若年層と中高年層でソーシャルプロダクツの異なる購買傾向

キーワードは「コト消費」、「プチ貢献」

一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)

一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(略称:APSP、所在地:東京都中央区、会長:江口 泰広)は、株式会社SoooooS.カンパニー(所在地:東京都中央区、代表取締役:木村 有香)と合同で、2012年から継続しており今回で15回目となる「生活者の社会的意識や行動を探るためのアンケート調査」の結果を公開しました。

【調査結果のポイント】

(1)  生活者の3割強がソーシャルプロダクツを購入、5割強が購入意向あり

(2)  若年層はソーシャルプロダクツを「コト消費」、中高年層は「モノ消費」

(3)  若年層は「消費に対する責任感」から、中高年層は「プチ貢献」としてソーシャルプロダクツを購入

(4)  若年層は自分の「関心が高く参加可能」な人や地球にやさしい取り組み、中高年層は「商品価格に影響を及ぼさない」最小限の取り組みが、ソーシャルプロダクツの購入意欲を喚起

 

【ソーシャルプロダクツとは】

社会的課題の解決につながる商品・サービスを指します。フェアトレードやオーガニック、エコ(環境配慮)、復興支援といった、人や地球、地域社会に配慮があり、SDGs(持続可能な開発目標)の達成につながる商品・サービスの総称です。

※ソーシャルプロダクツの定義:http://www.apsp.or.jp/socialproducts/

【調査結果】

(1)生活者の3割強がソーシャルプロダクツを購入、5割強が購入意向あり

ソーシャルプロダクツの購入について質問したところ、2025年の調査結果においていずれかのソーシャルプロダクツ(「フェアトレード商品」「オーガニック商品」「エコ商品」「寄付つき商品」「地域や伝統に根ざした商品」「障害者支援商品」「復興支援商品」)の購入を「現在行っている」回答率は32.7%でした。その中でもトップ3は、第1位「エコ商品の購入」(21.8%)、第2位「オーガニック商品」(14%)、第3位「地域・伝統に根差した商品」(11.8%)でした。

また「将来的に行っていきたい」という回答では、いずれかのソーシャルプロダクツ(「フェアトレード商品」「オーガニック商品」「エコ商品」「寄付つき商品」「地域や伝統に根ざした商品」「障害者支援商品」「復興支援商品」)の回答率は52.5%でした。その中でもトップ3は、第1位「復興支援商品の購入」(32%)、第2位「寄付つき商品の購入」(30%)、第3位「エコ商品の購入」(29.3%)でした。

つづいて、各ソーシャルプロダクツを現在行っているか(購入率)・将来的に行いたいか(購入意向率)について、2021年~2025年の推移を見てみます。いずれの年・ソーシャルプロダクツにおいても購入率は購入意向率より低く、行動と意識のギャップに課題があると考えられ、それらのギャップは概ね横ばい傾向にあります。また購入率と購入意向率をそれぞれ2021年と2025年で比較すると、全体的に減少傾向の中、「フェアトレード商品」の購入率は1.2ポイント、「寄付つき商品」の購入率は0.5ポイントの増加がみられました。

図1:過去5年間のソーシャルプロダクツ購入率と購入意向率の推移(N=各年600、MA)

最後に、2025年のソーシャルプロダクツ購入率を年代別に見てみると、ソーシャルプロダクツ7ジャンルのうち、5ジャンル(フェアトレード商品、オーガニック商品、寄付つき商品、地域や伝統に根ざした商品、障害者支援商品)において、20代・30代の購入が上位を占めています。その一方で、7ジャンルのうち、いずれか1つ以上(ソーシャルプロダクツ)を購入している回答者の割合は、50代・60代が最多という結果も見られました。

上記の結果から、若年層では一部の生活者がさまざまなジャンルのソーシャルプロダクツを購入し、逆に高齢層では多様な生活者が特定のジャンルを購入する傾向があると推測できます。

図2:年代別・ジャンル別のソーシャルプロダクツ購入率(N=600、MA)

