【事業者調査レポート 事業計画作成時に悩むポイント】全体の7割がオフィス移転費を考慮しないと回答

〜億単位の移転費を見落とすことも〜

株式会社プロフィナンス

 スタートアップの事業計画をサポートする株式会社プロフィナンス(本社:東京都港区、代表:木村 義弘)は、2020年7月、事業計画作成クラウドサービス「ProfinanSS(プロフィナンス)」(https://lp.profinanss.com/)のユーザー(有効回答数:77)を対象に、「事業計画書作成時に悩むポイント」に関する調査をおこないました。その結果の第3弾「マーケティング・賃料・その他費用」編を本日発表します。
※第1弾では、事業計画作成にどのツールを使うのかや、作成を始めた際にまずどこで悩むのか( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000052448.html )を、第2弾では、人件費と組織づくりの課題について( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000052448.html )を発表しています。
■調査結果のポイント
  • マーケティング施策については、プロダクトマーケットフィット(PMF)※を目指すアーリーステージで本格的に検討を始める。 ※自社のプロダクト・サービスが狙った市場の課題に適合した状態。
  • コロナ禍でオフィス必要性の再検討が進む中、40%が「人数に対する適切な広さや相場」に悩むと回答。
  • オフィス賃料は3割が検討不要と回答。しかし、賃料やオフィス移転費を考慮しなかったために事業資金不足が発生する場合も。
  • フリーランス活用拡大の影響か、「業務委託費」は、全体の7割が事業計画に組み込む。

1. 回答者の属性について











 本調査の回答者は、40.3%がスタートアップ、22.1%が上場企業の新規事業であり、スタートアップ・新規事業担当の方で60%を占めました。スタートアップと回答があった回答者の内訳を見ると、シードステージが54.8%、アーリーステージが29.0%、レイターステージが16.1%と、スタートアップの中ではシードステージにいる回答者が大半を占めました。

2. マーケティングコストについて
 マーケティング費用検討において最も悩むポイントは、同じ割合で「各種マーケティング施策の洗い出し」と「各施策や媒体の費用感について」の2点で、どちらも約44%という結果になりました。
 続いて、事業計画を表計算ソフトで作成するときの数式のロジック構築に悩む方が約43%、マーケティング施策の実施タイミングで悩む方が約36%と続きました。

 上位2つの悩みについて、創業前を除いた企業ステージごとに注目して見ると、マーケティングへの取り組みの傾向が見えてきます。

 シードステージはプロダクト完成前後であることが多く、マーケティングよりもプロダクト・サービス開発を重視するため、計画上マーケティング予算を設定したとしても顧客獲得コストをざっくり設定するケースが大半です。実際にプロダクト・サービスリリース後、施策レベルで試し、マーケティング投資に対する投資対効果も見ながら計画を作成していくことになります。
 一方、PMF前後のアーリーステージでは、自社事業に最適なマーケティング施策を試行錯誤している段階にあるため、マーケティングに関連する悩み・課題が一気に高まります。アーリーステージを乗り越えたレイターステージでは、また悩み・課題を持つ割合が低下してきます。
 レイターステージでは、顧客獲得コストがどの程度か等の事業計画上ある程度検証済みである企業も多いこと、マーケティングチームに詳細な計画を任せていることが相まって、課題感としては低下するものと考えられます。

3. 地代家賃に関するコストについて

 家賃検討においては、「人数に対して適切な広さや相場」に悩む方が全体の40%、次に「人員増を考慮した移転のタイミング」が約32%、「検討不要」と考えた方が約28%と続きます。
 家賃以外の項目については、「検討しなかった」と「敷金を検討」したのが全体の約39%と同率1位でした。

