患者エンパワーメントを高めるPPI活動 「RARE」の上映会を開催
Dream Bridgeと株式会社ピアハーモニーが、難病・希少疾患患者向けに「RARE」を上映
Dream Bridge(以下、DB)と株式会社ピアハーモニー(以下、ピアハーモニー/本社:東京都練馬区、代表取締役社長:深井祐太)は、「ヘルマンスキー・パドラック症候群(HPS)」という非常に「レア(稀)」な疾患を抱えて生きる患者と家族、臨床試験に臨む医師の姿を描いたドキュメンタリー映画である「RARE」を、難病患者とそのご家族向けに初上映したことを発表いたします。
RAREとは
DBが主催する「RARE」は、患者の日常と挑戦、医療者と患者との関係性、親の思い、新しい薬が開発される希望などを映しだしており、見落としてしまいそうになるような医師と当事者(患者とその家族)の苦難や葛藤を知ることのできる為、製薬機関や病院などで倫理教材の題材として日本国内でも25社以上で使用されてきました。また、PPI(Patient and Public Involvement)の一環としても活動しております。
ピアハーモニーとのコラボレーションのきっかけ
日本語字幕版「RARE」は国内で企業や病院を対象に上映経験はありましたが、患者向けの上映会を行ったことはなかったため、上映の際、ポジティブな反応が理解を得られる、不快な思いをさせないかなど大きな疑問や不安を抱えていました。そんなある日、DBはピアハーモニーが実施する「患者スピーカー講演会※」を知りました。「患者の声を医療業界に届ける」という目的に共感を覚えたDBは、ピアハーモニーとの共同上映会の開催を決意しました。
患者・ご家族向けに上映会を実施するまで
上映の際、ポジティブな反応が理解を得られるなどの疑問はありましたが、「RARE」をきっかけに、患者エンパワーメント及びPPI活動のきっかけとなる可能性を探りたかったため、以下のような方法で実施しました。
実施計画の流れ
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ピアハーモニーとのエンゲージメントが高い信頼できる少人数の患者・ご家族のコミュニティを形成し試写会と意見交換会をおこなう
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いただいたご意見をもとにより広範な患者さんとその家族に向けた上映会を実施
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上映会から得られた評価を分析し、今後の映画の上映活動・PPI活動に反映
【映画上映後の感想】
・心が躍る瞬間があった
・医師はもちろん一般の人も含めて多くの人に見て(知って)ほしいと感じました
・患者さんが動いて医療者を巻き込んでいる
・治験の実際を知る上で、検討している方にとってためになる映画である など
「RARE」上映会
上映会は以下の日程で行われ、上映後にアンケートを実施しました。
アンケートにおいて、「RAREを他の患者さんやご家族などに薦める可能性は、どのくらいありますか?」の質問から「0-10の11段階」で回答を取得し値を算出しました。
上映日時 |
2024年3月30日(土)10:00~11:30 |
対象者 |
ピアハーモニーが運営するコミュニティorピアハーモニー会員 ※一部関係者 |
視聴数 |
約60名 |
アンケート期間 |
2024年3月30日~4月3日 |
有効回答者数 |
17名(患者さんまたはその家族の回答) |
推奨度が高いほど、今後の「RARE」を他の方に薦める意向も高い傾向に
「RARE」を視聴いただいた患者さんまたはご家族において、今後この映画を他の患者さんやご家族などに薦める意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は59%、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は35%、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は6%となり、NPSスコア(推奨者ー批判者)は53でした。
回答理由や感想コメントについて
「RAREを他の患者さんやご家族などに薦める可能性は、どのくらいありますか?」の質問に対して、その推奨度を選んだ理由についてコメントをいただいております。
「推奨度」の質問に対して、その解答を選んだ理由を教えてください。 |
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推奨者 |
・ただ悩むのではなく、解決しよう、治そうとする姿勢があった。仲間がいることの安心感や心情を吐露できる場所のありがたさ、必要性を強く感じた。 ・患者本人だけでなく、その家族の想い、医師の想い、薬が出来るまでの苦労が良く分かる映画で、同病仲間の繋がり、医師との信頼関係も是非見て欲しいと思いました。 |