(2)若年層はソーシャルプロダクツを「コト消費」、中高年層は「モノ消費」

2025年の商品カテゴリー別のソーシャルプロダクツ購入率において、全体では「食品・飲料」(71.4%)が最も高く、2番目に高い「日用雑貨」(28.6%)と、42.8ポイント差があるようです。年代別で見ていくと、20代・30代は「ペット用品」「旅行」といった体験や娯楽にまつわるカテゴリーの回答率が他の年代と比べて高い一方で、40代以上は「食品・飲料」「日用雑貨」といった最寄品・日用品の回答率が高い傾向が見られました。

これらの結果から、若年層は家族、友人、ペットと一緒に過ごす特別な時間など「コト消費」において、逆に中高年層は普段の買い出しといった日常生活の延長にある「モノ消費」において、ソーシャルプロダクツが選択されている実態が浮かび上がります。

図3:年代別・商品カテゴリー別のソーシャルプロダクツ購入率(N=600、MA)

(3)若年層は「消費に対する責任感」から、中高年層は「プチ貢献」としてソーシャルプロダクツを購入

ソーシャルプロダクツの購入経験者にその理由を質問したところ、2025年の調査結果におけるトップ3は、第1位「社会的課題の解決につながると思うから」(38.8%)、第2位「人や地球にやさしい取り組みに、共感できるから」(37.8%)、第3位「気軽に社会貢献できるから」(35.2%)でした。年代別で見ていくと、20代が他の年代と比べて突出して高い項目として、「消費者としての責任だと思うから」「家族・知人・世間が、購入しているから」「自分らしさが反映されると思うから」「デザインが洗練されているから」「品質が高いから」の5つが目立っています。また40代・50代は、「人や地球にやさしい取り組みに、共感できるから」「気軽に社会貢献できるから」の2つの高さが顕著でした。

これらの結果から、今後の消費を担う20代の中には、購入商品が人や地球に与える影響に責任感をもって消費しており、そうした価値観に周りから影響を受けたり、自分らしさを投影したりする層が存在するようです。そのような若年層は、ソーシャルプロダクツの社会性だけでなく、デザインや品質など商品性も評価して購入している可能性があります。一方、中高年層は人や地球にやさしい取り組みに共感できた際に、気軽な社会貢献(プチ貢献)といった感覚でソーシャルプロダクツを購入していると考えられます。

図4:年代別のソーシャルプロダクツ購入理由(N=196、MA)

(4)若年層は自分の「関心が高く参加可能」な人や地球にやさしい取り組み、中高年層は「商品価格に影響を及ぼさない」最小限の取り組みが、ソーシャルプロダクツの購入意欲を喚起

どのような「人や地球にやさしい取り組み」であれば、ソーシャルプロダクツを購入したいと思うか質問したところ、2025年の調査結果におけるトップ3は、第1位「自分の関心が高い取り組み」(24.3%)、第2位「地球環境や社会にとって、より深刻な問題の解決につながる取り組み」(19.7%)、第3位「自分も参加可能な取り組み(ボランティアや寄付、SNSでの拡散など)」(18.7%)でした。また「いかなる取り組みでも、購入にはつながらない」(29.3%)生活者は約3割であったことから、逆に言うと、7割程度の生活者は人や地球にやさしい取り組みが商品の購入意欲に好影響を及ぼすようです。

図5:年代別のソーシャルプロダクツ購入につながる人や地球にやさしい取り組み(N=600、MA)

年代別に見てみると、「最小限の取り組み(商品の価格や品質に影響を与えない範囲の予算など)」の回答率が10代・20代は全体より低く、40代・50代は高い傾向が見られました。また10代・20代は、「自分の関心が高い取り組み」「自分も参加可能な取り組み(ボランティアや寄付、SNSでの拡散など)」の回答率が全体と比べて高い水準でした。

上記の結果から、若年層は自分の関心がある社会問題の解決に参加できることが購買意欲の喚起につながり、そのためのコスト負担も少なからず受け入れられるようです。一方、中高年層はコスト負担に敏感で、人や地球にやさしい取り組みのコストを商品価格に転嫁しすぎない工夫や、取り組みを通した社会的価値の適切なコミュニケーションが重要であると考えられます。

