15,000名のデータから見る「無意識バイアスが企業に及ぼすリスク」~管理職、一般社員別に調査結果を発表
アンコンシャス・バイアスが「変化への対応」と「適材適所」を阻む
【調査の背景】
近年、企業の人材領域で「無意識バイアス(アンコンシャス・バイアス)」が問題視されています。無意識バイアスとは、人が経験則によって持つ「物の見方・考え方の偏り」のことで、「男性はリーダー」「女性はサポート」といったジェンダーバイアスや「シニアは新規事業に向かない」「若手にリーダーは難しい」といった年齢バイアスがあります。
無意識バイアス自体はスピーディな判断をするための脳の機能であり、すべての人が持っています。しかし、企業においては業務分担や登用、評価に悪影響を及ぼすことが少なくありません。
本調査では、無意識バイアス(アンコンシャス・バイアス)ラーニングツール「ANGLE(アングル)」導入企業の社員15,450名のデータを分析、特にジェンダーバイアスについて、非管理職の女性に影響を及ぼすリスクがあることなどが明らかになりました。
ANGLE(アングル) https://changewave.co.jp/product/
【調査結果サマリー】
1.ジェンダーバイアスは男女共に強く存在する
2.管理職では男女で無意識バイアスの強さに大きな差はないが、一般社員(非管理職)では女性の方が無意識バイアスが強い人の割合が高い
3.仕事と家庭の両立について、賛成と回答した人はほぼ100%であったが「育児中の社員の海外出張」など具体的な設問に対しては性別によって25ポイント以上の差が見られた
【調査結果】
1.ジェンダーバイアスは男女共に強く存在する
本調査では、無意識バイアス測定テスト・IAT(※1)を使用しました。
※1 Implicit Association Test、ハーバード大学の研究者らが開発したテスト。チェンジウェーブでは、IATの国内第一人者である潮村公弘教授の監修を得て、IATを日本向けに独自開発しました。
±0.65~が無意識バイアスが強い、とされるレベルです。
管理職、一般社員ともに「男性=仕事、女性=家庭」という結びつき(無意識バイアス)は強く見られます。
一般社員(非管理職)では男女差が大きく、女性の方が「女性=家庭」の無意識バイアスを強く持っています。
2.「総論賛成」「各論反対」~無意識バイアスが業務アサインに影響する
ANGLEでは、受講者が自らの無意識バイアスに気づくためのセルフチェックを設けています。その一部を以下に紹介します。
Q.仕事と家庭の両立は歓迎すべきものである
まず、「仕事と家庭の両立は歓迎すべき」という設問に対し「とてもそう思う」「そう思う」と答えた人を合わせると、管理職では96%、非管理職では94%です。
しかし、こう答えた人たちであっても、具体的な業務について問われると、無意識のうちにバイアスに影響された意思決定をしています。
Q.1歳の子どもがいる社員に海外出張を打診しますか?
海外出張を「打診する」であっても、対象が男性の場合は71%がYesと答えたのに対し、女性の場合は46%と大きな差が出ました。
Q.1歳の子どもがいる同僚が海外出張を打診されました。あなたはどう思いますか?
非管理職(一般社員)では、1歳の子どもがいる同僚が海外出張を打診された場合、それが男性であれば47%が「違和感はない」と回答していますが、女性に対しては15%と減りました。また「子どもは大丈夫かなと思う」とした人は73%にのぼります。対象となる人の属性で回答に大きな差が出ており、業務の機会提供に無意識バイアスが影響する可能性が浮き彫りになりました。
しかし、本設問については、男性社員が海外出張を打診されたことに対し「違和感はない」と「子どもは大丈夫かなと思う」が同じ割合となっており、男性・女性が共に育児に関わる世代観が反映されているとも言えます。
【考察】
多様な人材の活躍が望まれる中、属性による機会提供の差はなくしている、と考えている人でも、具体的な業務付与や登用といった場面になると回答が変わってくることが調査から明らかになりました。
管理職が「配慮」だと考えていても、それが無意識のうちに部下の成長機会を奪うことになるリスクもあります。これまでの経験則によって「こういう人にはこの業務はできない」「こうした働き方でないと評価できない」などの思い込み、決めつけがないか、再度確認してみる必要がありそうです。
一方、非管理職(一般社員)についても、自らの可能性を狭めることがないよう、無意識バイアスが自らにあることを認識し、対処する方法を持っていることが必要となります。
チェンジウェーブでは、無意識バイアスについて学び、行動変容につなげるラーニングツール「ANGLE」をご提供すると共に、そのデータを利用した組織コンディション分析サービスで対応策をご提案します。
■ANGLEについて
https://changewave.co.jp/product/
導入企業事例: https://changewave.co.jp/article/
■本件に関するお問い合わせ先
株式会社チェンジウェーブ
info@changewave.co.jp
TEL:03-6455-5855
FAX:03-6455-5856
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