視覚障害者の新しい働き方を照らすカフェ「Moonloop Cafe」、2月17日よりオープン!

視覚障害のあるスタッフも週替わりで店長を務める「Moonloop Cafe」が 2月17日にオープン。見える・見えないの境界を越え、新しい働き方の革命を目指します。

一般社団法人ビーラインドプロジェクト(本社:東京都豊島区、代表理事:浅見幸佑)は、視覚障害のある大学生とない大学生が共に創り上げた新しいカフェ「Moonloop Cafe」を2025年2月より東京都杉並区でオープンいたします。視覚障害者が接客業の「店長」を務めるカフェは、日本ではまだ前例の少ない取り組みです。Moonloop Cafeでは、視覚に障害のあるスタッフが主体となり、その日のスタッフの視野の「満ち欠け」に合わせた特別なチャイとデザートを提供いたします。「カフェのアルバイトに憧れていたけど目が見えないから諦めてしまった」「アルバイトがしたいけど中々選択肢が少ない」という些細な願いを覆し、新しい働き方の可能性を切り拓きます。

Moonloop Cafeのキャッチ画像。スタッフのいっしーが生チョコレートを召し上がっている女性とお話ししている様子と、「スタッフの月の満ち欠けに合わせたチャイを提供するカフェ」というコンセプトが書かれたMoonloop Cafeのロゴがあります。

■ Moonloop Cafeのコンセプト

Moonloop Cafeのテーマは「月の満ち欠けと視野の違い」です。

日々忙しく過ぎる時間の中で、ふと夜空を見上げると、変わらずそこに月が輝いています。Moonloop Cafeは、そんな月のように、訪れる人の心にそっと寄り添う場所です。

このカフェでは、視覚障害のあるスタッフも店長となり、その日のスタッフの視野の満ち欠けに合わせたチャイとデザートを提供いたします。

詳しいメニューやコンセプトはホームページよりご覧ください。

公式サイト:https://blinedproject.org/moonloopcafe

Moonloop Cafeのロゴ。「スタッフの月の満ち欠けに合わせたチャイを提供するカフェ」というコンセプトが書かれ、MOONLOOP CAFEという文字のOが月のような色合いになり、それぞれの文字の下に点字が書かれています。

■ 背景:視覚障害者の「カフェで働いてみたい」という思いを実現する

このカフェが生まれた背景には、視覚障害のある大学生が抱える「働きたいけれど、選べるアルバイトが少ない」という現実があります。その声に応えるために、視覚障害のある大学生とない大学生が協力し、共に新しい働き方の形を作り上げました。アルバイトの選択肢が少ない、という課題の中でも特にお声としても多い「カフェで働いてみたい」というシンプルで真っ直ぐな思いを形にし、視覚障害のある人にも、楽しい仕事の選択肢が広がる社会を目指しています。

カウンターや壁を利用したスタッフの移動、ポットや特殊なカトラリーを活用した配膳、スタッフ同士の連携——
工夫次第で、視覚障害のある人もホスピタリティを活かし、カフェでお客様に心地よい時間を提供できるようにしております。

スタッフのいっしーがメガネをかけた男性のお客さんと話している様子

■ 店舗情報

場所: 東京都杉並区久我山5-24-1(京王井の頭線 富士見ヶ丘駅から徒歩3分)

営業時間: 毎週月曜日 17:30〜21:30(ラストオーダー 21:00)

席数: 12席

ご予約: 可能(事前予約推奨)

備考: 事前連絡で富士見ヶ丘駅までお迎え可能です

Moonloop Cafeの店舗の外からの様子。暖色のライトが店内を照らし、ガラス張りの入り口から中の様子が見えます。テイクアウトもできます!

