【建設業の職人に調査】約8割が「賃上げの恩恵を実感できず」「価格競争に巻き込まれている」と半数以上が回答
〜技術の正当評価を望む声多数〜
建築市場株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:天野智弘)は、一都三県で建築施工に携わる専門的な技能を有する職人(一人親方・個人事業主、および企業に所属する職人)103名を対象に、建築施工職人の働き方と報酬に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。

● 01|建築施工職人の約8割が、「賃上げの恩恵を実感できず」
● 02|57.3%の建築施工職人が、「価格競争に巻き込まれている」と回答 中間マージンや相見積もりでの買い叩きが上位に
● 03|建築施工職人の76.7%が、将来への不安を実感 新規開拓の営業活動は74.7%が不十分という結果に
■調査概要
調査名称:建築施工職人の働き方と報酬に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2025年11月19日〜同年11月20日
有効回答:一都三県で建築施工に携わる専門的な技能を有する職人(一人親方・個人事業主、および企業に所属する職人)103名
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「建築市場株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■約8割の建築施工職人が、賃上げの恩恵「実感していない」
「Q1. あなたは、ここ1年ほどの世の中の賃上げの動きが、ご自身の報酬に反映されていると実感していますか。」(n=103)と質問したところ、「全く実感していない」が45.6%、「あまり実感していない」が33.0%という回答となりました。

・全く実感していない: 45.6%
・あまり実感していない: 33.0%
・やや実感している: 11.7%
・非常に実感している: 9.7%
■建築施工職人の約6割が、「価格競争に巻き込まれている」と実感
「Q2. あなたは、現在の仕事において、「技術・仕事の質」が正当に評価されていると感じますか。それとも「価格競争(安さ)」に巻き込まれていると感じますか。」(n=103)と質問したところ、「価格競争に巻き込まれていると感じる」が30.1%、「どちらかといえば、価格競争に巻き込まれていると感じる」が27.2%という回答となりました。

・価格競争に巻き込まれていると感じる: 30.1%
・どちらかといえば、価格競争に巻き込まれていると感じる: 27.2%
・どちらかといえば、技術・仕事の質が評価されていると感じる: 25.2%
・技術・仕事の質が正当に評価されていると感じる: 4.9%
・どちらともいえない: 12.6%
■価格競争に巻き込まれる理由、第1位「中間マージン」45.8%
「Q3. Q2で「価格競争に巻き込まれている」「どちらかといえば、価格競争に巻き込まれている」と回答した方にお聞きします。あなたが、ご自身の技術・仕事の質が正当に評価されず、価格競争に巻き込まれていると感じる理由を教えてください。(複数回答)」(n=59)と質問したところ、「元請けや上位の会社による中間マージンが多いから」が45.8%、「相見積もりで買い叩かれ、適正な価格が反映されないから」が42.4%、「価格交渉の場がなく、元請けから提示された金額をのむしかないから」が40.7%という回答となりました。

・元請けや上位の会社による中間マージンが多いから: 45.8%
・相見積もりで買い叩かれ、適正な価格が反映されないから: 42.4%
・価格交渉の場がなく、元請けから提示された金額をのむしかないから: 40.7%
・業界全体として、技術よりも価格(安さ)を優先する風潮が強いから: 39.0%
・技術の難易度や専門性を理解してもらえないから: 28.8%
・その他: 0.0%
・わからない/答えられない: 1.7%
■技術が評価されていると感じる理由、「元請けや設計者と、対等な立場で技術的な協議や提案ができるから」が45.2%で最多
「Q4. Q2で「技術・仕事の質が正当に評価されている」「どちらかといえば、技術・仕事の質が評価されている」と回答した方にお聞きします。あなたが、ご自身の技術・仕事の質が「正当に評価されている」と感じられる理由を教えてください。(複数回答)」(n=31)と質問したところ、「元請けや設計者と、対等な立場で技術的な協議や提案ができるから」が45.2%、「あなた(自社)だから」と、技術を理由に指名で仕事が来るから」が29.0%、「施主や設計者から、仕事の質(仕上がり)を直接高く評価されるから」が29.0%という回答となりました。

・元請けや設計者と、対等な立場で技術的な協議や提案ができるから: 45.2%
・「あなた(自社)だから」と、技術を理由に指名で仕事が来るから: 29.0%
・施主や設計者から、仕事の質(仕上がり)を直接高く評価されるから: 29.0%
・他社が断るような、難易度の高い現場を任されるから: 16.1%
・希少性の高い技術や、特殊な資格を保有しているから: 12.9%
・価格交渉の場で、技術的な優位性や工法を説明し、納得してもらえるから: 9.7%
・その他: 3.2%
・わからない/答えられない: 12.9%
■建築施工職人の約8割が、仕事の継続性に不安
「Q5. あなたは、今後の現場獲得や仕事の継続性について、どの程度不安を感じますか。」(n=103)と質問したところ、「非常に不安を感じる」が29.1%、「やや不安を感じる」が47.6%という回答となりました。