中立者 |
・難病という疾患を持っている私には共感できることが多々ありました。葛藤の部分も喜びの部分も。同じ病気を持っている人たちとの関わりは感謝しています。 ・今回のように制作者の方の背景の説明や一緒に鑑賞する機会(ピア・ハーモニーさん経由で限定されたメンバーでの鑑賞会)があったのが、安心して楽しめるポイントかなと思いました。 ・希少疾病の患者さんに対する認知を高められたらと思うので自分としては極力進めていきたい気持ちはあるものの、周りの人たちを思い起こすとそんなに興味を持たないだろうとも思い、薦めても見ると言わない人に強制はできないよなと思います |
批判者 |
・価値観は人それぞれなので、合わない方に進めても意味が無いと考えた。 |
映画について感想、ご意見、改善点などがあれば自由にお書きください。 |
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推奨者 |
・困難に対して明るくポジティブに捉えて声に出す姿をとても素晴らしく思いました。私もそのようになりたい。そんな前向きな気持ちにさせてくれた映画でした。 ・治験を行い新しい薬を作ることはこんなに大変なことがわかった。また患者自身が治験を支えるということがいかに重要か、なによりアメリカ人の勇気と行動力に感銘を受けた。 ・患者や家族側視点だけではなく、医師目線の気持ちを垣間見え、医師故の苦悩を知りました。医師である前に一人の人間だと温かな気持ちにもなり、お互いの立場を尊重しあい、同じ目的に向かって進むチームなのだと感じました。 ・自分の治療には間に合わなくても、今後の患者さんの役に立ちたい!という思いを持っている人が、私の周りにも沢山いるので、どの国でも同じだなと嬉しく思いました!全映画館で上映して欲しい!と思うくらい、素敵な映画でした。 |
中立者 |
・事前に説明はあったが、映画の中で先が短いのが分かっているというような内容の医師の発言は今状態が悪い患者さんやその関係者にしたら別の疾患や状況は違う事が分かっていても、ショックを受ける場面になるのではないかと思った。 ・映画の内容も感激でしたが、リアルタイムでリアクションをみなさんと共有できる鑑賞会は初めてでしたので、そちらも感激いたしました ・患者数が少ない疾病の問題点や苦労など、わかりやすい構成で観やすかった。また登場した患者の方々も魅力的でした希少疾病は患者数が少ないから製薬会社の腰が重いというイメージでしたが、その病気を研究することで他の病気に効く薬の開発に繋がることもあるのか、などと新しい気づきにもなった自分のことだけではなく、後の世代の仲間たちのために、一度ダメだったからと諦めずに次の機会のために立ち上がった人々の強さに感動しましたよい映画を観る機会をくださって感謝です |
批判者 |
・ただ患者として治療している姿だけではなく、社会においてこういった形で貢献しているなどの活動内容があれば、大変参考になります。自分たちの在り方、が見えてくると思うので。 |
今後の活動
今回のアンケート結果を踏まえて、患者さんへの上映活動がポジティブな傾向であることがわかりました。また映画視聴後にSNS等で映画を薦めていただいている投稿があったことを踏まえて、患者エンパワーメントにより、ご自身で声を上げるPPI活動のきっかけにつながるのではないかと推測しております。
引き続き患者さんやそのご家族への上映活動はもちろん、社会や企業を巻き込んだ上映活動を目指してまいります。
Dream Bridgeについて
Dream Bridgeは2014年に当時14歳であった現代表が発足した20名程のメンバーで構成されるボランティア団体。スタンフォード大学生命倫理センターが2012年に制作したヘルマンスキーパドラック症候群(HPS)という遺伝性の希少疾患を持つ患者さんの治験プロセスを映すドキュメンタリー映画「RARE」の翻訳・字幕制作を行い、日本語字幕版「RARE」の国内での上映活動を行っている。過去に国内で25社以上の製薬系業、4大学、3高校、2臨床試験系の学会での上映を行っている。
団体名:Dream Bridge
代表者:迫田茉之サブリナ
設立:2014年4月1日
URL:https://dreambridge2014.themedia.jp/
株式会社ピアハーモニーについて
株式会社ピアハーモニーは、患者の声を医療の中心に置くことをミッションとしています。
その一環として難病疾患コミュニティの開設運営や患者スピーカー養成プログラムの実施に力を注いでおり、難病患者が孤立しない社会を目指しています。
また、難病患者の講演依頼やインタビューリクルート業務などを企業向けに提供。
社名:株式会社ピアハーモニー
代表者:代表取締役社長 深井 祐太
設立:2023年6月
本社所在地:東京都練馬区桜台1-38-6
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