気仙沼の臼福本店がタイセイヨウクロマグロ漁業で世界初のMSC認証を取得
持続可能な漁業の世界的基準であるMSC漁業認証規格を満たしているとして、株式会社臼福本店のはえ縄漁業が、クロマグロでは世界初となるMSC漁業認証を正式に取得しました。現在、MSC認証を取得している漁業としては日本で7件目となります。
臼福本店は、MSC認証が定める科学に基づいた、持続可能な天然漁業のためのMSC漁業認証審査を終えました。審査は第三者審査機関により実施され、海洋科学者や水産業界の協力もありました。同社は2011年の東日本大震災と津波により大きな被害を受けた後、より厳格な漁業管理体制の再構築に向け、宮城県気仙沼市の他の漁業者の関与を促す手段として、MSC認証取得に挑戦することを決意しました。
臼福本店がMSC認証の取得を目指した理由は、持続可能な漁業の重要性を認識しているためだけではありません。認証審査では、審査対象の漁業がIUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)に関与していないことも確認されることから、自分たちが獲ったクロマグロをほかのクロマグロと差別化することができるという理由もあります。
臼福本店は漁獲されたすべてのタイセイヨウクロマグロに通し番号が入った電子タグを取り付けており、それによってすべての流通履歴を追うことができます。また、毎日の漁獲記録を電子記録として船上から日本の会社を通じて水産庁に報告し、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)に送られることで、漁獲量が証明されます。
今回のような1隻の漁船によるMSC認証の取得でも漁業全体に大きな変化をもたらす可能性があります。臼福本店の認証における、タイセイヨウクロマグロの資源管理のさらなる改善を、日本の水産庁も支援しています。
漁業者のコメント
今回のMSC認証取得に対し、臼福本店代表取締役社長臼井壯太朗氏は次のようにコメントしました。「はじめに、長期間にわたり厳正なる審査をしていただきましたControl Union UKの皆さま、そしてご協力をいただきましたすべての皆さまに、心から感謝を申し上げます。このたび株式会社臼福本店は、東大西洋のクロマグロはえ縄業としては世界初となるMSC認証を取得しました。東大西洋において、長年当社がクロマグロの資源管理を行っていたことが厳格な審査を通じて認められたことになります。
かつて資源が減少傾向にあったタイセイヨウクロマグロも、厳格な資源管理が奏功し、近年その資源量は健全なレベルまで回復いたしました。当社はトレーサブルな魚を市場に提供することで、漁業資源のサステナビリティを実現し、生産履歴が不透明なマグロとの差別化を図りたいと考えております。今回のMSC認証を機に、マーケット側にもより一層水産資源への関心と理解を深めるべく努め、次世代に伝統ある日本の漁業と限りあるマグロ資源を繋いでいきたいと考えております。」
MSCのコメント
MSC日本事務所プログラム・ディレクターの石井幸造は次のように述べています。「持続可能な漁業に向けご尽力された臼福本店の皆さまに心からお祝い申し上げます。今回の認証取得はクロマグロ漁業として世界初のケースであり、審査の過程においては多くの関係者の関与がありました。そうした関係者からのコメントへの対応も含め、科学的根拠に基づく厳格な審査が行われ、さらには厳しい異議申し立てプロセスを経た結果としての認証取得です。この認証をきっかけに、消費者が、自分が食べるマグロが持続可能な漁業で獲られたものなのかを考える機会につながることを願っています。」
臼福本店は持続可能なクロマグロ漁業を追求するだけではありません。臼井氏は「気仙沼の魚を学校給食に普及させる会」の代表も務めています。子どもたちに地元水産業への関心を高めてもらうことを目的としています。活動内容は親子料理教室やマグロ漁船の見学などです。漁船見学は国内外で行っており、地域の小学生や水産高校生を対象に実施しています。
注記
臼福本店のタイセイヨウクロマグロはえ縄漁業の審査に関する報告書は https://fisheries.msc.orgからご覧いただけます(英語)。公開認証報告書(PDF)もこちらに掲載されています。
・臼福本店の詳細については認証報告書の3.2に記載。
・臼福本店のトレーサビリティへの対応は報告書のセクション5に記載。電子タグは水産庁の実証事業によるもの(現在は自社で実施)。
・水産庁による支援のレターはセクション3(p.11)を参照。2020年7月17日に発行された第三者審査機関の補足資料内に記載。
株式会社臼福本店について
臼福本店は1882年に魚問屋として創業し、1930年代より漁業に参画しました。近海、遠洋など複数の海域で操業していましたが、先代より遠洋マグロ類はえ縄漁業のみに限定しています。同社は2011年の東日本大震災後、津波により壊滅的な被害を受けた気仙沼および東北の漁業の復興に率先して取り組んでいます。http://www.usufuku.jp/
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20か国に事務所をおき世界中で活動しています。日本事務所は2007年に設立。2020年7月末時点で、世界約100か国で43,000品目以上のMSC「海のエコラベル」の付いた水産品が販売されています。日本では約900品目が登録されており、イオングループ、生協、セブン&アイグループ、マクドナルドなどで販売されています。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ堅固な科学に基づき作られたものです。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能であり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、独立した審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳正な環境規格に適合した漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それが「海のエコラベル」です。
