【調査レポート】若年層のコンタクトレンズ購入時の都度眼科受診は1割以下、10代の4人に1人が一度も受診なし 男性の使用コンプライアンスが低下、10.8%が眼障害を発症
〜9月10日は「コンタクトレンズの日」『コンタクトレンズの正しい使用と更なる普及に向けた』消費者実態調査を発表〜
一般社団法人日本コンタクトレンズ協会(所在地:東京都文京区、会長:川浦 康嗣、以下JCLA)は、毎年実施している『コンタクトレンズの正しい使用と更なる普及に向けた』消費者実態調査の結果を発表いたします。本調査は今年で10回目となり、コンタクトレンズ(以下、CL)ユーザーの購入や使用の実態、眼科受診の頻度、CLおよびCLケースのリサイクル意向等を明らかにすることで、CLの適正使用や、定期的な眼科受診の啓発に生かす目的で実施しております。
【調査サマリー】
① 若年層(10・20代)カラーCLユーザーの購入時の都度眼科受診は1割以下、10代の4人に1人が一度も受診なし
② 男性CLユーザーの使用コンプライアンスが低下。女性4.8%に比べて、男性は10.8%が眼障害を発症
【調査結果詳細】
① 若年層(10・20代)カラーCLユーザーの購入時の都度眼科受診は1割以下、10代では「一度も眼科を受診したことがない」が4人に1人(25.5%)、「初回以降受診していない」も21.5%という結果に(図1)
購入時の眼科受診の頻度について聞いたところ、女性のカラーCLユーザー、特に10代・20代の若年層の状況が最も懸念される結果となりました。「購入するたびに受診している」は、10代6%、20代前半10%、20代後半9.5%と、いずれも1割以下でした。
10代では、赤色で示している「初めて購入した時も含め一度も受診したことがない」が4人に1人(25.5%)おり、オレンジ色で示している「初めて購入した時は受診したが、その後は受診していない」の21.5%とあわせると、約半数(47%)が初めて購入した際、あるいはその後に、眼科受診をしていないことが明らかになりました。
② 眼障害を発症したユーザーは女性4.8%に比べて、男性が10.8%。男性ユーザーの使用コンプライアンス低下が要因か
CLの使い方が原因で1ヶ月間以上加療した経験があると回答した男性ユーザーは10.8%で、女性ユーザー4.8%を上回りました(図2)。
使用コンプライアンスについて聞いたところ、赤で囲んだ「2枚重ねで装用」、「レンズの貸し借り」、「専用洗浄剤ではない洗剤でレンズを洗った」、「水道水でレンズを洗った」、「水道水でレンズを保存した」の5項目で、男性ユーザーのほうが女性ユーザーよりも高い結果となり、2021年と比較しても大きく上昇していることがわかりました(図3)。以上のことから、使用コンプライアンスの低下と眼障害の発症には関連があると推測されます。
昨今、インターネット販売店や雑貨店・ディスカウントストアなどの非対面販売チャネルでもCLが購入できるようになり、多くのユーザー(特にカラーCLユーザー)が利用しています(非対面販売チャネル:インターネット販売店42%、その他24% 合計66%)(図4)。
特に、「その他」については、2020年と比較すると、7ポイント上昇しました。便利な反面、対面販売に比べて眼科受診の推奨や適正使用の指導がされにくいため、眼科受診頻度の低下や使用コンプライアンスの低下の一因になっていると考えられます。
【聖マリアンナ医科大学眼科学 講師 川崎市立多摩病院 眼科部長 松澤 亜紀子先生 コメント】
CL購入時に眼科を受診されない方が増えていること、使用コンプライアンスが低下していることは、眼科医 として大変危惧しています。CLの不適切な装用により、急性の症状や自覚症状のない不可逆性の障害が生じたり、不十分な衛生管理による感染症で、永続的な視力障害を生じたりすることがあります。
眼科を定期的に受診し、正しい知識を身につけて実践していただきたいと思います。
【一般社団法人日本コンタクトレンズ協会 会長 川浦 康嗣 コメント】
今回の調査結果により、非対面チャネルへの眼科受診推奨の継続的な働きかけが重要であること、また、特に若年層ユーザーに対しては、啓発の媒体に工夫が必要であることを改めて認識しました。当協会は、ユーザーの皆様が日々の生活でより快適に、正しくCLを使用できるよう、引き続き有益な情報提供に努めてまいります。
【調査概要】
調査名 : 『コンタクトレンズの正しい使用と更なる普及に向けた』消費者実態調査(第10回)
調査主体 : 一般社団法人日本コンタクトレンズ協会
調査期間 : 2024年1月11日~1月17日
調査方法 : インターネット調査(外部調査会社に委託)
調査対象 : 15歳~59歳の男女3,600名
【ご参考:コンタクトレンズマーケットの成長性】
CL市場は、クリア・カラーともに拡大傾向にあります。2023年については、クリアCLで+6.5%、カラーCLで+8.9%、全体で+6.9%となり、 過去最高の3,000億円超えとなりました。
※JCLA調べ(協会加盟会社のメーカー出荷額)
【若年層に向けたSNSによるコミュニケーションを実施】
9月10日「コンタクトレンズの日」および10月10日「目の愛護デー」に向けて、CL使用コンプライアンスに関し、特に若年層への啓発を実施します。具体的には、動画クリエイター「ぶんちゃん/重松 文」さんと「雨音」さんを起用し、TikTokにてCLあるあるショート動画を配信します。定期的な眼科受診の啓発を目的にYouTubeでもクリエイターとタイアップし、眼科受診の重要性を訴求するVlogも配信します。
投稿動画はJCLAホームページからもご覧いただけます。(9月24日公開予定) https://www.jcla.gr.jp/
【9月10日「コンタクトレンズの日」について】
コンタクトレンズ業界の健全な発展と、消費者への幅広い認知と普及、正しく安全なコンタクトレンズの使用の啓発を目指して、日本コンタクトレンズ協会が、2017年に制定しました。
9月10日の理由① コンタクトレンズを人差し指に乗せ、目に装着する動作のイメージが9と10に類似していることから。
9月10日の理由② コンタクトの「クト」と「9と10」の語呂合わせ。
10月10日は「目の愛護デー」です。その1ヵ月前をコンタクトレンズの日とし、1ヵ月間をコンタクトレンズの正しい使用と目の健康の啓発期間として定着させることを目的としています。
【団体概要】
団体名 : 一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会
代表 : 会長 川浦 康嗣
所在地 : 〒113-0033 東京都文京区本郷3-15-9SWTビル8F
電話 : 03-5802-5361
設立 : 1958年7月1日(2009年4月1日一般社団法人化)
コンタクトレンズ製品の製造から小売までの業界を代表する団体であり、正会員39社(製造販売業者 卸売業者)、賛助会員26社(小売販売業者)、登録法人1社で構成。(2024年8月31日現在)
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