​​ー救急車と民間救急サービスに関する市民意識・実態調査レポートを公開ー

川崎市民1,030名のうち救急車を呼んだ市民の約2割が「本当に呼んでよかったか迷った」と回答/民間救急サービス認知度は28.5%にとどまるも、約8割が肯定的評価

一般社団法人OPHIS

一般社団法人OPHIS(所在地:東京都世田谷区、代表理事: 匂坂 量)は、神奈川県川崎市在住の一般市民1,030名を対象に、救急車利用および民間救急サービスに関する意識・実態調査を2025年10月に実施しましたので、その結果をお知らせいたします。

<調査レポートについて>

本調査の分析結果をまとめた調査レポートを公開しております。

全25ページ

1.要約

2.調査の背景

3.調査の概要

4.調査対象者の基本特性

5.調査結果<単純集計>

6.調査結果<クロス集計>

7.考察・分析

付属資料1:救急搬送に関する詳細背景

付属資料2:本調査の質問票

付属資料3:本調査の回答フロー

▼調査レポートのダウンロードはこちら

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<調査実施の背景と目的>

日本では超高齢化により119番通報による救急出動件数が継続的に増加しており、救急車の稼働率上昇により真に緊急性の高い事案への対応に支障をきたすケースが発生しています。

実際、神奈川県川崎市でも令和6年中の救急出場件数は89,114件(川崎市消防局 令和6年中の火災・救急件数等の概況(速報))で、過去最多の出場件数となりました。

こうした背景がある中、神奈川県川崎市は第3期実施計画において「消防機関の救急車に代わる転院搬送手段の調査検討」を掲げているため、今回対象地域として選定しました。

本調査では、市民の救急車利用に対する意識や認知度、利用実態を明らかにし、適切な救急搬送手段の選択に必要な情報や仕組みについて検討するための基礎データを収集することを目的としました。


<調査結果サマリー>

1. 救急車利用の現状認識と実態    【6割が需要増加を認識、約2割が判断に迷い】

市民の約6割が近年の救急要請件数の増加を認識していた。また、救急車を呼んだ経験者の約2割が「本当に呼んでよかったか迷った」と回答した。

Q7.消防の救急車を呼んだ際、不安や気になることはありましたか。(いくつでも)

2.民間救急サービスの認知と可能性【7割が期待も、認知は3割未満】

民間救急サービス(緊急性の低い患者搬送を行う有料サービス)の認知度は28.5%にとどまるが、「救急車の代替手段になる」との回答は75.1%、許容価格「〜10,000円」までが78.2%を占めた。

Q15.緊急性の低い119番通報に対して、民間救急は消防の救急車に代わる搬送手段となると思いますか。

3. 有料化への賛否と課題【8割が賛成も、低所得層は費用負担に懸念】

緊急性の低い搬送の有料化に80.9%が賛成した。ただし世帯収入200万円未満の層(n=51)では反対率が33.3%と他の収入層より高く、費用負担への懸念が示された。

Q14.適切ではない119番通報を減らすために、緊急性の低い搬送に対して有料化することについてどう思いますか。(世帯収入別)

<本調査から得られた示唆>

有料化に対する市民の受容性は全体として高く、年齢・地域・経験による差は見られませんでした。

ただし、世帯収入200万円未満の層では有料化への反対率が33.3%と他の収入層より高く、「費用負担への懸念」が示されました。一方、民間救急が代替手段になるかについては、低所得層も約70%が肯定的であり、サービス自体への期待は高いことが分かります。

また、救急車を呼んだ経験者の約2割が「本当に呼んでよかったのか迷いが残った」と回答しており、選択肢が増えることで判断に不安を感じる市民も一定数存在することが明らかになりました。


<調査概要>

【調査名】

緊急時の医療搬送と移動手段に関するアンケート

【調査の目的】

神奈川県川崎市における市民の救急車利用に対する意識、民間救急サービスの認知度、利用実態を把握すること。

【調査方法】

調査委託先 :株式会社マクロミル

調査手法  :インターネットリサーチ

調査対象者 :神奈川県川崎市在住の一般市民、20歳以上の男女

回答者数  :1,030人

割付方法  :性年代各103人

【調査実施期間】

2025年10月02日(木) ~ 2025年10月05日(日)

【サンプリング方法】

WEBアンケートにて先着順で性年代ごとの回収目標に達した時点で回収を終了。

【アンケート調査項目】

Part1:基本情報について

Part2:医療機関の利用状況について

Part3:消防の救急車(119番)について

Part4:民間の救急サービスについて

【統計解析】

アンケートの集計については、単純集計およびクロス集計を行った。

【プライバシーの保護と倫理的配慮】

本調査への参加は任意であり、回答は匿名で実施した。


<本報告書の利用について>

本報告書の内容を引用・転載する場合は、出典を明記してください。

【出典記載例】

一般社団法人OPHIS「川崎市における医療搬送サービスに関する実態調査 市民アンケート調査レポート」(2025年)


<調査データの提供について>

本調査の回答データは、自由記述回答を除いた形式で研究者・実務者の方に提供可能です。

使用目的は非営利活動に限らせていただきます。

ご希望の方は下記までお問い合わせください。

本報告書に関するお問い合わせ

一般社団法人OPHIS

E-mail: info@ophis-ems.org


団体概要

一般社団法人OPHIS(オピス)は、超高齢化社会における救急搬送体制の持続可能化を目指す非営利団体です。

救急搬送制度改革事業、調査研究事業、救急システム支援事業の3つを活動の柱とし、救急救命学の専門性と地域課題解決の知見を組み合わせることで、官民連携型救急搬送システムの実現に取り組んでいます。

団 体 名: 一般社団法人OPHIS(オピス)

代表理事 : 匂坂 量(国士舘大学防災・救急救助総合研究所 講師)

設 立 日: 2024年1月

所 在 地: 〒156-0043 東京都世田谷区松原3丁目27番10号

ホームページ : https://ophis-ems.org

【お問合せ先】

  一般社団法人OPHIS(オピス)

  email: info@ophis-ems.org

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会社概要

一般社団法人OPHIS

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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都世田谷区松原 3-27-10
電話番号
-
代表者名
匂坂 量
上場
未上場
資本金
-
設立
2024年01月