shokodo.jp
Instagram:https://www.instagram.com/kyoto_shokodo

匠弘堂は、初代棟梁・岡本弘の言葉「見えるところは当たり前。見えないところほど気配りをせなあかん。解体しても恥ずかしぃない仕事をせなあかん」を心構えとし、調査・設計・施工を一貫して自社で手がける社寺建築専門の会社です。若手宮大工を中心とした職人集団が、100年・200年先まで残る建築を目指して日々研鑽を続けています。

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ビジネスカテゴリ
建築・空間デザイン
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会社概要

有限会社 匠弘堂

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URL
https://www.kyoto-shokodo.jp/
業種
建設業
本社所在地
京都府京都市左京区静市野中町 413
電話番号
075-741-1888
代表者名
横川 総一郎
上場
未上場
資本金
-
設立
2001年02月