【まとめ】

今回の調査では、全体としてソーシャルプロダクツの購入率・購入意向率は横ばいか減少傾向にあるものの、依然として生活者の3割強がソーシャルプロダクツを購入しており、さらに5割強が購入意向を有していることが明らかになりました。また年代によって、ソーシャルプロダクツの異なる消費傾向も浮かび上がりました。

若年層には、さまざまな種類のソーシャルプロダクツを購入する社会的意識の高い層が一定数存在するようです。そうした層は、最寄り品や日用品だけでなく体験や娯楽など、いわゆる「コト消費」としてもソーシャルプロダクツを購入していました。その背景としては、責任ある消費を志向する価値観を周囲と共有し合ったり、そこに自分らしさを見出したりといった傾向がうかがえました。こうした社会的意識の高い若年層には、関心のある社会問題の解決に参加できるキッカケを提供することで、ソーシャルプロダクツの購入意欲を喚起し得る可能性も示唆されました。これらを総合すると、若年層は自身の関心や周囲との関係の中で、ソーシャルプロダクツを「コト消費」していると解釈できます。

中高年層は、ソーシャルプロダクツのジャンルや商品カテゴリーには偏りが見られるものの、購入者自体は若年層よりも幅広い現状が見て取れました。よく購入される商品カテゴリーとしては最寄り品や日用品、購入理由や購入意欲につながる要因としては気軽な社会貢献、商品価格に影響を与えない最小限の人や地球にやさしい取り組みなどが挙げられました。これらを総合すると、中高年層は日常生活の延長、かつ無理のない範囲において「プチ貢献」感覚でソーシャルプロダクツを購入していると解釈できます。

こうした年代ごとの消費傾向の違いは、ソーシャルプロダクツに関する意識(購入)と行動(購入意向)のギャップを埋める上でのヒントになるかもしれません。

当協会では、人や地球にやさしい商品を表彰制度である「ソーシャルプロダクツ・アワード(SPA)」を2012年より運営してきました。第13回目を迎え、3/26に表彰式が開催されたSPA2026では、「企業と社会課題を支援する/される関係ではなく、共創に変える取り組み」や「購入するだけで寄付や雇用創出につながる仕組み」など、今回の調査で見えた若年層・中高年層の消費傾向とも重なる観点が高く評価された計42の商品・サービスが選出されています。ぜひ参考・先進事例としてご覧ください。

SPA2026プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000155592.html

SPAホームページ:https://www.apsp.or.jp/socialproductsaward/

【本調査の概要】

調査名 :第15回「生活者の社会的意識・行動」に関する調査

調査対象:全国の10~60代の男女50人ずつ(計600人)

調査期間:2025年8月1日~8月2日

調査方法:クロス・マーケティング「QiQUMO」を利用したインターネット調査

【過去の「生活者の社会的意識・行動に関する調査」結果】

2015年: https://www.atpress.ne.jp/news/63217

2016年: https://www.atpress.ne.jp/news/100738

2017年: https://www.atpress.ne.jp/news/128586

2019年: https://www.atpress.ne.jp/news/204171

      https://www.atpress.ne.jp/news/214498

2020年: https://www.atpress.ne.jp/news/241161

2021年: https://www.atpress.ne.jp/news/302541

2022年: https://www.atpress.ne.jp/news/342646

2023年: https://www.atpress.ne.jp/news/389393

2024年: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000155592.html

【ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)とは】

ソーシャルプロダクツの普及・推進を通じて、生活者や企業などと共に、持続可能な社会の実現を目指す非営利の組織。

<協会概要>

名称 : 一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)

設立 : 2012年7月

所在地: 東京都中央区銀座5-12-5 白鶴ビル3F

会長 : 江口 泰広(学習院女子大学名誉教授)

URL : http://www.apsp.or.jp

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マーケティング・リサーチ
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会社概要

URL
https://www.apsp.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都中央区銀座5-12-5 白鶴ビルディング3階
電話番号
03-3248-5755
代表者名
江口紘一
上場
未上場
資本金
-
設立
2012年07月