■ ポップアップオープンでご来店いただいた皆様のご感想

12月2日、1月13日、2月3日の3回に渡ってポップアップで営業を行い、合計34名のお客様にご来店いただきました。

いただいたご感想(一部):

  • 「視覚に障害を持つ方が接客をしてくださるカフェ、という斬新なコンセプトにワクワクしつつも、自分自身にとって非日常的な空間、コミュニケーションとなることに、少し緊張感を持って入店しました。ですが、店員さんがみなさんとっても気さくでにこやかで、会話も店員さん側から積極的にリードしてくださったので一瞬で緊張が解けて、終始楽しく過ごさせていただくことができました!また、お店の開けた空間が、店員さんとワイワイ会話を楽しませていただく時間と、友人と静かにお茶を楽しむ時間の両方を充実させてくれたと思います。とっても居心地が良かったです!」(20代晴眼者女性)

  • 「チャイを初めてカフェで飲んだ。店内が気持ちよかった。メニューが点字だった。はじめてメニューを点字で読めて感激した。」(10代全盲男性)

  • 「チャイもチョコレートもとってもおいしかったし、何より味のバランスが良かった。また、丁寧な接客、お店のコンセプトなど、そのお店に初めて足を運んだ方でも1度でイメージが湧くように工夫されていて、とってもよかった。自分も視覚障害を持つ当事者として、過去学生時代に健常者に混じってバイトしていたことがいくつかあるが、やはり働きづらい世の中ではあるとずっと課題感を持っていたので、こういうお店に出会えたことが何より幸せだった。」(20代全盲男性)

  • 「チャイもアフォガードもとても美味しかったし、スタッフさんとおしゃべりできるのが楽しかったです。トークのきっかけになるものが散りばめられていて素敵でした。」(20代晴眼者女性)

  • 「弱視や全盲の方がカフェの店員さんをするとのことで、ヒヤヒヤするかなと思ったけど凄く落ち着いて安心できる空間だった」(20代弱視男性)

男性のお客さんがMoonloop cafeのマガジンを手に持ちながらお話しされている様子
スタッフのまりりんが点字器を持って、女性のお客さんお二人と話している様子。
アイスチャイとチャイアフォガード、生チョコレートが机の置かれています
男性が一緒にいらした女性と談笑されている様子

■ スタッフからのコメント

現在は視覚障害のあるメンバー2名、晴眼者のメンバー2名、の合計4名の体制で運営しています。スタッフそれぞれからコメントをもらいました。

いっしーの写真。メガネをかけて珈琲のフレンチプレスを持っています。

いっしー(大学1年生弱視男性)

このカフェは今までにない視覚に障害のあるスタッフが働くという取り組みがあるので、少しお客様目線からは緊張感があるかもしれません。例えば「スタッフ同士がぶつかりそう!」や「料理や飲み物をこぼしそう!」などを僕たちの動きを見ていて感じるかもしれません。そう言ったハラハラする気持ちはあると思いますが、できることならそれもこのカフェの味だと思って欲しいです。また僕はこの他にもアルバイトを応募しましたが、ことごとく不採用になってしまってそれはどれも視覚に障害がある人には任せられないということでした。このカフェはそんな固定観念を壊すようなカフェだと僕は思ってます。ここで接客の仕方を学び、お客様をできるだけハラハラさせないような訓練もしました。ですので、安心してカフェでくつろいでいただけたら幸いです。

まりりんの写真。カウンターの前で笑って立っています。

まりりん(大学4年生全盲女性)

私はカフェで働いてみたいとずっと思っていました。視覚障害者が働ける職場は年々増えてきていますが、バイトとして働ける職場は現状少なく、ましてや飲食店は選択肢にすら上がることがない職場の一つでした。大学生になって周りの学生たちがバイトをするようになり、飲食店で働いている話を耳にするたび羨ましさを感じていました。働いてみたいけどそれはできないことだと無意識のうちに諦めていたんだと思います。そんな時にここで一緒に働かないかと声をかけてもらって本当に驚きました。カフェで働くという些細な憧れが現実になった時、選択肢から外していたのは自分自身だったことに気づかされました。私のように何かしらの理由で些細な憧れを無意識に諦めてしまう人たちはいると思います。そんな人たちの背中を押してあげられるようなカフェにしていきたいです。