 東京都の1人あたりのオフィス面積は減少傾向にあり※1、コロナ禍で今後さらにオフィス縮小が進むと予想されます。仮に、1人あたり3.5坪、社員数100人、坪単価平均の20,000円(都内のオフィス坪単価平均※2)とすると、オフィス賃料のみで月700万円の費用が発生する計算になります。
 実際には、敷金や内装工事費等もかかり、その他相場を考慮すると、オフィス移転に1億円弱のキャッシュアウトが発生する場合もあります。しかし、これらの費用はBS(貸借対照表)で【資産】として計上されることと、多くの企業でPL(損益計算書)を作成していないことから、見落としてしまうことも少なくありません。さらに、大型ファイナンスをしても、敷金等が想定以上にかかり事業資金にまわせないという事例もあります。
※1 https://officee.jp/price/station/1264/
※2 https://soken.xymax.co.jp/2019/10/02/1910-office_space_per_person_2019/

4. その他事業計画作成時に考慮する項目について

 これまで触れてきたコストの他に、全体の約7割が考慮すると回答したのが、「業務委託費」と「通信費」でした。働き方の多様化が進み、正社員だけでなくフリーランスとして働く人材の活用等が増えたことが影響していると考えられます。
 また、業種問わず事業運営にインターネットは必要不可欠であり、そのためのサーバー費用(Amazon Web Service、Google Cloud Platformなど)を念頭に置いていることがうかがえます。

プロフィナンス代表 木村義弘 コメント

  第2弾の「人件費」に続き、「マーケティング費・オフィス賃料・その他コスト」について解説しました。人件費と同様に、マーケティング費も企業ステージにより課題は変遷するものですが、今回はPMFを意識するタイミングがポイントでした。PMFに到達できると、投資効率を加味した打ち手が見えてくるため、スタートアップの成長過程での大きな山場と言えるでしょう。
 また地代家賃については、店舗型ビジネスでない限り、「事業成長に直接貢献するわけではない費用」であるため人件費やマーケティングに比べて検討を疎かにしがちです。しかし、額が大きいため無視はできません。PLではカウントされないため見落としがちですが、敷金や内装工事も大きな支出となることが今回おわかり頂けたのではないでしょうか。現在開発を進めているProfinanSSでは、このような「事業に直接貢献するわけではないがインパクトが大きいコスト」についても示唆し、ユーザーの皆様の事業計画作成の負担や見落としを防ぐ一助となるような機能の実装を進めております。

代表者 木村義弘プロフィール:大学院修了後、VCで投資先の支援、特に複数のスタートアップの事業計画作成を推進。インドでの事業立ち上げを経て、デロイトではゼロからミャンマー事務所の立ち上げに携わり、初代日系企業デスクとして活動。その後事業会社の経営企画チームに参画し、国内外M&A推進、買収先CFOとして経営に従事。コンサルタント、経営企画として、スタートアップから大企業、さらに電力などのインフラ開発の収益シミュレーションまで幅広く手掛けた。2018年ProfinanSSを創業。

次回は、資金調達など事業計画に関する残りの論点についての調査結果をお知らせします。
第1弾結果【事業者調査レポート 事業計画作成時に悩むポイント】事業計画を「作り込む程度がわからない」という結果に!〜事業計画の必要性を感じている層は多く存在〜( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000052448.html )、第2弾結果【事業者調査レポート 事業計画作成時に悩むポイント】企業の成長段階ごとに、人件費・組織づくりの課題は変遷( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000052448.html )です。

■会社概要
会社名:株式会社プロフィナンス(ProfinanSS Inc.)
所在地:東京都港区赤坂8-4-14 青山タワープレイス8F
設 立:2018年2月
資本金:16,125,000 円 
代表者:木村 義弘
事 業:ファイナンスデザインツール「ProfinanSS」開発及び提供、戦略・新規事業に関するコンサルティング
ウェブサイト:https://www.profinanss.com/

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会社概要

株式会社プロフィナンス

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URL
https://vividir.io
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区浜松町1-27-17 三和ビル 412
電話番号
03-4400-2857
代表者名
木村義弘
上場
未上場
資本金
3537万円
設立
2018年02月