臼福本店は、MSC認証が定める科学に基づいた、持続可能な天然漁業のためのMSC漁業認証審査を終えました。審査は第三者審査機関により実施され、海洋科学者や水産業界の協力もありました。同社は2011年の東日本大震災と津波により大きな被害を受けた後、より厳格な漁業管理体制の再構築に向け、宮城県気仙沼市の他の漁業者の関与を促す手段として、MSC認証取得に挑戦することを決意しました。
臼福本店がMSC認証の取得を目指した理由は、持続可能な漁業の重要性を認識しているためだけではありません。認証審査では、審査対象の漁業がIUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)に関与していないことも確認されることから、自分たちが獲ったクロマグロをほかのクロマグロと差別化することができるという理由もあります。
臼福本店は漁獲されたすべてのタイセイヨウクロマグロに通し番号が入った電子タグを取り付けており、それによってすべての流通履歴を追うことができます。また、毎日の漁獲記録を電子記録として船上から日本の会社を通じて水産庁に報告し、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)に送られることで、漁獲量が証明されます。
今回のような1隻の漁船によるMSC認証の取得でも漁業全体に大きな変化をもたらす可能性があります。臼福本店の認証における、タイセイヨウクロマグロの資源管理のさらなる改善を、日本の水産庁も支援しています。
漁業者のコメント
今回のMSC認証取得に対し、臼福本店代表取締役社長臼井壯太朗氏は次のようにコメントしました。「はじめに、長期間にわたり厳正なる審査をしていただきましたControl Union UKの皆さま、そしてご協力をいただきましたすべての皆さまに、心から感謝を申し上げます。このたび株式会社臼福本店は、東大西洋のクロマグロはえ縄業としては世界初となるMSC認証を取得しました。東大西洋において、長年当社がクロマグロの資源管理を行っていたことが厳格な審査を通じて認められたことになります。
かつて資源が減少傾向にあったタイセイヨウクロマグロも、厳格な資源管理が奏功し、近年その資源量は健全なレベルまで回復いたしました。当社はトレーサブルな魚を市場に提供することで、漁業資源のサステナビリティを実現し、生産履歴が不透明なマグロとの差別化を図りたいと考えております。今回のMSC認証を機に、マーケット側にもより一層水産資源への関心と理解を深めるべく努め、次世代に伝統ある日本の漁業と限りあるマグロ資源を繋いでいきたいと考えております。」
MSCのコメント
MSC日本事務所プログラム・ディレクターの石井幸造は次のように述べています。「持続可能な漁業に向けご尽力された臼福本店の皆さまに心からお祝い申し上げます。今回の認証取得はクロマグロ漁業として世界初のケースであり、審査の過程においては多くの関係者の関与がありました。そうした関係者からのコメントへの対応も含め、科学的根拠に基づく厳格な審査が行われ、さらには厳しい異議申し立てプロセスを経た結果としての認証取得です。この認証をきっかけに、消費者が、自分が食べるマグロが持続可能な漁業で獲られたものなのかを考える機会につながることを願っています。」
臼福本店は持続可能なクロマグロ漁業を追求するだけではありません。臼井氏は「気仙沼の魚を学校給食に普及させる会」の代表も務めています。子どもたちに地元水産業への関心を高めてもらうことを目的としています。活動内容は親子料理教室やマグロ漁船の見学などです。漁船見学は国内外で行っており、地域の小学生や水産高校生を対象に実施しています。
注記
臼福本店のタイセイヨウクロマグロはえ縄漁業の審査に関する報告書は https://fisheries.msc.orgからご覧いただけます(英語)。公開認証報告書(PDF)もこちらに掲載されています。
・臼福本店の詳細については認証報告書の3.2に記載。
・臼福本店のトレーサビリティへの対応は報告書のセクション5に記載。電子タグは水産庁の実証事業によるもの(現在は自社で実施)。
・水産庁による支援のレターはセクション3(p.11)を参照。2020年7月17日に発行された第三者審査機関の補足資料内に記載。
株式会社臼福本店について
臼福本店は1882年に魚問屋として創業し、1930年代より漁業に参画しました。近海、遠洋など複数の海域で操業していましたが、先代より遠洋マグロ類はえ縄漁業のみに限定しています。同社は2011年の東日本大震災後、津波により壊滅的な被害を受けた気仙沼および東北の漁業の復興に率先して取り組んでいます。http://www.usufuku.jp/
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20か国に事務所をおき世界中で活動しています。日本事務所は2007年に設立。2020年7月末時点で、世界約100か国で43,000品目以上のMSC「海のエコラベル」の付いた水産品が販売されています。日本では約900品目が登録されており、イオングループ、生協、セブン&アイグループ、マクドナルドなどで販売されています。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ堅固な科学に基づき作られたものです。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能であり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、独立した審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳正な環境規格に適合した漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それが「海のエコラベル」です。
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