・非常に不安を感じる: 29.1%
・やや不安を感じる: 47.6%
・あまり不安を感じない: 22.3%
・全く不安を感じない: 1.0%
■74.7%の建築施工職人が、新規開拓の営業活動に苦戦、十分にできているのはわずか1.0%
「Q6. あなた(もしくはお勤め先)は、新規の取引先やパートナーを開拓するための営業活動を十分に行えていますか。」(n=103)と質問したところ、「全く行えていない」が25.2%、「あまり行えていない」が49.5%という回答となりました。

・全く行えていない: 25.2%
・あまり行えていない: 49.5%
・ある程度は行えている: 24.3%
・十分に行えている: 1.0%
■子どもに自分の仕事を「勧めたくない」が、84.5%を占める
「Q7. もしご自身にお子さんや親しい若者がいる場合、今の建築業界でご自身の職業(職人)に就くことを勧めたいと思いますか。」(n=103)と質問したところ、「全く勧めたいと思わない」が35.0%、「あまり勧めたいと思わない」が49.5%という回答となりました。

・全く勧めたいと思わない: 35.0%
・あまり勧めたいと思わない: 49.5%
・勧めたいと思う: 13.6%
・ぜひ勧めたいと思う: 1.9%
■建築施工職人の約8割が、「施主直接取引で仕事の誇り高まる」と実感
「Q8. 施主と直接つながり、工事にかかるコスト構造(材料費、ご自身の施工費、中間コストなど)や報酬条件が明確に把握できる取引環境があれば、ご自身の働き方や業務が改善され、仕事への誇りも高まると思いますか。」(n=103)と質問したところ、「非常にそう思う」が29.1%、「ややそう思う」が49.5%という回答となりました。

・非常にそう思う: 29.1%
・ややそう思う: 49.5%
・あまりそう思わない: 17.5%
・全くそう思わない: 3.9%
■まとめ
今回は、建築業界の職人103名を対象に、賃金や仕事の評価に関する実態調査を実施しました。その結果、78.6%が世の中の賃上げの動きを自身の報酬に実感できておらず、57.3%が価格競争に巻き込まれていると感じていることが明らかになりました。また、84.5%が自分の子どもや若者に職人の仕事を勧めたくないと回答し、業界の深刻な課題が浮き彫りになりました。
まず、価格競争に巻き込まれていると感じる理由として、最多は「元請けや上位の会社による中間マージンが多いから」(45.8%)で、次いで「相見積もりで買い叩かれ、適正な価格が反映されないから」(42.4%)、「価格交渉の場がなく、元請けから提示された金額をのむしかないから」(40.7%)という結果でした。一方で、技術が評価されていると感じる職人の理由では「元請けや設計者と対等な立場で技術的な協議や提案ができるから」(45.2%)が最多となりました。さらに、今後の現場獲得や仕事の継続性について76.7%が不安を感じており、新規の取引先やパートナー開拓のための営業活動も74.7%が十分に行えていないことが分かりました。
今回の調査では、建築業界の職人が技術力よりも価格競争に巻き込まれ、将来への不安を抱えている実態が明らかになりました。建設需要が堅調に推移する中でも、多重下請け構造による中間マージンや価格交渉力の欠如により、職人の技術が正当に評価されない状況が続いています。一見好調に見える建築業界も、実際には次世代への継承意欲が著しく低下しており、このままでは技術の継承が危ぶまれる事態となっています。78.6%が施主と直接つながり、コスト構造が明確な取引環境があれば働き方が改善すると回答していることから、中間構造の見直しや職人と施主を直接つなぐ新たな仕組みづくりが求められるのではないでしょうか。
■施主・建築士・職人を直接つなぐ、注文住宅DXプラットフォーム「建築市場」とは

「建築市場」は、注文住宅を建てたい施主と建築士・職人を直接つなぐマッチングプラットフォームです。従来のハウスメーカー経由での家づくりとは異なり、セルフビルドという手法を活用することで、不要な中間コストを削減し、より安価で自由度の高い注文住宅の実現を目指します。「理想の家を、適正な価格で。」 それが「建築市場」の新しいスタンダードです。
<こんなお悩みありませんか?>
-
希望エリアで3LDKを建てようとすると、予算オーバー
-
(ハウスメーカーだと)理想の設備、オプションが選べない
-
(ハウスメーカーだと)希望の間取り・動線が自由に選べない
-
予算が理由で注文住宅の選択肢がない
これらのお悩みは「建築市場」で解決できます。
詳しくはこちら:https://lp.kenchiku-ichiba.com/lp01
■会社概要
会社名 :建築市場株式会社
設立 :2025年9月1日
代表取締役:天野智弘
所在地 :東京都豊島区西池袋3-1-15 西池袋TSビル2階
事業内容 :建設DX業、資材販売業、建設業、不動産業
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
