社長だけでは「組織」は変わらない。現場社員の声から中小企業の組織変革のプロセスを解明した書籍『中小企業の組織変革とマネジメント』が刊行
約120名の社員の声から見えてきた、経営者・中間管理職・現場が一体となって変わる組織づくりとは
アイアルマーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:堀部直紀)は、同志社大学中小企業マネジメント研究センター(拠点:京都府京都市、センター長:関智宏(同志社大学商学部教授) (以下、中小企業マネジメント研究センター)との共同研究の成果として、書籍『中小企業の組織変革とマネジメント』(同友館、2026年10月刊行)が刊行されたことをお知らせいたします。

◇日本企業の99.7%を占める中小企業。その組織づくりに、今こそ目を向ける
中小企業庁の集計によると、2021年6月時点で、日本の企業の99.7%にあたる約336.5万社が中小企業です。また、中小企業で働く従業者は、全体の約7割を占めています。
出典:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果を公表します」(2023年12月13日)
日本経済や地域社会を支える中小企業が持続的に成長していくためには、事業戦略や技術力に加え、社員一人ひとりが力を発揮できる組織づくりも重要です。
中小企業では、経営者の考えや判断が会社の方向性に大きく影響することがあります。一方で、企業の成長を支えるのは、日々の業務を担う社員一人ひとりです。経営者の想いを社内に浸透させ、管理職や現場の社員がそれぞれの役割を果たしながら、主体的に行動できる組織をつくることが求められています。
特に、事業の拡大や世代交代を迎えた企業では、経営者と社員の間の認識の違いや、部署間の連携などが課題となることもあります。では、社員一人ひとりが組織の変化に関わり、主体的に行動する組織は、どのように生まれるのでしょうか。
本書は、こうした問いを出発点に、中小企業の組織変革がどのように進むのか、そのプロセスを明らかにすることを目指しました。
◇武州工業の組織変革を、約120名の社員の声から分析
研究対象となった武州工業株式会社は、1951年創業、東京都青梅市に本社を置く、自動車部品用パイプ加工の技術で独自の地位を築いてきた企業です。
同社では、新事業への進出に伴う人員増加や組織の多層化、経営者の世代交代などを背景に、社内コミュニケーションの不全や従業員の意欲低下といった課題が生じていました。
この状況を打破するため、事業承継を機とした組織変革を支援したのがアイアルマーズ株式会社です。同社は2017年4月から2024年3月まで、武州工業の組織変革に伴走しました。
本書では、2017年11月と2022年8〜9月の2度にわたって実施した、約120名の社員全員への面談記録を分析の中心に据えています。
取り組みの柱となったのは、「全社員面談」と「歴史共有」です。
全社員面談の実施:社員一人ひとりの声から、組織の実態を捉える
社員全員に同じ質問を投げかけることで、経営者だけでは把握しきれない現場の課題や、組織変革の担い手となる人材を発見し、経営者の視点だけでは見えにくい、組織の内側にある実態を捉えることを重視しました。
歴史共有の実施:会社の歩みを、変革を進める土台にする
第三者が会社の歴史を客観的に伝えることで、社員が自社の歩みを振り返り、「会社の歴史は変化の歴史でもある」と理解する機会をつくり、組織変革を経営者だけの取り組みではなく、自分自身にも関わるものとして受け止める土台を築きました。
◇経営トップ・中間管理職・現場。それぞれの変化が組織を動かす
本書では、組織変革のプロセスを経営トップ、中間管理職、現場の従業員という3つの層から分析しています。
1.経営トップ:社長主導の改革から、社員が主体的に参加する組織へ
2.中間管理職:現場の課題解決を通じて、変革を推進する
3.現場の従業員:変革への抵抗から、自ら参加する姿勢へ
◇大学と実践者の共同研究から生まれた、新たな組織変革の知見
本書は、2021年9月に始まった、アイアルマーズ株式会社と同志社大学中小企業マネジメント研究センターとの共同研究の成果です。
中小企業論に加え、組織論、戦略論、人的資源管理論など、多様な専門分野の研究者が参画。インタビューやアンケート、テキスト分析など、複数の手法を用いて武州工業の組織変革を分析しました。
また、研究者と実践者が定期的に対話を重ね、学術的な知識と現場で培われた実践的な知識を融合させてきました。
このような、研究者と実践者が協働し、現実の課題に向き合いながら知識を生み出す研究のあり方は、「エンゲージド・スカラーシップ」と呼ばれます。
本書は、現場での支援経験を学術的な分析につなげることで、経験や感性に頼るだけではない、根拠に基づく組織変革支援の可能性を示しています。
◇中小企業の未来を支える、組織づくりのヒントに
人手不足や事業承継、事業の多角化など、中小企業を取り巻く環境が変化するなか、社員一人ひとりが働きがいを持ち、主体的に力を発揮できる組織づくりの重要性は、ますます高まっています。
本書は、一社の組織変革を詳細に追うことで、経営者の想いを社員にどう届けるのか、中間管理職がどのように変革を推進するのか、そして社員が自社の価値観を共有し、主体的に行動する組織をどう築くのかを考える手がかりを提供します。
アイアルマーズ株式会社は、今後も企業の組織づくりや事業承継に伴う課題に向き合い、実践と研究の両面から、企業の持続的な成長を支援してまいります。
経営者や人事・組織づくりに携わる方々をはじめ、中小企業の未来に関心を持つすべての方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
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書籍情報
書名: 『中小企業の組織変革とマネジメント』
編者: 関智宏
研究・協力: 同志社大学中小企業マネジメント研究センター、アイアルマーズ株式会社
出版社: 同友館
定価: 3,520円(税込)

編者プロフィール ・同志社大学中小企業マネジメント研究センター
関智宏(せき ともひろ)
同志社大学商学部教授。博士(経営学)。中小企業の経営や企業家活動などを研究テーマとし、中小企業の持続的な成長や経営課題について研究を行う。アイアルマーズ株式会社との共同研究では、研究者と実践者の協働を通じて、中小企業の組織変革のプロセスを分析。本書では、学術的な視点から組織変革とマネジメントに関する知見を示している。著書に『中小企業とアントレプレナーシップ:危機や逆境を乗り越える企業家活動プロセス』(白桃書房、2025年)、『新型コロナウイルス感染症と中小企業』(編著、同友館、2022年)など。

協力 アイアルマーズ株式会社
アイアルマーズ株式会社は、組織改革コンサルティングや人事評価制度の設計・運用などを通じて、企業の組織づくりや人材育成、経営課題の解決を支援しています。
代表者プロフィール
堀部直紀(ほりべ なおき)
アイアルマーズ株式会社 代表取締役社長。2006年に同社を創業し、中小企業の採用支援を起点に、人材育成や人事制度、組織改革、生産性向上などを支援。これまでに400社以上の支援実績を持つ。同志社大学中小企業マネジメント研究センターとの共同研究にも取り組む。著書に『世代交代があなたの会社を強くする:事業承継の成功法則』(ダイヤモンド社、2015年)がある。
会社概要
会社名: アイアルマーズ株式会社
所在地:東京都港区白金台3丁目19-6 白金台ビル4階
代表者:代表取締役社長 堀部直紀
設立年月日: 2006年7月31日
事業内容: 組織改革コンサルティング、人事評価制度設計・運用、人材育成支援など
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