多点の工事振動の見える化をIoTで実施
〜振動状況を一目で確認し、ピンポイントな振動対策へ〜
CACH(カック)㈱(東京都江東区、代表取締役:鈴木良昌、以下CACH)は加速度センサを活用した多点振動モニタリングシステム(揺れウォッチャー®)を開発しました。本システムは振動データを Web アプリ上で図面等に重ねて表示することで、工事現場全体の振動状況を見える化します。小型のIoT機器を多点に設置することで、ピンポイントな振動対策に貢献します。既に一部顧客に試験導入され、本格提供の予約を開始します。
揺れウォッチャーを活用した工事現場の管理
従来の振動計測での工事現場の管理
- 揺れウォッチャー開発の背景
工事現場周辺の振動による工事停止や計画変更
振動に関わる苦情の件数は平成29年度では3,229件あります。
内訳で最も多いのが建設作業で2,178件(全体の67.5%)※1となっています。
これらの苦情により工事停止や計画変更を余儀なくされることがあります。
現場状況によって苦情の原因特定が困難
工事現場の周辺環境や地盤、工事の種類や重機によっても振動の伝わり方は異なります。
さらに、人によっても振動への感受性が異なります。
振動の場所が不明確なため有効な対策が講じにくい
従来の工事現場では1か所程度の振動計測を行っておらず、苦情発生後に、場所や原因の特定することが困難でした。
そのため、有効な対策を講じにくく、近隣住民への迷惑や、工事遅延リスクが高まっていました。
- 揺れウォッチャーの導入実績と顧客の声
揺れウォッチャーの工事現場での設置状況
多点振動データの一覧表示(左)と各振動の周波数や強さを表示(右)
工事現場でご利用中の大手ゼネコンA社の声
・現場の振動の状況が一目で分かり、作業状況と照らし合わせられるので、迅速な対策を打つのに非常に有効。
・重機の運転操作の改善で55デシベル(震度1程度)以上の振動発生が70%削減した。
・機器の設置が簡単なので、工事の進捗に合わせた計測地点の機器の移動がカンタンにできる。
都内工事現場の発注者B社の声
・振動の情報(周波数など)が即座にわかるため、原因特定がしやすい。
・多点の計測データで管理をしているのは説得力があり、近隣住民の方にも説明がしやすい。
・ほぼリアルタイムにデータを見ることができるので安心感が得られる。
- 揺れウォッチャーの特長
従来の計測機器と揺れウォッチャーの比較
小型で電池駆動のため簡単設置
従来の計測機器のように外部電源は必要ありません。
本システムは手のひらに収まる8cm角の揺れウォッチャーを現場に設置し、電源をいれてすぐに計測が開始されます。
データ分析は機器内で実施し即座にデータ確認が可能
従来の計測機器は振動を計測後、PCにデータを入力して、分析をする必要がありました。
本システムは多点に設置された揺れウォッチャーが振動を検知し、機器内で振動分析行います。分析結果はスマホ等で即座に確認が可能です。
周波数分析や多点計測により振動原因の特定へ貢献
機材や重機によっては振動の周波数に特徴があります(解体などに使うハンドブレーカーの主要な周波数は60ヘルツ、H形鋼などの打ち込みに使うバイブロハンマーは12〜20ヘルツ)。
多点での計測に併せ、これらの分析により場所や振動原因の特定がしやすくなります。
- 今後の展望としての振動ビッグデータの活用
施工方法の違いや、活用している重機の違い等による振動ビッグデータを蓄積することにより、将来的には、精度の高い振動原因の特定をすることで、さらなる近隣住民への配慮や工事現場の生産性向上に貢献致します。
- 本システムのプレスリリースや予約に関する問合せ先
CACH株式会社
会社web :https://www.cach-inc.com
E-mail :info@cach-inc.com
揺れウォッチャーサービスweb:https://www.yure.tech/
CACHは独自のIoTデバイスの開発およびサービスを提供するスタートアップ企業です。2018年より構造物の監視サービスを提供し、大手ゼネコン、建設コンサルタント、鉄道会社、プラント関連企業、大学、住宅管理企業、公的研究施設などで導入が進んでおり、同サービスは国土交通省の技術カタログ※2に掲載されています。
※1 環境省 平成29年度振動規制法施行状況調査
※2 点検支援技術性能カタログ(案)に「電源不要で変位・応力・荷重等のデータをスマホで確認可能な技術」として掲載 技術番号(CM010003-V0020)
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/inspection-support/pdf/c/CM010003.pdf
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