スキル・キャリアアップ促すイネーブルメント施策、導入率が最低の「部署異動時のオンボーディング」が他職種の効果実感ランキング1位に。人事は「1on1」を最も効果的と感じるが他職種は8位と大きなギャップ
【エンプロイーサクセス実態調査2024 vol.2】
※1 エンプロイーサクセス:会社が社員を成功に導き、それによって業績を上げていくことを目指す、包括的な取り組み
※2 イネーブルメント:社員が業務を通じて成果を出すことができるように導く人材育成の仕組みのこと。継続的にスキルアップ・キャリアアップを促すための取り組みや仕組みづくりも含む
調査背景
エンプロイーサクセスとは、会社が社員を成功に導き、それによって業績を上げていくことを目指す、包括的な取り組みを意味します。企業の採用計画に占める中途採用比率の上昇と増加傾向にある離職率、DXへの構造変化によるスキルアップ要請、人的資本経営開示によるエンゲージメント向上への関心といった企業を取り巻く環境の変化に対応した、新しい人事のパラダイムシフトです。
エンプロイーサクセスを構成する要素は、大きく「エンゲージメント」「イネーブルメント」「セレブレーション」の3つに分解できます。そのため、実現に向けて様々な施策に並行して取り組む必要があります。
今回、エンプロイーサクセスの実態を把握するために行った本調査から、イネーブルメント施策の15項目に焦点を当て、取り組み状況や満足度について分析を行いました。
<イネーブルメント施策>
調査結果サマリー vol.2 イネーブルメント編
1.イネーブルメント施策の導入率ランキング
-研修や資格取得支援など、座学を中心とした学習機会を提供する施策が上位を占め、1on1やオンボーディング、キャリア相談など実務・業務やキャリアに直結する施策の導入率は低い傾向。
-半数以上の企業が入社時のオンボーディングを導入する一方、昇格時や部署異動時に実施する企業は30%未満。
2. 人事・他職種が効果を感じる施策ランキング
-人事が最も効果を感じる施策「1on1」、他職種ではランク外、効果実感に大きな差。
-導入率最下位の「部署異動時のオンボーディング」が、他職種の最も効果を感じる施策1位に。
3. 人事・他職種が効果を感じない施策ランキング
-人事・他職種ともに効果を感じない施策TOP2、「eラーニング」「ランチ会、シャッフルランチなど同期入社、他部署間の交流施策」と共通。
4. 人事が導入したい・他職種が導入してほしい施策ランキング
-人事・他職種ともに導入を希望する施策1位は「従業員の経験やスキルの可視化による、業務の相談窓口の可視化」。
-他職種は自身のキャリアアップや挑戦につながる施策を求める傾向、人事が重要視する社内交流施策はランク外に。導入施策決定時には他職種の要望を適切に把握する必要あり。
5. 未導入のイネーブルメント施策、実施できない理由ランキング
-導入したい施策1位「従業員の経験やスキルの可視化による、業務の相談窓口の可視化」、方法やツールがわからないの声多数。
調査結果詳細
1.イネーブルメント施策の導入率ランキング
人事と他職種を対象に、イネーブルメントのために導入している施策について質問したところ、1位「年次・役職・階層別の研修・トレーニング(64.0%)」、2位「受講費用の負担など資格取得支援制度の導入(63.2%)」、3位「eラーニング(学び/ビジネス系の動画見放題)(60.4%)」、4位「外部セミナーへの参加など学びの場を提供する施策(59.7%)」、5位「入社後の定期的なフォロー面談(58.8%)」という結果となりました。
6位から10位は、1on1やオンボーディング、ジョブローテーションの活性化やキャリア相談など、実務・業務やキャリアに直結する施策が挙げられ、上位5位にランクインした座学を中心とする施策と比較して導入率が低い傾向が見られました。
またオンボーディングプログラムを実施するタイミングについて、「新卒・中途社員の入社時」には52.6%の企業が導入する一方で、昇格時は34.4%、部署異動時は29.3%の導入率となりました。入社タイミングを過ぎると、社員が業務のキャッチアップや更なる学びを深めるためのサポートが手薄となっている傾向が見て取れます。
2. 人事・他職種が効果を感じる施策ランキング
人事・他職種それぞれに、自社で導入されている施策のうち、その効果について質問したところ、人事の1位は「1on1など、マネジャー、リーダーからのフィードバックやコーチングなどのサポート体制」、他職種の1位は「部署異動時のオンボーディングプログラム」となりました。
人事が最も効果を感じている「1on1など、マネジャー、リーダーからのフィードバックやコーチングなどのサポート体制」は他職種ではランク外の8位となり、人事と他職種との効果実感にギャップが見受けられました。
また他職種が最も効果を感じている「部署異動時のオンボーディング」の導入率は最下位の29.3%となり、70%超の企業が未導入だと明らかになりました。
3. 人事・他職種が効果を感じない施策ランキング
同じく、効果を感じて“いない”施策について質問したところ、人事・他職種ともに1位は「eラーニング(学び/ビジネス系の動画見放題)」、2位は「ランチ会、シャッフルランチなど同期入社、他部署間の交流施策」となりました。
効果を感じている施策のランキングは人事・他職種間のギャップが大きい一方で、効果を感じて“いない”施策については人事と他職種の見解が共通していることがわかりました。
また導入率ランキング1位で、64.0%の企業で導入されている「年次・役職・階層別の研修・トレーニング」が、他職種が効果を感じて“いない”施策の5位にランクインしており、導入率が高い一方で効果実感が低い結果となっています。
4. 人事が導入したい・他職種が導入してほしい施策ランキング
人事・他職種を対象に、自社で未導入だが導入を希望する施策について質問したところ、人事・他職種ともに1位は「従業員の経験やスキルの可視化による、業務の相談窓口の可視化」となりました。
他職種は資格取得など、自身のキャリアアップや挑戦につながる施策を求めている傾向があり、人事が挙げた社内交流施策はランク外となるなど差分が見られることから、施策の導入時に他職種の要望を適切に把握する必要がありそうです。
また「部署異動時のオンボーディングプログラム」は、他職種が効果を感じる施策1位にもかかわらず、未導入企業では要望が顕在化していない傾向。「経験しないと効果に気付きづらい」可能性が見込まれます。
5. 未導入のイネーブルメント施策、実施できない理由ランキング
人事を対象に「未導入だが導入を希望する施策」について、実施できない理由を質問したところ、上位4項目中3項目の施策で「人手・リソースがない」という理由がトップに挙がりました。
人事・他職種が導入を希望する施策1位「従業員の経験やスキルの可視化による、業務の相談窓口の可視化」が実施できない背景としては、方法やツールがわからないという理由が上位に挙がっています。
過去のプレスリリースについて
・従業員のエンゲージメント向上施策について
エンプロイーサクセス実態調査2024 vol.1(2024/6/11)https://peoplex.jp/news/7XP6rzSw
詳細レポートのお申し込み先
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https://peoplework.jp/contact/request/research202401
調査概要
調査時期:2024年5月10日から2024年5月13日
調査方法:インターネット調査
調査機関:マクロミル
調査対象:人事業務に従事する正社員1031名、人事以外の業務に従事する正社員1026名、計2057名
PeopleX 会社概要
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