2回目の緊急事態宣言解除後の退職動機に関するアンケート結果。退職検討者の約6割はコロナウイルスが影響。
継続的に働く場合、退職する場合の不安はいずれも給与・収入不安が1位
日本労働調査組合(所在地:東京都足立区、執行委員長:安達雄也、URL:https://nichirou.com)は、2回目の緊急事態宣言(2021年1月上旬~3月上旬)の影響による退職動機のイマを調査するため、全国の20~49歳で会社員の男女523名を対象に「緊急事態宣言解除後の退職動機に関するアンケート」を実施。退職を検討している人は全体の44.0%、退職検討者の中で緊急事態宣言、コロナウイルスが影響したと回答した人は59.1%だった。
調査結果トピックス
1.最近退職を検討した人は44.0%(前回調査より約8%増加)
2.退職検討した人の中で59.1%は緊急事態宣言、コロナウイルスが影響と回答
3.今の会社で働き続ける場合の懸念は第1位が「給与・待遇不満」、第2位が「収入不安」
4.仮に退職をする場合の懸念は第1位が「収入不安」、第2位が「転職先が見付かるか」
1.最近退職を検討した会社員は44.0%
最近退職を検討したことがありますか?という質問には、「ある:緊急事態宣言の影響」が15.1%、「ある:コロナウイルスの影響」が10.9%、「ある:緊急事態宣言/コロナウイルスの影響とは別の理由」が18.0%、「ない」が56.0%の結果となりました。2021年3月に実施した仕事の退職動機に関するアンケートでは、「退職・転職の意向あり」が35.8%だったが、翌月に実施した当アンケートでは44.0%となり、退職を検討している人が8.2%増。新年度にあっても緊急事態宣言の影響を感じる結果となりました。
また性別比率は、「ある:緊急事態宣言の影響」と回答した「男性」が44.3%、「女性」が55.7%、「ある:コロナウイルスの影響」と回答した「男性」が56.1%、「女性」が43.9%、「ある:緊急事態宣言/コロナウイルスの影響とは別の理由」と回答した「男性」が52.1%、「女性」が47.9%、「ない」と回答した「男性」が49.5%、「女性」が50.5%でした。微差ではあるものの、男性がよりコロナウイルスの影響を感じていて、女性がより緊急事態宣言の影響を感じていることが伺い知れます。
2.退職検討した人の中で59.1%は緊急事態宣言、コロナウイルスが影響と回答
先の退職を検討したことがありますか?という質問で、「ある」と回答した人の59.1%は「緊急事態宣言の影響」、「コロナウイルスの影響」と回答。約6割の人がコロナウイルスの影響で退職を検討していることがわかりました。ウイルスがもたらした社会の変化により、自身の将来、働くことについて考える人が増えたことが伺い知れます。
3.今の会社で働き続ける場合の懸念は第1位が「給与・待遇不満」、第2位が「収入不安」
という質問には、第1位が「給与・待遇不満」で36.5%、第2位が「収入不安」で28.1%、第3位が「職場の人間関係」で19.3%の結果となりました。2021年3月に実施した仕事の退職動機に関するアンケートでは、「職場の人間関係」が「給与・待遇不満」と同率1位でしたが、今回のアンケートでは「給与・待遇・収入」が上位を占め、終わりの見えないコロナウイルス社会で、より安定した雇用状況を求めていることが伺えます。
また性別ごとの上位理由は男女ともに第1位~第3位までは全体と変わらず。男性の第4位は「懸念や不安はない」に対して、女性の第4位~第5位は「ワークライフバランス」、「自身の健康」でした。男性はお金以外はあまり気にしていないが、女性はお金以外にも様々な要素を考えている様子が伺えます。
4.仮に退職をする場合の懸念は第1位が「収入不安」、第2位が「転職先が見付かるか」
仮に退職をするとした場合に懸念や不安があれば教えてくださいという質問には、第1位が「収入不安」で39.8%、第2位が「転職先が見付かるか」で36.5%、第3位が「転職活動の手間」で27.2%の結果となりました。継続的に働く場合の懸念同様、転職先でも希望給与が貰えるか、そのような職場があるか不安な様子が伺えます。また一方では「転職活動の手間」が第3位になり、次点では「転職先とのミスマッチ」が懸念理由の上位にあり、転職に対する労働者のネガティブさが伺い知れます。
また性別ごとの上位理由は、上位1~3位の理由は全体と変わらずも、男性の1位は「収入不安」で35.6%、女性の1位は「転職先が見付かるか」で45.4%、女性は全体の1~2位と逆の順位になりました。男性の27.6%に比べて20%程度高く、約半分の女性が転職先が見付かるか不安という結果になりました。コロナ禍の状況では仕事が見付かりにくいという女性が置かれている状況の実態が伺えます。
まとめ.終わりの見えないコロナ禍だからこそ雇用主は従業員とのお金や働き方に関する密なコミュニケーションを
今回の調査結果では、コロナ禍の中で労働者のお金に対する不安・不満が伺い知れる結果になりました。雇用主側としては、すぐには希望給与・待遇を用意出来なくとも、明確に給与・待遇改善の道筋を明示し、従業者が納得して働けるよう適宜コミュニケーションを行うことが、従業者のお金に対する不安を解消し、安心して働く環境を作り出す最善ではないでしょうか。緊急事態宣言が再発出される厳しい社会情勢ではありますが、お金や働き方に対するコミュニケーションは「密」であってほしいものです。
日本労働調査組合では、定期的に労働調査結果を発表しています。
その他の労働調査結果は以下URLよりご覧いただけます。
URL:https://nichirou.com/category/reseach
【調査概要】
調査名:緊急事態宣言解除後の退職動機に関するアンケート
調査対象:20~49歳の会社員523名
調査地域:全国
調査期間:2021年4月1日~2021年4日4日
調査方法:インターネット調査
日本労働調査組合について
日本労働調査組合は、仕事上で悩みを抱えているすべてのビジネスパーソンに寄り添い、労働問題、社会問題を改善していくことを目的として設立されました。執行委員長の安達自身、過去に職場の人間関係から精神的な病気になり、社会復帰まで二年間を要した経験から、支えてくれた方への感謝と、同じような悩みをお持ちの方をひとりでも多くサポートしたいという思いから設立。
主な活動内容は、インターネット上で労働調査を行い、メディアを通して情報発信を行います。労働者の方々、あるいは経営者層にデータで見ていただき、労働環境の改善、しいては社会に還元することを目的としています。また多くの労働者の方々に組合に参加していただき、労働環境の改善に努めていくサポートを行っています。
【団体概要】
団体名:日本労働調査組合
所在地:東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター10階
執行委員長:安達 雄也(アダチユウヤ)
設立日:2021年1月15日
団体URL:https://nichirou.com/
サポートURL:https://nichirou.com/taisyoku
主活動内容:労働に関する調査と情報発信
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