かんちくろうの写真。キッチンに立ってチャイのシロップを道具を使って掬おうとしています。

かんちくろう(大学4年生晴眼男性)

Moonloop Cafeは、僕にとって今最も大切なプロジェクトです。立ち上げから関わり、ついに形になる瞬間を迎えました。このカフェでは、来てくださる皆さんに美味しいフードとドリンクを提供するだけでなく、視覚障害のあるスタッフが最高に楽しく働ける環境を作りたいと考えています。視覚障害を持ちながらカフェで働くことは前例がほとんどありません。Moonloop Cafeから視覚障害のある方の雇用の幅や、視覚障害に対する認知を広げていきたいと思っています!

あっさみの写真。キッチンに立っていっしーと話しているときの写真です。この写真しかありませんでした汗

あっさみ(大学4年生晴眼男性)

このカフェを始める前にも、沢山の方から「接客業をやってみたい」「カフェで働いてみたい」といったお声を聞いていました。見えない、見えにくいことによってそういった「やりたい」「なりたい」という希望の選択肢が少なくなってしまうことに違和感を感じます。このカフェはまだまだ完璧とはほど遠く、経営が成り立って、アルバイトを安定して生み出せるようになって初めて成功と言えます。ですが、皆さんと歩むこの小さな一歩が、今後の視覚障害者の希望の選択肢を広げていく大きな一歩になることを願っています。

■ 出店先店舗の運営の方からのコメント

Moonloop Cafeは、東京都杉並区にある「蜃気楼珈琲」という日替わりで店主が変わる「シェアリングコーヒーショップ」で出店させていただいております。蜃気楼珈琲 代表の田上さんよりコメントをいただきました。

蜃気楼珈琲代表 田上凜太朗さん

蜃気楼珈琲は『食を通じて、人々を幸せにするイノベーターを輩出する』 ことをミッションとしており、飲食人起業家が『挑戦し、失敗し、成長する』ための飲食店営業許可を取得したシェアスペースを運営しております。代表の浅見くんとは、私が大学在学中にインターンをしていたNPO のイベントがきっかけで出会いました。その際、視覚に障害を持った方の職業選択の幅の狭さ、実は接客業やってみたいけど諦めている方が多いという話を聞いたところから、このプロジェクトはスタートしました。既存のお店で働くことは確かに難しいかもしれない。けれど蜃気楼珈琲であれば、可能性があるかもしれない。構想はかれこれ半年くらいですかね。実現に向けてたくさん努力をしてきたチームです。特に、安全面、衛生面には特段の気を使い、毎週毎週試行錯誤してきました。2月からオープンを迎えますが、これはスタートライン。ここからたくさんのトライアンドエラーを積み重ねて、誰かが勝手に決めた『当たり前』を変えるイノベーションを起こしていきましょう!

蜃気楼珈琲 代表 田上凜太朗

■ 問い合わせ・取材のご依頼

Moonloop Cafeの詳細や取材をご希望の方は、以下のメールアドレスもしくはお問合せページまでお問い合わせください。

📩 お問い合わせ(メール): cafe@blinedproject.org

📩 お問い合わせ(ホームページ): https://blinedproject.org/moonloopcafe/contact

🌐 公式サイト: https://blinedproject.org/moonloopcafe

各種SNSで発信もしています。是非フォローをお願いします!

視覚障害者の仕事の常識を覆し、新しい働き方を照らす Moonloop Cafe。

見える・見えないの枠を超えたこの革命を、ぜひ取材・ご体験ください。

■ 会社概要

企業名:一般社団法人ビーラインドプロジェクト

代表理事:浅見 幸佑

所在地:東京都 豊島区 南大塚 2-45-11 メゾンドールアム402

公式サイト:https://blinedproject.org/

X (Twitter):https://twitter.com/BlinedProject

Instagram:https://www.instagram.com/blined_project/

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会社概要

URL
https://blinedproject.org
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都豊島区南大塚 2-45-11 メゾンドールアム101
電話番号
080-9860-2418
代表者名
浅見幸佑
上場
未上場
資本金
30万円
設立
2023年07月