「匠の技」をデジタルで自動化。複雑な3D形状へのレーザー肉盛り溶接を実現する「アドオンモジュール」を共同開発。

熟練工不足に悩む日本のものづくり現場へ。技術伝承と品質の標準化を支援し、2026年1月販売開始

GALAXYホールディングス株式会社

レーザー溶接機の販売からメンテナンスまでを一貫して担う、ドイツALPHA LASER社の日本正規輸入総販売元であるALPHA LASER JAPAN株式会社(本社:佐賀県鳥栖市、代表取締役:木元武一、以下ALPHA LASER JAPAN)は、製造業向け情報化支援ツール(CAD/CAM/CAEなど)の開発・販売を行う株式会社データ・デザイン(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:岡村隆德、以下データ・デザイン)と共同で、レーザー肉盛り溶接の自動化ソフトウェア「ALPHA LASER ポストアドオンモジュール」を開発いたしました。本製品は、2026年1月より販売を開始いたします。

本製品は、従来「熟練工の手作業」に頼らざるを得なかった金型などの複雑な3D形状(凹凸面・曲面)への肉盛り溶接を、CAMソフト上で自動プログラム化するものです。深刻化する製造業の人手不足と技術継承の課題を解決し、日本のものづくりの品質維持・向上に貢献します。

■開発の背景:業界の定説であった「3D自動化の壁」を、技術と信頼の融合で打破

製造現場が直面する「3D形状への自動化」の限界

製造業、特に金型補修などの現場では、熟練職人の減少と高齢化が深刻な課題となっています。しかし、一品一様で形状が異なる金型に対する肉盛り溶接は、平面(2D)での自動化は進んでいるものの、複雑な曲面(3D)への施工は技術的に極めて困難とされ、多くの現場で自動化が諦められていました。

転機となった「INTERMOLD 2025」での技術的合流

転機は、2025年4月の「INTERMOLD 2025(東京)」でした。当時、ALPHA LASER JAPANのグループ会社として共同出展していた愛知溶業株式会社(以下、愛知溶業)の代表・市川氏と、30年来の旧知の間柄であったデータ・デザインの担当者が会場で技術会談を実施。 愛知溶業とALPHA LASER JAPANが直面していた「自動化の壁」に対し、データ・デザイン側がALPHA LASER製溶接機の特性(高い操作性と高出力)を分析した結果、「このハードウェア性能があれば、ソフトウェア制御で解決できる」という技術的な確信を得たことが、開発の引き金となりました。

トライアルを重ね実用化を実現

その後行われた検証では、ALPHA LASER製溶接機の高いポテンシャルと、データ・デザインの高度な3Dデジタル技術が噛み合い、トライアルを重ねて実用レベルの動作に成功しました。 現場ニーズを知り尽くした愛知溶業、ハードウェアのプロであるALPHA LASER JAPAN、そしてソフトウェア技術を持つデータ・デザイン。3社の強固な信頼関係と技術の融合が、従来「不可能」とされていた3D自動溶接の壁を短期間で打ち破ることに成功しました。

■「ALJ ポストアドオンモジュール」3つの特長

1. 既存資産である「WORK NC」を活用し、マシニングを動かす感覚で3D溶接が可能に

多くの製造現場で標準化されているCAM「WORK NC」のアドオンとして動作するため、新たな専用ソフトの習得が不要です。普段使い慣れたマシニングセンタを動かす感覚で、既存のCAM操作環境でデータを変換し、熟練工の技術に匹敵する高精度な溶接パスを自動生成。導入直後から3D形状の溶接の運用が可能となり、立上げ工数を大幅に削減します。

2. 複雑な3D形状への追従性を高め、品質を「標準化」

従来、自動化が困難だった「曲面」や「不規則な凹凸」を含む複雑形状に対し、レーザー照射距離を自動制御して追従します。これにより、作業者の熟練度に左右されていた補修溶接の品質を均一化(標準化)。手作業では困難な高精度加工を安定して実現します。

3. 数値制御による「無人化」と「難加工材」への対応

電圧などの品質を左右する全溶接条件を数値でデジタル管理(DX化)することで、無人化を目指します。また、手作業では難易度の高い「ハードフェーシング(異種材肉盛り)」や、需要が急増する半導体製造装置向けアルミ部品などの加工にも対応し、加工現場の技術的対応力を飛躍的に向上させます。

■共同開発にあたってのコメント

深刻化する人手不足は、日本のものづくりにおける最大の壁です。どれほど優れた溶接機があっても、それを操る人がいなければ現場は止まってしまいます。長年、私たちが直面してきたこの難題を、データ・デザイン様のデジタル技術が打ち破ってくれました。ハードの性能を極限まで引き出すこの製品は、人手不足に悩む日本の製造現場の救世主になると確信しています。両社の技術の融合で、現場の未来を切り拓いてまいります。

ALPHA LASER JAPAN株式会社 代表取締役 木元武一

■製品概要

製品名

ALJ ポストアドオンモジュール

販売開始日

2026年1月予定

価格

要お見積もり

対応設備

ALPHA LASER レーザー溶接機

(詳細な対応機種はお問い合わせください)

必須環境

CAMソフトウェア「WORK NC」環境

■今後の展望

●「人による操作」から「無人化」へ。生産プロセスの変革

まずは、本製品による「熟練技能の平準化」からスタートしますが、目指す到達点は「無人化」の実現です。ALPHA LASER社溶接機が持つ高い連続稼働安定性と、本モジュールの自動制御を連携させることで、将来的には作業員が不在でもロボットが自動で補修作業を行うシステムを構築します。労働人口が減少する日本において、限られた人員で生産性を最大化させる「次世代の持続可能な工場モデル」を提唱します。

● 半導体・エネルギー(重工業)分野へ。「異種材肉盛り」と「大型設備の現地補修」

金型補修で培った技術を応用し、異なる金属を接合して耐久性を高める「ハードフェーシング」技術の自動化を推進します。 特に、需要が急増する半導体製造装置向けのアルミ部品や、発電所の蒸気タービンなどのエネルギー関連設備への対応を強化。さらに、ALPHA LASERの強みである「高出力・連続長時間稼動」に加え、「自走式(キャタピラ)」や「ロングアーム」といった機動力を活用。これまで持ち出しが困難だった大型部品の「オンサイト自動溶接」を実現し、重工業分野におけるメンテナンス課題の解決に貢献します。

● ハード×ソフトの融合による「中小製造業のDX」を加速

高度なロボット溶接の導入には、従来、専任のシステムエンジニアによる複雑な設定が必要であり、これが多くの中小企業にとって高い参入障壁となっていました。 本製品は、ALPHA LASER製の機体とWORK NCの連携をメーカーレベルで保証することで、高度なITスキルがなくとも運用可能な「実用的な自動化環境」を提供します。これにより、デジタル人材不足に悩む中小製造現場のDXを加速させ、日本のサプライチェーン全体の強靭化に貢献します。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

URL
-
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区日本橋兜町18番5号 シーラックグループ日本橋兜町ビル1階
電話番号
-
代表者名
市川修
上場
未上場
資本金
-
設立
2025年04月